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元ゲーマーのじいじ、気ままなスローライフを始めました〜じいじはもふもふ達の世話係です〜  作者: k-ing☆書籍発売中


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14.じいじ、クエスト失敗?

 冒険者ギルドに着くと、明らかにわしとハルキの存在は浮いていた。


「あれは何かの縛りプレイか?」

「見ていて可哀想だな……」


 わしらの服装ってただの布製品の防具だ。

 まるで貧乏な老人と孫に見えるのだろう。

 ここにいるプレイヤーたちは、全員かっこいい格好をしているから、ハルキの目はキラキラしてる。


「あの子に装備を恵んでこようかしら……」

「ネコちゃんを抱えて……本当に可愛らしい子ね」

「ぐへへへ、ショタだ……」


 どうやらハルキの可愛さに釘付けのようだ。

 ポンもアクセントになっているが、こいつがベヒモスなのを知らないのだろう。

 気を抜くと食べられちゃうからな。

 特にそこのおかしなやつだ。

 ついでにブラックリストに追加しておいた。


【ブラックリスト】

 シゲ

 ラブショターン


 これでブラックリストは二人になった。

 名前からしてどこか危なそうだな。


「じいじ、早くクエストを終わらせよう」

「ああ、そうだな」


 わしはハルキに引っ張られながら、クエストの完了報告をすることにした。


「クエストを終わりました!」


 わしらはクエストの完了受付をするが、全く反応がなく報酬はもらえない。


「あれ……?」


 またバグでも起きているのだろうか。


「すまないな……。そのクエストは受理したところに行かないとダメなんだ」


 クエストを受けた町でしか、報告は受け付けていないらしい。

 まさかここまでリアルにできているとは思わなかった。

 まぁ、急にマナ草をたくさん持ってこられても、ここの冒険者ギルドが困ってしまうのも仕方ない。

 マナ草の採取はしばらくクリアできず、町に戻れなければ時間が間に合わず失敗に終わるだろう。

 それにクエストを受けられる数は5つと決まっているから、尚更時間切れになった方が良いのかもしれない。


「よかったら他のクエストをやってみるのはどうだい?」


 あまりにもハルキが落ち込んでいたのか、ここの町でも受けられるクエストを紹介してくれた。


【クエスト】


内容 紅蜥蜴の退治

詳細 町の外にいるサラマンダーを3体倒せ

報酬 15000G


【クエスト】


内容 隣町への護衛

詳細 隣町まで3日間の護衛

報酬 50000G


 明らかにプレイ時間1時間ちょっとの初心者が受けるような内容ではない。

 さっき遭遇したサラマンダーを3体倒せって、難易度が高すぎるし、町の外にあいつらがうじゃうじゃいると思ったら無事この町に到着できたことが奇跡だ。


 あっ……そういえば、誰か一緒に町まで来たはずだけど、忘れちゃったな。

 嫌なことはすぐに忘れちゃう性格(・・)だからね。


「ハルキ、わしらでは受けられないぞ」

「そっか……」


 わしらは冒険者ギルドの職員にお礼を伝えて、今後のことを考えることにした。


「ねぇ……あの人たち可哀想ね」

「いらなくなった装備やアイテムも倉庫にはあるもんね」

「ベヒモス装備をプレゼントしたら……ぐへへへへ」


 チラッと振り返ると、ラブショターンが仲間の女性プレイヤーに止められていた。

 ベヒモス装備ってきっとポンと似た装備のことを言うのだろう。

 可愛いハルキの姿が見ることができるなら、それもそれで悪くないな。

 まぁ、あいつが近づいてきた時は、ブラックリストが反応するから、その時にでも話しかけてみよう。


 冒険者ギルドを出たわしらはその場で立ち止まった。


「ハルキ、新しい町に来たらすることはなんだと思う?」

「んー、町の人に挨拶をする?」


 首を傾げながら出た答えに、ついわしも微笑んでしまう。

 引越しした後なら、その答えは合っているだろう。

 だが、ゲームの中では間違いだ。


「町に来たら、まずはタンスの中を物色して、ツボとタルは全て――」

「じいじ……嫌いになるよ?」

「くっ……」


 どうやらここでもゲーマー鉄則のアイテム探しは封じられたようだ。

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