三月の戦士団の今後を話し合う
三月の戦士団のリーダーである小岩はあろうことかクランをメンバーへ断りもなく解散させてしまったというのだ。
里奈たちは急ぎファミレスへ向かうと案の定メンバーたちは混乱をきたしていた。
とりあえず久遠が皆におごるということで物事の収拾を図り、何とか落ち着かせる事には成功した。
「どうしよう古輪くん?」
「で、どうするのよ?」
由芽と里奈に同時に同じ内容の問いかけをされて久遠もさすがに困惑気味だった。
「現実路線でいくなら、別のクランを探すしかないんじゃないかな」
里奈も久遠もクランに入っていないし、他のクランと交流を持っているわけでもない。
そうなると里奈たちが彼らに対して役立てることはほとんどないということだ。
「つまり各々で頑張ってもらうしかないと」
里奈がそう結論づける。
「根なし草って意味じゃ僕らは一緒だからね」
久遠は肩をすくめる。伝がないということは役に立てないということだった。
「クランって簡単に見つかるものなの?」
由芽が疑問をぶつけてくる。もちろんその相手は久遠だ。
「誰でも入れるクランならあるよ。それこそ上さえ見なければ」
ただし、そういうクランはモチベーションは人それぞれというのをまざまざと思い知らされるという。
日々の生活がかかっているというのに日々何もせず自堕落に過ごすという人間はやはり存在するのだ。
なので、それなりに人を選んで入れるクランがいいだろうと言うのはもちろんである。
「楽しくはモチベーションの話であって、どうやって楽しく過ごすのかを考えてはじめて目標になるんだ。そのあたりを勘違いしてる人は多いよね」
「知ったかぶり。説教くさくて鬱陶しい」
澄ました顔の久遠に対して、里奈は思いつくかぎりの悪口雑言を並べる。
「いいじゃない。人それぞれで。他人がどうしてるかより、自分がどうしたいかでしょ。人間同士ガンガン主張し合ってぶつかるべきよ」
里奈は断言する。
「ずいぶん疲れる生き方じゃないかな?」
久遠の意見に里奈はさらに返そうとする。他のメンバーはそのやりとりをぽかんと見ているだけだった。
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