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月蝕の牙


欠けていく月を見上げて夜風に晒す、

無邪気な首筋。

それはまるで先端の鋭く尖りつつある

月に向かって自ら差し出すかのように。

ならば。

白く輝く牙を、俺はその首筋に突き立てた。

「月が綺麗ですね」

それと同義の言葉を俺に述べた君は、

永遠に失われた。

あとの空には赤い月がぽっかりと昇る。




~追記、あるいは追憶~

 2022年11月8日、皆既月蝕が起こりました。11月にしてはどこか暖かいような、それでも、ひんやりとした風が首筋を撫ぜると思わず身をすくめてしまうような、そんな日であったことを覚えています。

 白い月は次第に欠けて尖り、すべて影に隠れるとその姿を赤銅色に染めあげました。そのひと時を終えた後、何事もなかったかのように月は満ちて元の白い色に戻り、南東の空を渡って、その夜は静かに過ぎ去っていったのです。



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