自分はどうしてこうも惨めなのか
里奈は戦闘を通して自分の置かれた状況を痛感することになる。
結論から言えば、まるで役に立てなかった。
いままで接近戦を主体にやってきたのだが、重要かなめのパラメーターが低すぎて、魔物に接近しきれない。
パラメーターが低いため装備できる武器は紅烏という短刀一本のみ。
封印スキルのスキルは攻撃を当てた際にのみ発動する。
しかし、そもそも魔物に近づけたためしがないので、効果を実感しようもない。
戦果は以前に比べて恐ろしく落ちた。それで困っているのは里奈だけではない。
由芽や翔たちパーティーメンバーもだ。
しかも問題はそれだけではない。里奈はあきらかに魔物からよく狙われるようになっていた。
そのおかげで今日は何度も死にそうになり、そのたびに翔がフォローをしてくれていた。
「ごめんなさい」
里奈はただ頭を下げるしかなった。
「里奈ちゃんは何も悪くないよ」
由芽はそう言いつつもぐっと何かをこらえるような表情を浮かべている。
どうやって、この状況をくぐり抜けるかまるで検討がつかない。
「僕も君の置かれている状況は理解したつもりだよ」
翔は対策を考えると言ってくれた。それまであまり無理はしないようと里奈に釘を刺す。
しかし、クランのイベントが間もなく迫りつつあった。それが里奈をより追いこんでいくことになるのである。
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