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10/24

レイくんはすでに億万長者でした

 「みなさん、【鑑定の儀】の立ち合いお疲れさまでした。今回は〈勇者〉〈聖女〉〈賢者〉〈複数ジョブ持ちのポーター〉が一度に出ましたので、わたくしは『南の港町』での【鑑定の儀】を延期し、急いで北の衛星都市に早馬で引き返し、3日後くらいに4人を保護するための護衛団を引き連れてこの村に戻ってきます。もはや4人は国の宝ですので帝国の総力をかけて4人を安全な都市で守ることになると思います。彼らとご家族、親しい友人などには急な別れを押し付けて申し訳ないのですが、ギルくんたちはお別れと旅立ちの準備をしておいてください。また、盗賊団が人質目当てで村を襲ったり、最悪魔族がギルくんたちを殺しにくる場合もあるかもしれません。ですので、わたしが護衛団をつれて戻ってくるまで、ギルくんたちのことを外で話したりしないよう注意してください。また、村人以外の人の出入りにも注意してください。何があってもギルくんたちを守り抜いてください。よろしくお願いします」



 【鑑定の儀】が終わると神父のハウロさんは慌ただしい様子で馬にまたがり北に向けて出発した。


 その夜の村の宴会は盛大なお祝い会になったと同時にお別れ会になってしまった。一度に義理の息子と娘のマリーと別れることになってしまった義両親も悲しげな表情を浮かべながらも俺たちの旅立ちを祝ってくれた。『俺とマリーが結婚し、俺たちや孫と楽しく過ごせるのを期待していた』といわれたときには本当に申し訳ないと思った。その望みをぶっ壊した責任は100%ボクです。さらに『恩を仇で返す』可能性もあります。今思えば、マリーを甘やかしすぎて悪い意味で『お兄ちゃんっ子』にしてしまったのが非常に悔やまれる。遅ればせながらマリーの自立心を育てようと思うが間に合わないかもしれない。不可抗力とはいえ、両親、特に母親を筆舌に尽くし難い壮絶な死に追いやる遠因をつくってしまったり、さらに我が子のようにかわいがってくれた義両親の愛娘が地獄に落ちかねない環境をもつくってしまった。チートスキル『異世界転生/転移あるある』は良心を蝕んでいくかもしれないな。気が変わった。『あるあるポイント』入手のチャンスを手放してまでも3人の闇落ちを全力で阻止しよう。


 (レイさん、あまり自分を責めないで。〈勇者〉〈聖女〉〈賢者〉のジョブをレイさんからお借りして、最終的に付与をしたのはわたくしなのですから)


 (リン、いやエリン様、ありがとうございます)


 翌日の朝からハウロさんが迎えに来るまでの3日間はあっという間に過ぎ去った。改めてお世話になった住人に挨拶にいったり、餞別にもらったお土産やガイたちの荷物を〈ストレージボックス〉に詰め込んだりと大忙しだった。お土産や荷物が目の前で一瞬で消えて収納されるのを見た人たちは、『聞いてはいたけど、実際に見ると本当にすごい魔法ね』といって驚いてた。


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 「みなさんお待たせしました。中途半端な時間に到着してしまったので、明日の早朝に、まずは北の衛星都市のマルダートに向けて出発し、数日滞在したあと、目的地の帝都グランゼールに向けて出発します。わたしたちは今夜、村のはずれでキャンプを張りますので気にしないでくださいね。明日、順調にいけば夜にはマルダートに到着しますので寝坊しないように気をつけてくださいね。あと、何人か鑑定ができる人を連れてきたので、彼らにも鑑定させてください」


   「「「「「本当だ、(マジで)〈勇者〉〈聖女〉〈賢者〉〈ストレージ持ちのポーター〉だ

       (ですね)」」」」」


 護衛団はハウロさんを含め、総勢18人、馬車3台構成で、その中の1人の神父さんがが俺たちを鑑定し終わると、早急に馬を走らせ南の港町に向かって出発した。また、護衛団18人はB級冒険者7名、帝国所属の騎士7名、教会関係者はハウロさんと港町に向かった人とプラスふたりで構成された混成パーティーであり、その半分くらいが魔法【鑑定】レベル4以上持ちであるとのことだった。あとで聞くと、俺たちを帝都へ送り届けて解散したあと、帝国や同盟国の皇族や王族、エリン教国のトップ層、ギルドなどに報告するために伝馬を走らせまくることになるだろうとのことであった。それゆえに護衛団は混成パーティーになってしまったとのことだった。


 俺たちの乗る馬車は前後の馬車は護衛のために真ん中の馬車に乗ることになった。各馬車の乗員は御者を入れて各7名、18-1+4で21人だからピッタリだね。最初はハンスさんを含む教会関係者3人と同乗し、もし騎士や冒険者と話してみたければ、途中で乗員を交代するとのことだった。



 「ハウロさん、マルダートの滞在中にお願いしたいことがあるんです。実は『リバーシ―』を考案したのは俺で、印税収入の確認と、数か月前に特許出願した『チェス』と『ショーギ』という、戦争を簡略したゲームを販売前に関係者に無料提供したときの反響も確認したいんです。商業ギルドに行く許可をいただけないでしょうか」



   「「「「「えええええ!???あの『リバーシ―』を考えたのって(考えたのは)リオ(くん)

        (おにいちゃん)だったの(か)(だったんですか)!?????」」」」」


 「うん。実は『リバーシ―』が売れるまでは行商人に素材を買い取ってもらったときに稼いだお金はマルダートまでの運賃と滞在費に使ってたんだ。今まで秘密にしてたけど、鑑定の儀が終わったことだし、どうせ色々と調べられるんだろうからもうばらしちゃってもいいかなって思って。商業ギルドで1個売れるごとに100ベリカもらえる契約をしたんだけど、それが世界各国で想像以上に売れすぎてとんでもないベリカが入ってきてしまったんだ。結婚したときの家の建築費と家具や田んぼを買うときのタシくらいにでもなればと思ったんだけど、逆に俺が大金を持ってるのが広く知れ渡ってしまったら、盗賊団にでも狙われるんじゃないかと思って逆に怖くなってしまってたの。で、数日間家を離れるときに両親に理由を聞かれたときも『時期が来たらきちんと話すから』といってたの。だからほとんどのベリカをずっとギルドに預けっぱなしにしている状態なんです」


 「リオくん・・話し方も振舞い方も大人びてすごいと思ったのですが、まさかあの『リバーシ―』まで発明していたなんて・・あと、リオくんの予想通り、『リバーシ―』の考案者ってことはおそらく調べられるでしょう。でも安心してください。リオくんは勇者パーティーの一員でもあるので、リオくんが家庭を持ったあとも帝国や教国が家族を守ってくれるはずです。もちろん、ガイくん、フィーネさん、マリーさんも一緒です」



 そのような話をしていると、俺たちの馬車の前後の馬車からそれぞれ「大声が聞こえたので何が起きたのか!?」という感じで様子を見に来たのでハウロさんが事情を説明し、彼らが馬車に戻ると前後の馬車から驚きの声が上がった。


 その直後に前の馬車から一人の騎士が駆けつけてきて、子爵家の三男のロイドだと自己紹介したあとに、今、『リバーシ―』の考案者が新たに考案した『チェス』と『ショーギ』というゲームが軍部の上層部の間で『問題』になっているのを噂で聞いたことがあるらしい。『話題』でなくて『問題』ですか。商業ギルドに立ち寄るのが『マスト』になってしまいました。一体何が起こっているんだ?一応ストレージボックスの中には両方入ってるけど、面倒なので今は秘密にしておこう。


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