表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/266

里奈は久しぶりにケーキを食べて感動してしまう

 里奈が頼んだオススメメニューはハーブティーにイチゴのショートケーキだった。


 スイーツなど食べたのはいつ頃だっただろうか。里奈は思わずゴクリと喉を鳴らしてしまう。

 

「食べていいから」


「……おごりの意味わかってるわよね?」


「もちろんだよ。それでも納得できないなら、君の腕を強く掴んでしまったお詫びだと思ってくれたらいい」


「そこまで言われちゃ仕方ないわね」


 そう言う里奈の視線はケーキに注がれる。

 嬉しい反面、施しを受けているようでモヤッとしたのだが、本人がそう言うのなら食べてやろうと思うことに里奈はした。


「いただきます」


「どうぞ」


 久遠はカフェラテには何も入れず、スコーンにジャムをつけて食べている。


 その動作が里奈と違って品のある動作だ。

 対して里奈はクリープと砂糖を入れてハーブティーを口にする。


 一見するとやってることは変わらないはずだが、自身の動作が子供っぽく感じてしまう。


「古輪くんって落ち着いた感じなのね」


「それを僕が意識したことはあまりないかな」


 久遠は首を捻っている。褒め言葉としては微妙な線だったと思うし、それは里奈も自覚している。


「それでこの手紙の内容は本当なのかい?」


 久遠はテーブルの上をを滑らせながら紙片を里奈の方に寄せる。


 久々のイチゴショートケーキは里奈の五臓六腑にあまりに染みた。


 こんなにおいしい食べ物なのかと感動して涙を流したくなるほどに。


「とりあえずケーキを食べてから話そうか」


 久遠はやれやれと呆れた表情を浮かべながら、自身もカフェラテとスコーンを食べはじめるのだった。

お読みいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

感想、評価、お気に入り登録も今後の励みになりますので、ぜひお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ