表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/266

■クラン会議を開いて、晴を入団させるべきか相談した

 東方旅団の会議といっても里奈を含めて久遠と由芽だけだ。


 それでも会議は会議である。


「一緒にお人好しがしたいって、すごく変な理由じゃないかな。このクランに気になる女の子がいるとかの方がよっぽどわかりやすいよ」


 久遠は肩をすくめる。といっても女の子は里奈か由芽しかいない。


「ま、女の好みは男だけのときに話そうぜ。俺としては学校に通ってみるのも悪くねぇかなって思ってるんだ」


 うまくはぐらかしたなと里奈は思った。好きを表明することは同時に嫌いを表明することになる。こればかりは仕方がないかもしれないが、わざわざ口に出すことでもない。


 一見、軟派な雰囲気の晴だが、こういうところで妙に鋭い。


 ひょっとして晴はモテるのでは? とも里奈は思う。と同時に女の気持ちがわかる男なんてろくでもないに違いないと感じていた。


「学校に通ったりするのはクラン活動やってたら難しいものなの?」


 この中で答えてくれそうなのは晴か由芽だろう。こういうときソロ――もとい陰キャでぼっちの久遠はまったくアテにならない。


 そんなことを考えていると久遠は里奈に意味深な視線を送ってくる。


 久遠が格好つけられるのは戦闘くらいだろうと里奈は一笑に付す。


「二人だけの世界から戻ってきてくれるかな?」


 凄みをまとわせて由芽が笑顔で里奈を睨んでくる。


「スミマセン」


 里奈はこういうとき由芽に頭があがらない。


「イベントはじまると期間中はずっとかかりっきりになるし、それ以外は次のイベントに向けてレベル上げやってるからな」


「冷静に考えるとみんなよく飽きないわよね」


 里奈は思わず現況に関する感想を漏らしてしまう。


「パーティー組んでたら、そんなこと言ってられねえよ」


 ゲームを楽しむというより忙殺されるに近い印象だった。


「お前らはクラン活動していないんだろ。だからだよ」


 そういう生活がしてみたいのだという。


「ま、とりあえず入団はオーケーとして行政の手続きよね。久遠、お願い」


 面倒なことは久遠に任せるにかぎる。久遠がどれほど怨みがましい視線を向けてこようが、里奈はいまさらやめるつもりはなかった。


お読みいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

感想、評価、お気に入り登録も今後の励みになりますので、ぜひお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ