表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/266

■光のお腹にいる子はもうすぐ産まれるそうだ

「この子さぁ。もうすぐ産まれるんだって」


 光は軽妙な口調で「あっはっはっ」と笑っている。


「いつ産まれてもおかしくないんだってよ」


 晴は半目で両腕を後ろに組んでいる。


「それでお腹の子は大丈夫だったんですか?」


 久遠が訊ねる。


「問題なし。健康そのものだって。ただ医師の人にはもっと早くこいって怒られたけど」


 てへっと光は舌を出す。


 これで子供を産もうというのだから末恐ろしいと里奈は思う。


「光さん、これで母子手帳が発行されるからタクシーや電車を利用する際に補助がおりるはずだよ」


「マジで?」


 目を丸くしている光に久遠は「うん」と頷く。


「久遠くんには助かりしまくりだね」


 光は久遠をぎゅっと抱きしめて、顔を胸の谷間に埋める。


 どうしてこういうときは無駄に高い身体能力を発揮させないのかと、里奈は納得がいかない。


「姉貴、スキンシップもほどほどにしといてやれよ」


 見かねた晴が助け船をだす。


「おお、そうだった。ごめんごめん」


 光が久遠から手を離すと、久遠はパッと後ろへ退がる。息苦しかったのかぜえぜえ息をしていた。


「久遠って、こういうことも無駄に詳しいわよね」


「みんなが()()()()()()()んだよ。病気になったり怪我したら病院に行くなんて当たり前じゃないか」


 そう指摘されるとそうなのだが、教えてくれる人がいないのだから仕方ないとも思うのだ。


「そうやって(かしこ)ぶる」


 そう言われると久遠はそっぽを向いて口をつぐんでしまう。へそを曲げるとすぐこれだ。


「二人ともそのへんでストップ。とりあえず用はすんだんだから寮に戻ろうよ」


 そうこうしてると由芽が割って入ってくる。収拾がつかなくなってくるとこうやって間を取り持つのが彼女の仕事になっていた。


 久遠のもの言いもよくないが、里奈も言いすぎる部分がある。そのへんを反省しろと最近は由芽に説教をくらうこともしばしばある。


「そうね。とりあえず戻りましょうか」


 里奈が音頭をとると皆は一斉に動きだす。やはり彼女はリーダーであった。

お読みいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

感想、評価、お気に入り登録も今後の励みになりますので、ぜひお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ