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デジタル・リボルト~ディストピアからへの英雄譚~  作者: あかつきp dash
一年目、翌年の四月に至るまでの章―外伝―
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内紛の実情

 三月の戦士団の議題は時期リーダーの選任である。リーダーの翔は一切の発言はせず、進行役に仕切りを完全に任せているようだった。


 リーダーの候補については本来なら昨年の末まではいたらしい。らしいというのはもうすでに脱退した後だからである。


 その人物はクラン内でも人望が厚く、翔からも次期リーダーに推されていた。それがある日、自分から脱退すると言ってきたそうだ。


 その段階ではかつての面影はなく、顔はやつれきっていたそうだ。彼はすでに東京を出ていて、クラン内の誰とも連絡をとっていないという。


 その後、クラン内の雰囲気は決してよくない。翔が里奈と由芽を一部のメンバーとしか会わせなかったのもこれが理由の一つだろう。


「リーダーは小岩(こいわ)さんしかいないだろ」

 ふとメンバーの一人が声をあげる。


「じゃあ、もう一度採決してみる?」

 翔の隣に座っていた女性が鋭い声でそのメンバーに問い詰める。


 それに対して言われた方は黙りこくるしかない。


 小岩さんという人物は年長のメンバーに人望がない一方で、一部の支持は取りつけてある。

 だからこそ先ほどの発言がある。


 小岩という人物の主張はこうだ。自分が三月の戦士団のリーダーになったあかつきには中堅クランにまで格上げさせると。


 そのため卒業証書をもらった子供のみを入団させる決まりを撤廃すると言ったのだ。


 それに対して創設層が猛烈に反発しているわけだ。そもそもとして三月の戦士団の創設理由を破棄すると言っているのだ。


「だったら自分で別のクラン立ちあげればいいのに……」


 里奈は思わず口に出てしまったことに気がつかない。


 おかげで里奈は鋭い非難の視線を浴びるはめになる。口を塞いでももう遅い。

お読みいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

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