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ワケあり奴隷を助けていたら知らない間に一大勢力とハーレムを築いていた件  作者: 黒白鍵


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ワケあり8人目⑨

今回はエスメラルダとのデート回です。

前回の後書き予告でセファリシアと記載していましたが、順番を間違えておりました。

前回の後書きは修正済です。


その他に新たな感想をまた頂きました。

以前のエピソードで作者が意図していた意味に通じにくい部分があったようなので、一部の加筆・修正を行いました。

その後の結果や状況は変わっていません。

「来たわね」


 本日はエスメラルダとのデート日。

 例によって門の所で待っていた彼女の装いを見て、俺は思わず煩悩を抑える意識をせねばならなかった。

 白いブラウスはそのボタンの上半分ほどが閉まっておらず、豊かな胸部装甲の谷間を大胆に覗かせている。

 ちらりと見える黒い布地は、いわゆる見せブラ、というものだろうか。

 下はタイトな黒スカートで、かなり丈は短めなため、こちらも大胆に太腿の半分くらいを露出している。

 それでいて、右側に大きなスリットが入っており、動きにくくないようにしているようだ。

 長い脚は膝上まで革のロングブーツで覆われており、太腿との絶対領域が眩しい。

 腰には彼女の得物であるレイピアを帯びていて、その他に肩掛けの黒いジャケットを纏っており、風に飛ばされたりしないよう、両肩から首下辺りにかけてを紐で固定されている。

 いつもお団子に結っている髪は下ろしており、伊達眼鏡も付けていない。

 大人の色香を前面に押し出しつつも、いやらしい感じはあまり無い服装と言えるだろう。

 まあ、彼女の事だから、レイピア以外にも服の下とかに何かしら武器や暗器を隠していそうだが。


「普段とは雰囲気が全然違うな」


「まあね。普段は従者としてかっちりした格好だもの。ああいう恰好は色々と締め付けられて、窮屈なのよね」


 そう言って肩を竦める彼女を見て、大胆に露出されている胸元や、スカートのスリットの方に目が行ってしまう。

 いかんいかん。

 さすがにこんな所で前屈みになるわけにはいかんぞ。


「ふふ、あなたってば、本当に男の子ね。目線が丸わかりよ? まあ、見られて悪い気はしないけれど」


 見せてるわけだしね、とエスメラルダが谷間を強調するポーズを取る。

 豊かな双丘が描く魅惑のラインに、俺は慌てて顔を逸らす。

 これ以上は、さすがにマズイ。


「そういうの、嫌じゃないのか?」


 見せてるとは言っても、隠しもしないような下卑た視線なんかは、嫌悪感を覚えると思うのだが。


「別に気にしないわ。見られるだけなら実害は無いもの。絡まれたら、然るべき対応はするけれど。それに、こうして女を強調しておいた方が、色々と便利な事もあるのよ。女好きなお偉いさんと会う時とかね」


 俺にわざと谷間を見せつけるようにしていたポーズを止めて、彼女は腕を組む。

 それはそれで豊かな胸部装甲が上に持ち上がって、目のやり場に困るが、とりあえずはジロジロ見ないようにせねば。


「裏で仕事をしてきたなりの処世術、みたいなものか」


「そんな所ね。それじゃあ、行きましょう?」


 早く手を取れ、とエスメラルダは俺に右手を差し出す。

 ものすごく自然と手を繋ごうとしてきたな。

 まあ、貴族家出身の彼女からすれば、こういう時は男がエスコートするものだと身体に染み付いているのかもしれないが。


「そうだな。行くか」


 このまま門の所で話していてもしょうがないしな、と彼女の手を取ったら、ぐいっと左腕を引っ張られる。


「えいっ」


「おい」


 油断していたと言えばそれまでだが、エスメラルダは俺の右腕を引いて、がっちりと腕を組んできた。

 当然、俺の左腕は彼女の豊かな胸部装甲にバッチリと触れるわけで。

 そもそも、婚約者とかでもないのに、嫁入り前の女がそんな事をしては色々と問題なのだが。

 うん、めっちゃ柔らかい。

 じゃなくて!


「役得として楽しめばいいじゃない」


「いや、仮にも貴族出身なら少しは慎めよ」


「慎む気があったらこんな服装するわけないじゃない」


 元とはいえ貴族の女なら慎みを持て、と言えば、端から慎む気は無いという。

 確かに、服装からしてその通りだけどもさ!


「私がいいって言ってるんだから、別にいいじゃない。それじゃ行くわよ」


 がっちりと俺の左腕をホールドしたまま、エスメラルダはずんずんと歩き出す。

 そうなれば、俺も合わせて歩かねばならず、されるがままに目的地へと進んでいく。

 貴族街を出て、大通りを経由してから、貧民街(スラム)の方へ。

 あれ、何で貧民街?

 絶対デートする場所じゃないよね?

 そんな俺の疑問を他所に、エスメラルダはずんずんと目的地へ進む。

 やがて、貧民街には似合わない立派な屋敷が見えてきた。

 周辺をガラの悪い男たちが固めており、いかにもギャングだとかマフィアのアジトです、といった感じ。


「おい、ここはデートする場所じゃねえぞ。イチャつきたいなら歓楽街に行きな」


 屋敷の門番と思われる強面の男が、こちらを睨み付けながら声をかけてくる。

 まあ、そりゃそうなるわな。


「おたくのボスと約束をしているわ。血染めの月(ブラッドムーン)の首領が来た、と言えば伝わるわよ」


 血染めの月、という単語を聞いて、門番は表情を動かした。

 ガラの悪い男を捕まえて、何かの伝言を耳打ちすると、その男は屋敷の方に走り去っていく。


「念のため、確認はさせてもらう。少し待ってろ」


「構わないわ」


 エスメラルダに腕を組まれている俺を訝し気に門番が見てくるが、俺も状況を理解できていないので、曖昧に笑って誤魔化す。

 程なくして、先ほど使い走りにされた男が走って戻ってくる。


「ボスがお会いになるそうです」


「わかった。ご苦労。門番の交代を寄越すよう言ってくれ。こいつらは俺が連れて行く」


 使い走りの男に再度指示を出してから、門番の男は改めてこちらに向き直った。


「俺はコントロファミリーのダンだ。一応、部下の統括を任されてる」


「ふうん。統括を任されてる人物が門番をやっているなんて、随分と人手不足なのね」


 こちらを客と確認できたからか、ダンは自己紹介をしてきたが、エスメラルダはそれを無視して挑発するような事を言う。

 オイオイ、と横で呆れたものの、仮に周囲の連中が一斉に襲ってきたとて、彼女なら簡単に捻るだろうし、そもそもいざとなれば魔眼もある。

 負ける要素は皆無だな。


「……チッ、いけ好かねえ女だ」


「身の程を弁えてるのは偉いわね」


 さすがに彼女の挑発じみた発言にイラっとしたようだが、実力の差は理解しているようで、ダンはこちらに襲い掛かってくる事は無かった。

 むしろ、周囲の仲間たちに絶対にこちらからは手を出すな、と厳命している辺り、かなりの観察眼と言える。


「交代の門番を連れてきました」


「ご苦労。それじゃしばらく頼む。俺はボスの所に客人を連れて行く」


 ついて来い、とダンに先導され、俺たちはコントロファミリーとやらの、屋敷の中へと進んでいくのだった。

 デートのはずだったのが、どうしてこうなった?

次回に続きます。

デートのはずが、不穏な空気になりましたね。

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