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ワケあり奴隷を助けていたら知らない間に一大勢力とハーレムを築いていた件  作者: 黒白鍵


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ワケあり7.3人目

今回はシャルロット視点です。

「それでは、今後のハイトさんとの予定調整をしたいと思います」


 ハイトさんが安静にしていなければならないため、邪魔が入る心配も無い状況で、私はリベルヤ家の幹部を全員集め、会議を開く事にしました。

 呼ばれた当人たちの中には、あまり呼ばれた意味がわかっていなさそうなので、一応説明しておきましょうか。


「これからハイトさんの体調が回復して、諸々の事後処理が終わったら、皆さんとそれぞれ1人ずつ、一緒の時間を作ります。そこで、ハイトさんに今一度、皆さんの想いやハイトさんの立場を理解させてほしいんです。普段から私も色々と言ってはいるんですが、どうにも本人に貴族家当主としての自覚が薄いですしね」


 呼び出した理由を説明してみれば、皆さんは各々頷いて、納得して下さった模様。

 いつもハイトさんの行動に振り回されていると思えば、ある意味で共通の被害者とも言えますね。

 とはいえ、その行動そのものに悪意が無くて、基本的にはいい方向に行くのがまた、何とも言えない部分なのですが。


「その提案には大いに賛成するわ。本人にどこまで通用するのかが、いまいち判断付かないけれどね」


 真っ先に賛成の声を上げて下さったのは、エスメラルダさんですね。

 元より貴族としての知識もありますし、この場においては私の次にハイトさんの行動に頭を抱えているでしょう。

 側付きとなったのもあって、ハイトさんと一緒にいる時間も長いですしね。


「そういう事でしたら、私も主様に物申したい事がいっぱいありますし、ちょうど良かったです」


「ですね。この機会に身の程を……ごほん、ちょっとばかり文句を言いたいです」


 続いて、比較的常識人寄りのフリスさんとオルフェさんが賛同して下さったので、やはり皆さん言いたい事は溜まっていたようです。

 仕方無いと言える部分ももちろんあるでしょうが、最低限貴族家としての体裁は保っておかないと、貴族としてハイトさんを任命した陛下にもご迷惑がかかりますし、締める所は締めておかないと。


「予定の調整って事は、順番どうこうもあんだろ? それならハイトのトコに来た順にすればいい。変に順番弄るとそれはそれで面倒になるぜ?」


「一理ある」


 おや、珍しく我が家の暴力担当2人から、建設的な意見が出ましたね。

 もしかすると、本能的に空気を読んだのかもしれなませんね。


「そうですね。それが一番問題にならないでしょう。では、順番はそれで調整するとしまして……時にカナエとジェーンさん、ハイトさんに提出する訓練の報告書は仕上がりましたか?」


 色々と問題が立て込んでいたので、結局締め切りが有耶無耶になっていた、報告書の件を問い質してみると、2人は目線を逸らしました。

 ああ、これは終わっていませんね。


「……もうちょっと、だ」


「うん、あと少し」


「でしたら、この場で仕上げてしまいましょう。ちょうど私も手隙ですし、添削しますよ」


 もう少しで終わる、と言っているお2人に、ならば添削しましょう、と笑顔で提案してみた所、すごく苦虫を嚙み潰したような表情に。

 そんな反応をするくらいなら、最初からまだできてないと言えばいいのですが。

 まあ、素直に状況を言っていようがいまいが、この場でやらせるつもりではあったのですけどね。


「あとは他の皆さんも、早く書類を仕上げて下さいね。今はハイトさんが安静状態なので、最終決裁はできませんが、これから間違い無くリベルヤ子爵家は忙しくなります。できる事はすぐにやりましょう。その辺りが片付いているのはフリスさんとエスメラルダさんくらいですよ?」


 先日のタイラン侯爵の蜂起の件における報告書や、日々の活動報告など、元より貴族家の運営経験のあるエスメラルダさん、元々宮仕えだったフリスさんはすぐに提出して下さいますが、カナエさん、ジェーンさん、オルフェさんは、育ちや習慣が無い事もあって、あまり提出が早くないのが気になります。

 その中でもオルフェさんは比較的手早く仕上げて下さいますし、文章や言葉などの間違いを指摘すればすぐに学習して直して下さるのでいいですが、残るお2人はそもそも頭を使う事を嫌う傾向にあるので、あわよくばやらずに済まないかと誤魔化しを企む始末。

 今までハイトさんには報告を上げずにいましたが、そろそろ甘やかすのはやめた方が良さそうです。


「ちょうどいいわ。ハイトが動けない今なら、私も手隙だから書類回りは見てあげる。今の状況なら護衛はフリス1人で充分でしょうし」


「それは大変助かります」


 書類作業の監督に、エスメラルダさんがまさかの名乗りをあげてくれて、私としては嬉しい誤算ですね。

 暗部の情報管理や整理など、下手をすれば私よりも忙しいはずですが。


「部下の情報の精査や整理なんて、片手間で充分よ。何年この仕事やってると思ってるのかしら?」


 あらあら、エスメラルダさんには私の思考が筒抜けだったみたいですね。

 これはさすがに歳の功、というものでしょう。

 私自身、優秀という自覚はありますが、それでもまだ14歳。

 経験という1点においてはエスメラルダさんに叶うはずもありません。


「これは失礼しました。ですが、大変心強いですよ」


「当たり前よ。とはいえ、この国独自の書式なんかには慣れていないから、その辺りはフォローしてちょうだい」


「はい、お任せ下さい」


 私とエスメラルダさんが手を組んだのを見て、書類仕事の残っているカナエさんとジェーンさんは絶望の様相を呈していますね。

 オルフェさんなんて、きちんと前向きに仕事を覚えるために、お願いします、と言っているくらいですが。

 さて、今日はたくさん時間が取れますから、じっくり丁寧に、とってもわかりやすく2人へ指導をしなくてはいけませんね。

 さあ、皆さんを一人前の家臣に育てるために、頑張りますよ!

今回は頑張るシャルロット視点でした。

女子会、とはまた少し違いますが、家臣団のとある1日といった風景を描いてみました。

しごでき女子のシャルとエスメラルダの優秀さよ。

現代に置き換えても、2人は常時パソコンのキーボード叩きながら書類とメール作成をし、手を緩めずに電話応対もして、さらに各所に業務連絡を回したりしているような超人です。

今までは完全にシャルが過労死枠だったんですが、今はエスメラルダという過労死枠仲間ができたので、2人は特にイキイキしてたりします。

(なお、現状は仕事のキャパ的には全然余裕な模様)

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