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元ゲーマーのじいじ、気ままなスローライフを始めました〜じいじはもふもふ達の世話係です〜  作者: k-ing☆書籍発売中


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28.じいじ、ポンに逃げられる

「あー、なんだこれはああああ!」


 謎の暗号に髪の毛が抜け……る髪もないか。

 残ってるのは横にチョロっとあるだけだからな。

 なぜ、ゲームまでハゲを勝手に選択されるのか……やっぱりクソ――。


『にゃああああああ!』


 考え込んでいたら、ポンに怒られてしまった。

 チャットが見えないポンからしたら、ハルキは突然死んだように見えるのだろう。


『にゃ……にゃ……』


 今も悲しそうに鳴きながら、鼻先でツンツンとしている。


【チャット】


ハルキ hrh@zqe


 ハルキからは今もチャットでメッセージが送られてくる。

 生きているのはわかっているが、何を伝えたいのかは全くわからない。


【チャット】


じいじ だいじょうぶか?

ハルキ 4y

じいじ どういういみかな?

ハルキ 0toue


「んー、どういうことだ……」

『にゃああああああ!』

「落ち着かんか!」


 飛び乗ってくるポンをわしは抱きついて落ち着かせる。

 このままじゃ何もわからないからな。


「ハルキは何が言いたいんだ……。4yはよーんわーい……。いや、ハルキはそんなふざけたことは言わないぞ」


 今でも少ない髪の毛がさらになくなりそうだ。

 だが、4yは明らかに何か短い言葉の意味が――。


「ひょっとして返事なのか?」


【チャット】


じいじ ハルキ、へんじは?

ハルキ fe


「んー、4yは返事じゃないのか……あっ!」


【チャット】


じいじ ポンのなきごえは?

ハルキ i7\


「わかったぞ!」

『にゃ⁉︎』


 ポンはわしの言葉に驚いた表情をしている。

 本当にハルキのことが大事なんだろう。

 今もハルキの体の上に載っている。


「ポン、鳴き声はにゃーだぞ!」

『にゃー?』


 ハルキはポンの鳴き声「にゃー」で「i7\」と返事をした。

 小学一年生のハルキがローマ字がわかるはずがない。

 わかるのはできてもひらがな(・・・・)ぐらいのはず。

 わしはチャットのキーボード表示を眺めて、ハルキが書いた文字を整理する。


【チャット】


ハルキ うごかない(4b@:ue)

ハルキ くすぐつたい(hrh@zqe)

じいじ だいじょうぶか?

ハルキ うん(4y)

じいじ どういういみかな?

ハルキ わかんない(0toue)

じいじ ハルキ、へんじは?

ハルキ はい(fe)

じいじ ポンのなきごえは?

ハルキ にやー(i7\)


 っていう意味になるのだろう。

 久しぶりの謎解きにわしの髪は全て抜け落ちそうだ。

 まさかそのまま日本語キーボードを使用しているとはな……。


【チャット】


じいじ どうしてうごけないんだ?

ハルキ おなかすいた(6utreq)


 どうやらハルキはHGが0になった影響で倒れたようだ。


「ポン、何かご飯を作るぞ!」

『にゃ⁉︎』


 わしはすぐにインベントリの中を確認する。


「あるのは魔物と鰹節……」


 何かを作るにしても心許ない。

 しかも、魔物の肉はドロップ品でもなく、直接魔物の死体を持っている。


「……いや、待て。鰹節で出汁をとって、スープだけでも――」


 そう思ったが、腹が減って動けなくなるほどの状態じゃ足りないだろう。

 やはり、ちゃんとした「食べ物」を作らねば。


「ここはじいじの出番だな」


 わしはキッチンの包丁を持って準備をする。

 あとはポンにお願いをするだけだな。

 安心させるためにニヤリと笑うと、ポンは少しずつハルキから離れて後退していく。


「ポンのおや――」

『にゃ……にゃあああああ!』


 なぜかポンは勢いよく、外に出て行ってしまった。

 ポンも何か食べ物を探してくるのだろうか?


「ポンのおやつを借りるつもりだったんだけどな……」


 ポンが怒ると思って、笑ったのにポンは何かに焦っているようだ。


「ハルキ、じいじは魚を捕まえてくるからな!」


 わしらが流れ着いた川はすぐ近くにある。

 滝壷の近くなら、酸素が豊富で水が冷たいため、川魚はいるだろう。

 ポンを追いかけるように、わしも隠れの家を出た。


【チャット】


ハルキ きおつけてね(g6z:w,)

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