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ワケあり奴隷を助けていたら知らない間に一大勢力とハーレムを築いていた件  作者: 黒白鍵


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ワケあり4人目⑧

「お、また新しいねーちゃんを連れてきたな」


「別に女に絞って仲間にしてるわけじゃないからな?」


 シャルロットからオルフェさんの装備を整えるための予算を出してもらって、翌日。

 ギルドショップの方に赴けば、珍しく目的の人物は店内の商品を整理していたので、すぐ俺に気付き、声をかけてきた。

 なお、追加の仲間が3人連続で女性になっている事を揶揄されているが、別に不純な動機で選んだわけじゃないし、成り行き上女性ばかりになっただけである。


「そういう事にしといてやるよ。で、今日は何をお望みだ?」


「とりあえずハルバードと祈術(きじゅつ)触媒。あとは祈術関連の防具や装飾品を金貨500枚前後の予算内で頼む」


 出会い頭のからかいはともかく、ブライアンさんは早速とばかりに注文を聞いてくれた。

 今日はそこまで時間が無いから、話が早くて助かるな。

 

「ハルバード、ねえ。お前のトコの女性陣はこう、パワー系が多いな」


「そういえばそうかもな」


 ハルバードも軽くはないし、扱いには相応の筋力が要る。

 超脳筋のカナエに、魔術戦士のジェーン、祈術戦士のオルフェさん、といった感じ。

 まあ、前者2人は相当筋力に寄っているのだが。


「ま、今回もいいのを選んでやっから、期待して待ってな!」


 今日は妙にご機嫌そうだな、と思いつつ、カウンター奥に引っ込んでいくブライアンさんを見送る。

 オルフェさんはどうしているかな、と様子を見てみれば、青い顔をして固まっているではないか。


「どうした? 具合が悪いのか?」


 顔が青いので、体調不良を疑ってみれば、彼女は無言で首を振った。


「いえ……あの、先ほど予算が金貨500枚と聞こえたような気が……」


 あ、なるほど。

 貧乏育ちだから、予算の額にビックリしたのか。

 まあ、カナエもジェーンも装備には同じくらいかけてるからな。

 その辺は依怙贔屓するわけにはいかないし、みんな平等じゃないと不平不満の元だ。


「間違いじゃないぞ。ちなみに、カナエもジェーンも同じくらいかけて装備を整えてるから、諦めてほしい」


 そういえばジェーンも最初はビックリしてたっけ。

 カナエは全然普通に受け入れてたけど。

 そう考えると、普通にカナエは大物なのかもしれない。


「えっと、頑張ります、ね」


「無茶はしなくていい。できる範囲で頑張ってくれ。多少の失敗くらいでクビにしたりなんてしないから」


 これを言うとプレッシャーになるかな、と思わなくもないが、ここはちゃんと言っておいた方がいいだろう。

 まあ、彼女からしたらとんでもない金額を自分にかけてるわけだから、変に装備をダメにしたらどうしよう、とかビビってるんだろうけど。

 とはいえ、装備なんて最終的には消耗品だし、持ち主を守って壊れるのなら、装備だって本望のはず。


「それに、俺はオルフェさんにその価値があると思ってるからこそ、装備に投資してるんだ。そこは自信を持ってほしい」


 今回の調査も、内容次第な所はあるけど報酬はかなり大きいのでマイナスにはならない。

 そもそも建前で受けている魔物の討伐だけでもほとんど装備代が返ってくるし、それに加えて陛下からの報酬もあるので、利益は余裕で出るのだ。

 道中で魔物が出れば、それを倒して素材を売却すれば小金にもなる。

 マイナスになる要素が何一つ無いので、こちらとしてはただ依頼を成功させるだけの話。


「……わかりました。微力を尽くさせていただきますね」


 とりあえず、俺が引く気は全く無いと理解してくれたのか、オルフェさんはとりあえず納得してくれたようだ。

 まあ、内心では納得していないような気がするが。


「待たせたな。とりあえず、確認してくれ」


「いつも急で悪いな」


「いいって事よ。金払いのいい客は大歓迎だからな」


 まあ、装備のメンテナンスでちょくちょく来てはいるけど、契約上メンテナンスは無料だし、こうして新しい装備を買う時くらいしか、利益の上ではブライアンさんに貢献していないが、一回の金額はかなり大きい。

 こうしてご機嫌な辺り、なんだかんだブライアンさんにとっては太客なのではなかろうか。

 お互いにとっていい関係を保てていればいいな、と考えつつ、オルフェさんとも相談して、選んだ装備は以下の通り。


―――――――――


聖銀騎士(ホーリーシルバー)の斧槍


聖別された白魔銀(ミスリル)を用いた合金で作成された、聖銀騎士たちの斧槍。

高い聖性を持ち、不浄の魔物や不死の魔物に特攻を持つ。

また、持ち主の祈術の効力を高める効果がある。

祝福による聖別は、聖女や聖者と呼ばれる人物が一つ一つ手作業で行い、清き祈りを神が聞き届け、それは聖別されると信じられている。

聖銀騎士は竜然教の敬虔な信徒であり、邪悪や不死を倒す騎士として名を馳せたが、長い歴史の中で、やがてはただの象徴となっていった。


―――――――――


聖別された円環


聖別を施された聖銀騎士たちのブレスレット。

篭手を装着する妨げにならぬよう、ブレスレットとしては最低限の形だが、祈術の触媒として高い増幅力を持つ。

微弱ながら持ち主の傷を癒す効果がある。

聖別を用いた強力な装備を持つ聖銀騎士は、教会における最大戦力たる証であり、その地位を示すものでもある。

聖銀騎士は竜然教の敬虔な信徒であり、邪悪や不死を倒す騎士として名を馳せたが、長い歴史の中で、やがてはただの象徴となっていった。


―――――――――


聖女の旅装


初代竜然教聖女が、巡礼の旅で着ていたとされる服を再現したもの。

保温と保湿、適度な通気性を持ちながらも、軽くて動きやすく、長くて過酷な旅にも耐えられるよう作られている。

疲労軽減と魔力回復促進の効果がある。

聖女と分かるような華やかさはないが、1度たりとも破れる事無く長旅によく耐えたという。

初代聖女の巡礼の旅は、5年に渡る長き旅路だったが、苦労の甲斐あってか、竜然教は大きく広がった。


―――――――――


聖獣の手袋


手の甲から手首にかけてを聖別された白魔銀の合金で補強し、極力重くせずに防御力を高めた革の手袋。

聖獣と呼ばれる獣の革を鞣して丁寧に加工したもの。

祈術の効果を少し高める。

警戒心が薄く、人間にも友好的だった獣は、やがて聖獣と呼ばれ、人々から愛された。

ある日、夢で天啓を得た職人は、老いて亡くなった聖獣の革を用いて手袋を作り、聖獣を愛する者たちから、亡くなった後も共にいられる、と絶賛されたという。


―――――――――


聖女のブーツ


初代竜然教聖女が、巡礼の旅で履いていたとされるブーツを再現したもの。

革と布と少量の金属を用いて作成されており、軽さと丈夫さを両立している。

疲労を軽減し、体力を高める効果がある。

華やかさとは無縁の質実剛健なブーツだが、5年間の長旅において、聖女は1度たりとも靴擦れを起こす事は無かったという。

5年もの長旅を続けられた1番の要因は、このブーツではないかと歴史学者たちは考察している。


―――――――――


聖銀の頭環


聖別された白魔銀で作られた頭環。

1つ1つ手作りで作成されており、細やかな装飾には確かな職人の技が生きている。

僅かながら祈術の効果を高める効果がある。

大きな主張はせず、控え目ながらも女性らしく着飾れるアクセサリとして、女性聖職者に人気の品。

中には宝石を付けたりしてアレンジする者もいるが、多くはこの装備の効果を失わせている。


―――――――――


 主に祈術関連を強化するものが多く、オルフェさんのいい所を伸ばせるいい装備たちだと思う。

 若干のネックは、やや防御力に不安が残る所だが、そもそもの得物がそこそこ重いため、彼女の体力的に硬い防具を付けられない。

 が、本人曰く祈術で防御面は補強できるらしいから、動きやすさと祈術を阻害しない装備を目指した形だ。


「これ、結構身体のラインが出ますね……」


 装備を試着してみて、オルフェさんは少し落ち着かない様子だ。

 結構ゆったりとしているシスター服とは違い、確かに身体のラインはしっかりと出ている。

 そして、オルフェさんは相当着痩せするタイプだったらしい。

 聖女の旅装が、妙に身体にフィットしているせいで、隠れていた女性らしい曲線をしっかりと暴露してしまった様子。

 キツそう、といった様子ではないが、妙にピッタリとしている感じはある。

 そして、安産型の大きなお尻とジェーンに勝るとも劣らないたわわな果実。

 うーむ、見た目的な意味でもこれはまた凄い逸材だな。


「……少し視線がいやらしい気がします」


「そんなつもりはないけど、妙に似合ってるから見とれちゃったな。すまない」


 俺の欲に塗れた視線にオルフェさんが気付いてしまったようなので、ここは素直に頭を下げておく。

 ただまあ、ド正直にガン見してたとは言えないので、少し婉曲な言い回しをしてみたら、彼女はまんざらでもなさそうな反応を見せている。

 あれ、オルフェさんって以外とチョロイン?

 とはいえ、あまり不躾な視線を送り続けるわけにもいかないので、俺は早々にブライアンさんに会計をお願いして、ギルドショップを後にしたのだった。

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