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レイの野望???

 オキーニ商会か・・・手法が中世ヨーロッパの商人に似ているな。王侯貴族に取り入ったり、良くも悪くも結託して莫大な利益を得たりとかね。もしかしたら借金漬けにされて商会のいいように利用されてる貴族がいるかもな。もし戦争が起こった場合、『死の商人』として両者に武器や傭兵などを提供するといったことをするかもしれないし、戦争自体を引き起こすかもかもしれないし。注意しておこう。


 スクェア卿との会話をガイたちにできるだけわかりやすく説明したら、これまた意外にもガイが『これが貴族の世界の権力争いってやつか』と興味津々だったが女性陣の反応はイマイチで、『難しい話はレイくん(お兄ちゃん)にまかせるわ』とのことだった。



 その日の夜もスマホのメールで『今夜も来てください』という連絡が来ていたので、『22時ちょうどに伺います』と返信していざ入室、そこにはスフィア嬢とセバスチャンだけでなく、精霊王アクトゥも待ち構えていた。


 「ウェ~イレイくん、ボクちゃんね、今日はお願いがあって来たの。レイくんのいた世界でカレーライスとラーメンって食べ物がすごい人気だってのをエリンさまに教えてもらったんだ~。3000ベリカあれば十分って聞いたから持ってきたよ~ご馳走して~』


 「それくらいならおごりますよ。スフィアさまとセバスさんのもお出ししますね」


   「「「ありがとうございます(ありがと~)」」」



 というわけで、3人分のカツカレーと某有名店の豚骨ラーメンを異世界通販で購入した。



 「この二品は匂いが強烈で、周りの人たちの食欲も刺激するから、食後は口の中をよく洗ってくださいね。スフィアさんとセバスさんはアイテムボックスにしまって日を改めて食べてみてください」


 「わかったわ。匂いだけでも『これ、絶対うまいやつ』ってわかるわ。それにしてもレイさまのいた世界ってこの世界より何年くらい進んでるのかしら?わたしとセバスが一番気になっているのはこれよ」


 「ざっと500年くらいだと思います。でもこの世界は魔法や魔物の素材に頼っているところが大きいので、文化や発展のスピードが元いた世界よりかなり遅いと感じます。追い付くためにはおよそ500年間、それらに頼らず世界一丸となることが必須で、その過程で非常に多くの平民を奴隷並みの低賃金で働かせ、富を研究機関に集中させなければならないかもしれません」


 「・・・難しいわね。レイさまが住んでらっしゃった世界とこの世界の大きな違いは何かしら?」


 「ヒューマン族しか存在せず大陸が複数、小さな島々がたくさんある世界で、国の数は大小合わせて200か国ほどあります。レベルや魔法、スキルが存在しない世界なのですが、魔物も存在しない世界でもありますので船を用いた貿易は盛んに行われています。国単位の貧富の差は元いた世界のほうがかなりありますね。国によって使われている言語やお金の種類もバラバラ、昔から現在までヒューマン族同士の戦争が絶えないですね。ボクの住んでいた国は小さ目な島国ではあるものの、世界トップクラスの技術力と資産があり、人口は1億2000万人ほど、読み書きができる国民はほぼ100%、算術にいたっては母国の国民のほとんどが、隣国の王立学園の入試レベルの問題であればほぼ満点をとれるくらいの実力はあると思いますよ」


 「そこまでの開きがあるのか・・・」


 「はい。でも国民全員が裕福で幸せってわけではないんです。魔物が存在せず、高品質の食料や商品を大量生産できる分、この世界でいう商人の仕事についている国民の割合が非常に多いと思います。ですので、同業他社との競争が熾烈を極め、過酷な環境で低賃金で働かざるを得ない人達もたくさんいるんです。実はわたくしもそのひとりでした」


 「・・・恐ろしい国だな・・・才気溢れるレイさまでさえそのような立場だったのか」


 「ええ。運もありましたし、わたくしなんかより仕事で優れている方達はごまんといましたね。ただし、自分でいうのもなんですが、この世界の環境にかなり近い、多くの人たちが参加できる戦争のゲームや冒険者育成ゲームに関しては負けた記憶はほぼありませんね。それがわたくしが神々に選ばれた理由なのかもしれません」


 「なるほど。よくわかったわ」


 「ただし、スフィアさんやセバスさんは、わたしが元いた国の国民とくらべてもかなり優秀な人物の部類に入りますので、そこまで怖がらないでくださいね。そういえばアクトゥ様が食べているカツカレーの匂いで小腹がすいてきましたね。今日は別のものを食べてみましょう」


       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 「この牛の乳でできた『バニラアイス』というデザート、かなり美味しいわね。この世界では北方に位置する国々で『チーズ』をつくるときだけに利用されるけどこんなものも作れるのね。あと、りんご果汁が100%使われているうえに、『炭酸加工』した飲み物もあるなんてね。しかもかなり甘いわ」


 「今日は『とうもろこし』や『米』を原料とした、枯れ葉のようなパリパリ感のあるお菓子ですね。こちらは『えんどう豆』を原料としたものですか・・・いずれも食後に冷たいお茶がほしくなるところです。これらも比較的容易にこの世界で再現できそうですね」


 「『バニラアイス』も氷結魔法と根気があれば再現できると思いますよ。昨日今日にお出ししたデザートやお菓子、ドリンク類は他にもたくさんの種類があるのでセバスさんに大量に預けておきますね。『バニラアイス』はどう?」


 「それもできるだけたくさんお願いするわ。セバス、わたくしが保管すると歯止めが効かなくなると思うから全部保管しておいてください」


 「かしこまりましたスフィア様」


 「あ~ボクにもできるだけいっぱいちょうだ~い~フェアリ~たちにも食べさせてあげたいの~」



 妖精王、一応部下(仲間?)達のことも考えてるんだな。まぁいいだろう。あと、セバスチャンのメモ帳に記載してある俺への質問メモ、元いた世界関連の質問がかなり多いね。というわけで、とりあえず昨日渡したスマホに日本の小学校から高等学校までに習う算数、数学、化学、物理学、生物学、地学、おまけに鉱物に関する学習アプリをインストールし操作を説明。今後質問するうえで俺が生まれ育った国の知識の下地を身につけておいたほうがいいのでは、と提案し納得してもらいました。パソコンはキーボード入力が難しいだろうからテレビゲーム本体とモニター、それとゲームソフトを2本(文明発展系のシミュレーションゲームと中世ヨーロッパを舞台とした経済メインのシミュレーションゲーム)を進呈し、軽く操作説明したあとにテレビゲームにのめり込まないよう釘を刺し、残り時間は質問タイムを設けてお開きになりました。なぜスフィアちゃんとセバスチャンにそこまで貢いだのかって?決まってるじゃないか!ゴーマン帝国の東の海を隔てたところに『アレ』をつくるためさ(笑)



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