■学生寮の探索
突然、学生寮を探索しようという話になった。
九月にこことは別の学生寮が魔物の巣窟になっていただけでなく、強制ログインゾーンまでなっていた。
では、ここの寮はどうなっているのかと疑問が湧いたのだ。
そこで久遠、里奈、博文、胡桃葉の四人はログインをして寮の探索をはじめることにした。
「魔物がいないわね」
それどころか清涼感のようなものが漂っている。これは鎧蛇を倒したあとの寮の雰囲気と同じであった。
「お社を探してみよう」
久遠の提案もあり寮をくまなく探すことにした。
結論から言えば、お社は裏庭の角の方にあった、お社自体も小さい。
そういえば五月に明里と決闘をしたときにも裏庭は利用したが、誰も存在に気がついてなかった。
裏庭へ出るだけではまずわからないだろう。
「要石が納められているね」
博文の言うとおりお社の中に光る石が台座に鎮座している。
「これには魔物を寄せつけない効果があるということだね」
博文はそっと手を近づけようとする。
「大丈夫なんですか?」
里奈は触れても問題ないのかと聞いたつもりだった。
「触れるだけなら問題ないみたいだ」
博文はちょんちょんと指先でつつくに留める。
「取り外せないんですか?」
次は久遠からだ。さらに調べるとシステムメニューが開く。
するとかなりの金額とレベルを捧げよとお社からシステムメッセージが表示される。
「僕でも躊躇する数値だな」
久遠がそう言うのだから里奈からすれば考えられない数値である。
「ここまでして解除するメリットあるんですかね?」
胡桃葉の素朴な疑問だろう。だが、たしかにその通りである。
「例えば経験値とお金を大量に持っている魔物が現れるとか?」
それで十分ペイできてしまうならば問題ないと言えよう。
「でも、そういうのって逃げ足が速かったりするじゃない」
「そうなった場合は大損になるね」
久遠は苦笑いを浮かべる。
「そういった魔物はいまのところ確認されていないはずだよ」
いるのかいないのかわからないと言うことだ。
「やっぱりリスクを負う理由がないように思うわ」
結論はそこに行き着く。
そんなときだった。里奈に通知がくる。
「明里さんからね」
内容まではわからない。とりあえずすぐに会いたいということであった。
「もうすぐで寮に着くって。何の用だろう?」
里奈は思い当たることがなかった。なのでひとまず会ってみようというのが結論であった。
その後、里奈は明里が持ってきた話の内容を聞いて心底後悔するのだった。
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