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元ゲーマーのじいじ、気ままなスローライフを始めました〜じいじはもふもふ達の世話係です〜  作者: k-ing☆書籍発売中


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27.じいじ、心筋梗塞になる?

「おい、それぐらいにするんじゃ!」


 手作りのおやつに顔を突っ込んで食べるポンを無理やり引き離す。


『にゃああああああ!』


 それでも手作りおやつが美味しいのか、皿を掴んで放そうとしない。

 作った身として嬉しい限りだが、いくら何でもこればかり食べていたら栄養が偏ってしまう。


「ポン、食べすぎると死ぬぞ!」


――カラン!


 何も載っていない皿だけが、床に落ちてクルクルと回る。

 お皿が割れなくてよかった。

 ケガでもしたら大変――。


『にゃ!?』

「へっ!?」


 驚いた表情でポンとハルキがわしを見ている。

 普通は冗談ってわかるレベルだが……。


「ほんとに死んじゃうの!?」

『にゃにゃにゃ!』


 お互い抱きしめて涙目になっている。

 いくらなんでも死ぬことはないと思うが、少し大袈裟に言ってしまったことを後悔している。

 さすがに毒入りのおやつをポンに食べさせるはずがない。

 嘘をついたわしの方が死にそうなぐらい罪悪感で胸が痛いぞ。

 これが心筋梗塞……ってやつか?


 残りのおやつは冷蔵庫の中に入れておく。

 また同じようにポンのおやつが必要になった時に、食べればいいからな。


「そういえば、ポンはいつも何を食べているんだ?」

『にゃにゃの!』

「「にゃにゃの?」」


 〝にゃにゃの〟とは何だろうか。

 聞いたこともない食べ物が、ゲームの中にあるのだろうか。

 ポンは必死に手足をバタバタとさせているが、伝わってこない。

 むしろマンチカンが二足立ちして、ジェスチャーしてることの方が驚いてる。

 「ポンが立った!」って言いながら、みんなで踊り出しそうな勢いだ。


「じいじ、魔物のことかな?」

「そんなはず――」

『にゃー!』


 うん、どうやら正解のようだ。

 魔物だと共食いになるのかと思ったが、そうではないのだろう。

 たしかにポンのおやつもコカトリスの肉を使っているからな。


「ねね、ここのチカチカしてるやつって何かな?」

「チカチカ?」


 ハルキは空中を指さしていた。

 わしも視線を逸らすと、いくつかのゲージが表示されている。

 赤色のHP、青色のMP、黄色の――。


「HG?」


 ステータスにも表記されていない謎のゲージは元ゲーマーのわしでも知らない。

 よくあるスタミナポイントとかテクニカルポイントと同じ意味なんだろうか。

 少なくなると行動回数が減ったり――。


――グゥー!


 隣から大きなお腹の音が聞こえてきた。


「じいじ、お腹減ったね」

「朝ごはんは食べてないのか?」

「ううん、ご飯はしっかり食べたよ!」


 9時からゲームをしているため、まだ1時間ほどしか時間は経っていない。


「さっきチカチカしてるって言ってたのはHGってやつか!」

「そうだよ! なんかHG(ハングリーゲージ)が下がり過ぎちゃうと意識……」


 話していたハルキは突然ふらふらすると、その場で倒れる。


「おい、ハルキ!」

『にゃ!』


 わしとポンはすぐに支えて頭を打つことはなかった。

 だが、どこか視線が合わずにボーッとしている。


「ハルキ大丈夫か!」

『にゃー!』


 ハルキの年齢ならてんかん発作とかも考えられる。

 わしとポンがあたふたしていると、突然画面が表示された。


「チャット……?」


【チャット】


 ハルキ 4b@:ue


 その下にはキーボードが表記されている。

 文字列には見覚えがない。

 もしかして、これがハルキからの暗号なのか?

 わしは思わず息を呑んだ。

 これを解読する方法を知らないが、何か大事なことが隠されている予感がする。

 認知症に足を突っ込んだじいさんに、いきなりクイズをやらせるとは、やっぱりクソゲーだな。

お読み頂き、ありがとうございます。

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