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ろくでもない奴らがこの街には存在している。それは認めるしかない。

 泣きじゃくる由芽を里奈は懸命になだめながら、そうこうしているととりあえずお開きなった。


 三人は揃って外に出ると五人組の男連中に取り囲まれる。こちらをあきらかに威嚇するような視線の浴びせ方だった。


「何か用ですか?」


 久遠は物怖じもせずに訊ねる。その態度が気に入らなかったのかリーダー格らしい男の怒気がいっそう強まる。


「そこのお前」


 男の一人が由芽を指さす。由芽はびくりと肩を震わせて縮こまる。


「乱暴な物言いやめてもらえますか」


 里奈は由芽をかばうように後ろに下がらせると、唸るような低い声をあげる。


「こいつらに何をしゃべったのか言え。場合によっちゃ、ここで全員潰す」


 里奈はその言葉に怒りを顕わにする。


「なんて連中なの!」


「具体的にはどうするおつもりで?」


 対して久遠は相変わらず冷静だった。


「リアルでケンカとなれば行動履歴が残って、あなた方の将来に傷がつくと思いますが」


「ふん。すぐに生意気な口が言えなくしてやるよ」


 久遠はわざとらしく大仰なため息をつく。


「頭の不自由な人はこれだからね」


 男の一人が怒りのあまりに殴りかかってくる。それを久遠は片手で受け止めて掴む。


「離しやがれ!」


「自分でほどいてみては?」


 久遠は涼しい顔のままだ。


「ゲーム内のステータスの数値がリアルでも反映されるのはご存じですよね、先輩方」


 手を掴まれた男は苦悶に満ちた表情に変わっていく。そのあたりで久遠は男の手を離した。


「おい、調子に乗るんじゃねぇぞ。俺たちをここまでコケにしたんだ。決闘してもらうぜ」


「そちらこそ友人にした無礼の数々、しっかり落とし前はつけてもらいますよ」


 久遠はログインして相手に決闘状を送る。東京迷宮におけるプレイヤー対プレイヤーの正式ルールに則るものである。


 男連中はもちろん里奈も由芽もログインする。


 昼間の決闘であった。

お読みいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

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