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■鎧蛇に攻撃は通らない

 久遠が鎧蛇に斬りかかるも斬檄は弾かれてしまう。


「固いな」


 久遠は一旦後ろへと下がり、態勢を整えながら鎧蛇に切っ先を向けている。


「ダメージが通らなかったの?」


 里奈の問いに久遠がただ頷く。


「どうやら、そういう効果の外装みたいだね」


 鎧蛇は久遠の後方にいる里奈へ狙いをつけているようだった。紅烏のユニークスキルであるヘイト集中の効果だろう。


「スキル封印してみるわ」


 里奈は投擲アイテムであろうビー玉のようなガラス玉を鎧蛇に投げつける。


 すると鎧蛇の動きはあからさまに動きが悪くなる。


 久遠は再度斬りかかるも結果は先ほどと同じである。


「スキルを封印しても駄目なのかよ」


 晴が顔を引きつらせる。


「わかったわ。久遠の攻撃した箇所がダメージ判定に入ってないのよ」


 先ほどのビー玉は相手のステータスをサーチするアイテムだった。


 そこには図鑑形式で弱点なんかもすべて記載されている。


「尻尾の部分に鎧の継石(つぎいし)があるから、それを破壊すれば鎧が剥がれるみたい」


 里奈は鎧蛇の弱点についてかいつまんで説明した。


「……この場合、胴に継石がなくてよかったって思うべきかしら?」


 頼果の問いに答える人間は誰もいない。


「どのみち二手に分かれる必要が出てきたってことだね」


 久遠から提案のようなものが出てくる。


 次いでそうかと里奈は納得する。鎧蛇そのものを引きつけておく役目が必要だと気づかされたからだ。でなければどうやって尻尾の方まで回りこむというのか。


「必然的に私は引きつけ役よね。あと、久遠も」


「三人はしばらくテントでの中で凌いでもらおう」


 久遠の言う三人とは他ならぬ一二期生メンバーである。


「そうね。じゃあ三人とはレイドを組んでおきましょう。この際だから」


 話はどんどん進んでいく。


「じゃあ俺たち残りのメンバーで尻尾を破壊しろってか?」


「消去法だけど、そうなるわね」


 里奈は申し訳なさそうな表情になる。


「そうと決まったら急がないと。久遠くんたちが頑張ってくれてるうちに」


 由芽が急かしてきた。


「しゃあねえな。行くか」


 いまはやるしかないと晴も覚悟を決めたようだった。


 かくして晴、由芽、圭都、そして頼果の四人は鎧蛇の尻尾探しをはじめたのである。

お読みいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

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