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元ゲーマーのじいじ、気ままなスローライフを始めました〜じいじはもふもふ達の世話係です〜  作者: k-ing☆書籍発売中


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17.じいじ、アバターコスチュームを手に入れる

「ここがこの町の宿屋だよ!」


 ラブショターンを追いかけると目の前には、本当に宿屋があった。

 一瞬、大人のホテルかと思ったが普通の宿屋だった。

 どうやらただのおせっかい焼きのプレイヤーのようだ。

 「誤解して申し訳なかった」と、そっと心の中で謝っておく。


 中に入ると普通の旅館のような作りになっていた。


「いらっしゃいませ! 一泊一人3000Gだけど泊まりますか?」

「はぁん!?」


 あまりの値段の高さに声が出てしまった。

 わしとハルキが一泊したら6000Gになってしまう。

 ゲームを始めたばかりのわしらには、そんなにお金は持っていない。


「あー、その格好じゃあまりお金を持っていなさそうですね」


 宿屋の店員もわしらが金を持っていないとわかれば、雑な扱いになってきた。


「じいじ、大丈夫……?」


 わしはハルキの頭を優しく撫でた。


「ああ……」


 孫にまで心配かけるわけにはいかないからな。

 拾ったアイテムを売っても、たぶん6000Gにはならないだろう。

 ここはハルキだけログアウトさせて、わしだけでも別の町に行ってログアウトすれば――。


「6000Gですね。私が払っておきますよ」

「こちらお部屋の鍵です」

「ぐへへへ……私と隣の部屋だ……」


 まさかラブショターンがお金を払ってくれるとは思いもしなかった。

 部屋の鍵を渡されると、わしらは書かれている番号の部屋まで向かう。


「じいじ! 旅行に来ているみたいだね」

「そうだな……。わしも久々に旅館に来たぞ」


 中の作り自体が旅館のようなコンセプトになっているため、まるで旅行に来ているみたいだ。

 ハルキが小さい時に一緒に旅行に行ったことはあるが、病気になってからは遠出をした記憶もない。

 ゲームの中ではあるが、まさかこうやって旅行の気分が味わえるのはいいことだ。

 扉の前まで行くと、後ろを歩いていたラブショターンも立ち止まる。


「私はこの部屋にいるので、また何かあったら声をかけてください」

「ラブショターンさん、少しいいですか?」


 わしは部屋に戻ろうとするラブショターンに声をかける。


「宿代を払っていただいて申し訳ない」

「いえいえ、ハルキくんのためなんで!」


 ラブショターンの視線はわしではなく、ハルキの方に向いていた。

 ここまで思惑がハッキリしていると、それはそれで対処しやすい。


「ハルキ、ラブショターンさんにお礼を――」

「ラブショターンさん、ありがとうございます」


 わしが言う前にハルキはお礼を伝える。


「ぐはっ!?」


 だが、ラブショターンはその場で崩れ落ちていた。

 ハルキの可愛さに悶えてしまうのは、わしも仕方ないと思う。

 わしだって可愛い孫にお礼を言われたら、デレデレしちゃうからな。


「大丈夫ですか?」

「あっ、はい」


 わしが声をかけた時には、何事もなかったかのようにスンッと元に戻った。


「では、次会う時にはこの恩をお返し――」

「ならこれを着てください!」


 ラブショターンからアイテムを手渡された。


【アイテム情報】


アイテム ベヒモス装備

等級 レジェンドアバター

詳細 ステータスを全て+100する

   見た目がベヒモスそっくりになる

   伸縮性があるため、装備者の体型に合わされる


「これなら防具が心許なくても、見た目が統一されるのでオススメです」


 よほどわしの格好が見窄らしいのだろう。

 ハルキに関してはただの簡易的な服だけど、わしはどこかおじいさんぽいからな。

 しかも、服を捲るとお腹を冷やさないように腹巻きも常時表示アバターとして設定されている。

 さすが職業がじいじなだけある。

 ベヒモス装備はそんな見た目を変えるために存在しているようだ。


「それで……よかったら一度着たところを見せてもらってもいいですか?」

「ああ、それなら構わないよ」

「ありがとうございます」


 一度どんな風な格好になるのか確認したいのだろう。

 わしはハルキと部屋に戻って着替えることにした。

お読み頂き、ありがとうございます。

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