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デジタル・リボルト~ディストピアからへの英雄譚~  作者: あかつきp dash
一年目、翌年の四月に至るまでの章―外伝―
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その背中は彼女の知らない背中

 目が覚める。


 ゆらゆら揺れてるのと胸のあたりから伝わる温もり。里奈は自分がいま背負われていることに気がついた。


「ここは?」


 状況がつかめていない里奈は訊ねるしかなかった。


「じっとしてて。ゾーンを出たらタクシーを呼ぶから」


「それでどこへ行くの?」


「病院だよ。気絶をしたんだから診てもらうほうがいい」

 

 タクシーを使うというのか。えらく羽振りがいいなと思ってしまう。


「さっきの魔物はどうしたの?」


「僕が倒したと言ったら信じる?」


「信じない」


 里奈は即答する。


「じゃあ想像に任せるよ」


 この声は男の子のものだった。


「……病院は行きたくない」


「どうして?」


「……お金がない」


「この国の国民なら一八歳まで医療費は無償だよ」


「何それ?」


 はじめて聞いた気がする。



「もうすぐログアウトするよ」


 果たしてその言葉の通りだった。里奈の端末にログアウトの通知がくる。


 それから彼が呼んだであろうタクシーに里奈を乗せる。


「私、一人で行くの?」


「もちろんついていくさ」


里奈を後部座席に寝かせると、彼は助手席に座る。


 運転席には誰も乗っていない。東京のタクシーは全自動運転だからである。


 タクシーが動きだす。そうしていると里奈はまた眠ってしまっていた。

お読みいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

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