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ボクのかんがえた絶妙な偽装ステータス

 「さぁそれでは最後にレイくんのジョブを確認しましょう。もしかしたら昔話にでてくる5人の勇者パーティーに深く関係するジョブについているかもしれません。さぁレイくん、鑑定させてください」


 「はい。お願いします」



 伝説の5人の勇者パーティーの逸話はエリン界でかなり有名な話である。メンバーは勇者(男性)、聖女(女性)、賢者(男性)、剣聖(男性)の4人までは明らかになっているのだが、5人目のジョブは謎とされており、帝国内にある勇者パーティーの霊廟内の壁に彫られた数々の『魔王討伐の群雄絵巻』内の最後尾にいる5人目の部分はすべて乱暴に削り取られているらしい。また、5人目のメンバーの棺が安置されていたであろう霊室はもぬけの殻となっていたようである。何か泥沼の人間関係のトラブルとかあったのかね、案外俺みたいな性格の奴だったりして。


 あと偶然にも、歴史系の学会において主流とされる5人目のメンバーのジョブと、俺がガイたちについていけるために選ぼうとしたカモフラージュのジョブが一致していたため迷わずそれを選択した。『あるあるポイント』稼ぎに問題なし!また、今の疑似ステータス内容に決定した時期は帝都とこの村の途中にある中規模の衛星都市の商業ギルドに『リバーシ―』の特許を出願しにいく直前であった。いつ盗み見されるかわからなかったからね。オレもしょっちゅう覗き見してるから人のことを悪くいえないけど。


 吟味に吟味を重ねた偽装ステータスは以下のとおりである。



[[ステータス]]


  名前:レイ 種族:ヒューマン(12歳)


  ジョブ:ポーター(初級)(運び人)


  レベル 10/100


  HP 200/200 (100×2)

  MP  32/32 (16×2)

  SP 120/120 (60×2)


  攻撃力 116 (58×2)

  防御力 100 (50×2)

  知 力 106 (53×2)

  魔防力  84 (42×2)

  敏 捷 120  (60×2)

 器用さ 124  (62×2)

   運   38



  蓄積スキルポイント 90P



【スキル】

  ・〈短剣術(初級) 【5/10】〉▶

  ・〈弓 術(初級) 【4/10】〉▶

  

  【解体 3/10】▶ 【調理 7/10】▶ 【植物学 5/10】▶ 【調合 2/10】▶ 【釣り 4/10】▶ 

  【算術 4/10】▶ 【気配察知 4/10】▶ 【遠目 3/10】 【夜目 2/10】

        


【魔法】

   ・デバフ系▶

   ・〈生活魔法クリーン(時空魔法):消費MP2〉▶

   ・〈鑑定【6/10】〉▶ 

   ・〈ストレージボックス【5/10】:消費MP0 容量立方1000㎥ 重量制限なし。命があるものの

     収納不可 収納時間経過が1/180になる。手が届く距離以上に出し入れ口を出現させること

     ができない〉


    〈魔力操作【0/10】〉〈魔力譲渡〉〈魔力自動回復【0/10】〉〈魔力消費低減【0/10】〉


 【パッシブスキル/魔法】

    〈魔力操作【0/1】〉〈魔力自動回復【5/10】〉 〈魔力消費低減【5/10】〉


 




 「おおお、レイくんのジョブはもしかしたらこれかもしれないって予想してたのですが、これまたすごい・・・レイくんの鑑定の結果、ジョブは〈ポーター(荷物持ち)〉と表示されているのですが、ステータス内容を詳しく確認すると、学者さんの間で〈複数ジョブ持ちのポーター〉と呼ばれてる特徴があるのです。時間をかけて説明する必要がありますので、立って聞いているのが疲れた方は座って聞いてください!」



  聴衆の中で後ろで聞いていた一部の人をのぞき大多数の村人がその場に座り込み、神父さんが場が落ち着いたのを確認し説明を再開した。




 「落ち着いたところで説明をさせていただきます。まず、ジョブにはエリン様からもらえるジョブと、新しく獲得したスキルみたいに努力によって突然新しく入手することができる場合の2種類あります。例えば剣士だったのが剣豪になったり剣聖になったりする場合です。この場合は剣に関するジョブなので自動的に一番強い剣のジョブ、剣聖になることができます。ただし、すでに剣士(初級)のジョブを授かった人が魔術師などの畑違いのジョブにつこうとする場合、剣士(初級)のジョブランクを上回る必要があるので中級ランク以上のジョブなる条件を満たさなければならないんです。ただしポーターと商人のジョブだけは別物だといわれています。鑑定の儀を受ける前にすでに2つ以上のジョブを持っており、ポーターや商人よりランクが高いジョブを持っている場合であっても、『商人として家業を継ぎたい』とか、『お金儲けをしたい』とか『裏方でもいいから大事な仲間をサポートしたい』という思いが強かった場合、初級であっても商人やポーターのジョブが優先されて発現することがある『らしい』のです。レイくんのスキルや魔法を細かく見てみると、斥候や狩人、料理人に商人、薬師、時空魔法使いなどになってもおかしくない多くのスキルを持っています。大人でもこれほど多くのをスキルを持っている人はそうそう見ることはできません。言い忘れましたが、スキルや魔法のレベルは鑑定の儀以降に『何々にスキルポイントを使いたい』と念じるだけでなく、訓練や勉強、サバイバルとかでも上がります。また12歳にしては基礎になるステータスとレベルがかなり高すぎるんです。小さい頃からかなり訓練したり勉強してきたのでしょう。また、昔話にでてくる5人の勇者パーティーの5人目のメンバーは謎になっているのですが、学者さんの間では〈複数ジョブ持ちのポーター〉ではないかといわれているんです。理由はパーティーメンバーに加えた場合、長期間のダンジョン攻略や危険エリア探索に向かうときにスキルの〈ストレージボックス〉に武器のスペアや出来立てアツアツの料理を大量に入れることができますので、大量の荷物をそこに閉まった状態で探索することができるんです。しかもレイくんの〈ストレージボックス〉の容量は非常に大きくて時間経過もかなりゆっくりなので、5人パーティーであれば半年以上分のできたての料理を収納して手ぶらで移動することができます。しかも解体スキルや料理スキルもかなり高いので、冒険の途中で狩った魔物や採取した野菜や果物、飲み水などを調達、調理したものを補充しながら探索を続けることができます。ガイくんにフィーネさんにマリーさん、レイくんが望むなら、ぜひ冒険の旅に連れて行ってあげてください」



 「レイもかなりすごいじゃないか。今、レイを鑑定してるんだけど、これってレイひとりでも大商人になれて大金持ちになれるんじゃないのか?もちろんオレたちとパーティーを組んで、一緒に冒険できたらすごくうれしい。でもレイ、それでもオレたちについていきたいのか?」


 「もちろんだ。俺が『金儲け』だけしたいと思ってたらジョブが商人になってるはずだ。でも結果はポーターだった。金儲けよりもみんなと一緒に冒険したい気持ちのほうが強かったからポーターになったんだと思う。俺に勇者ガイの伝説を見せてくれ」


 「あぁ、こちらからお願いする。もちろんレイも全力で守るし、レイにも『誰も見たことがない景色』を見せてやりたい。一緒に歴史に名前を刻もうぜ!」


 「ありがとぅ、ガイ・・」



 神父さん、俺が説明してほしかったことをほぼ完璧にみんなに伝えてくれたので手間が省けて感謝。『ハウロ』という名前もしっかりと覚えた。知識が豊富で説明の仕方も分かりやすく平民に寄り添った言葉遣いもうまかったし尊敬に値する。なんでハウロさんが中央から遠ざけられているんだ?エリン教国も末期だな。後々タイミングを見て高位ジョブや魔法、スキルをいくらでも進呈しよう。あと、ガイも俺の有用性を瞬時で理解したのは少し驚いた。欲がからむ事に対する頭の回転が速すぎてワロタわ。これで【アイテムバック(上級) 容量2500立方㎥ 時間経過なし】を『入手させる』まではほぼ確実に俺を手放すことはないだろう。



 〈履歴(あるあるポイント関連)〉 古い順▶  獲得累計(AR430000P/SP430000P)


   ・勇者(プラス幼馴染・イケメン(規定値クリア)・レイに敵意を向けたことがある・ただし現時

    点でクズ勇者ではない)とパーティーを結成しました(AR40000P/SP40000P)

   ・聖女(プラス幼馴染・美少女(規定値クリア)・レイを好きになったことがある)とパーティー

    を結成しました(AR40000P/SP40000P)

   ・賢者(プラス幼馴染・美少女(規定値クリア)・レイを好きになったことがある)とパーティー

    を結成しました(AR40000P/SP40000P)

   ・ジョブ〈ポータ〉として勇者パーティーに加わりました(AR10000P/SP10000P)

   ・特殊ボーナス〈クアドラプル〉 勇者パーティー結成(勇者+聖女+賢者+ポーター)

    (AR300000P/SP300000P 内訳:上記累計〈AR100000P/SP100000P〉×(4-1))



 うん、大漁大漁(笑)。これに〈剣聖〉持ちのメンバーが加わればもっとボーナスポイントが加算されるな。唯一知っているのは、聖女レイナの護衛の女性なんだけど、立場上彼女を迎え入れるのは困難だろう。さてどうしたものか。

    

 

やっとステータス作成地獄からぬけだせました(涙)

2024/2/21 いにしえの賢者を女性から男性に変更しました

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