letter from phantom
私には仲の良い友達が居たんだ。いや、そう思ってたのは私だけなのかもしれない。昔はよくゲームを一緒にやったりした仲だった。
でも、最近連絡がとれなくなったんだ。ファントムの旦那さんにも連絡したけど一向に返ってこないし、何があったんだろう。お姉さん達に聞いてみたら、そもそも家に帰ってきていないと言う。流石にこれは不味いだろ、と思って捜すことにした。
そんな中、一通の手紙が届いた。あの子からだった。
こっちは元気しているよ。返事できなくてごめん
怒涛の如く災厄が降りてきちゃってさ
もうしばらくはまた返事ができなくなると思う
がんもどきだっけ?
今度またあれ一緒に食べようね。
露天風呂も良かったな、君と一緒だと本当に楽しいよ
さて、そろそろこの手紙も終わりに近づいてきた。
letterってそういえば手紙って意味なんだね。
その手紙が届いてから二日経った。人里で人間達が死んだらしい。なんでも、急に発狂し出したかと思えばそのまま刃物を自分に突き刺したんだとか。
「アンタ、よく人里に来てるでしょ。何か知らない?」
「…知るわけないじゃん、その人間がただの狂人だっただけじゃないの?」
「死んだ人達はみんな手紙を送られてたみたいなんだけど……」
…あの子を怒らせたそいつらが悪いんだ、ざまーみろ。
私は心の中でそう吐き捨てた。