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デジタル・リボルト~ディストピアからへの英雄譚~  作者: あかつきp dash
一年目、翌年の四月に至るまでの章―外伝―
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クランからの勧誘

 里奈は東京へ行くとは決めていたが、東京へ来てからの行動についてはまったくのノープランだった。


 とりあえず東京駅に到着したものの現地に親しい友人がいるわけでもない里奈は必然的に情報源が不足していた。


(友達がいないくらい何よ!)


 負けるものかと『東京 到着後 どうする』で検索をかける。

 検索結果は要約すると『クランに参加しろ』だった。

 初心者を狙って駅で勧誘をしてくるクランがあるが、入ってみたら悪質なクランがある場合があるので気をつけましょうということらしい。


「やあ、隣いいかな?」


 検索したそばから早速だった。年齢は里奈より年上だろうか。


「あー、警戒されてるよね? まあ、駅で勧誘してくるクランはどうしてもね……」


 自覚はあるらしい。里奈があからさまに警戒しているというのもあるだろう。


「僕は初田翔(はつだしょう)。三月の戦士団というクランでリーダーをしているんだ」

「三月の戦士団ですか?」

「僕らのクランは卒業証書をもらった人しか入れないんだ。君には入団する資格があると思ったんだけど違うかい?」

 なるほど。だから『三月の戦士団』か。


「この時期に駅で勧誘するクランはほとんどいないんだけど、方針的に僕らはこの時期がいちばん団員を集められる時期なんだ」

 初田翔の言い分に矛盾はないように感じる。とはいえ、こう思わせるのが悪質なクランのやり口かもしれない。里奈は警戒心が勝って言葉が出てこないでいた。


「見たところ、行く当てはないんじゃないかな? 僕も東京へ来たときは君と似たような心境だった。だから声をかけさせてもらったんだ」

 初田翔の声音はどこまでも優しい。それだけに無条件で信じたくもなる。


「どうだろう? クランに入るのはじっくり考えてもらうとして、まずは僕らに君の手助けをさせてもらえないかな。君には東京で暮らすためのチュートリアルが必要だと思うからさ」

 里奈は差し出された手を見て、取るべきか一瞬だけ迷う。だが、これから東京での生活を考えると不安ばかりが募る。


 里奈はしばらく考えあぐねた結果、その手を取ることにした。




お読みいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

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