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あの干支の動物の名を
どれもこれも
断った挨拶の先
不機嫌の波間に
なんだかな
不意に吹き出す
しかめつら崩れる
ぼくの
指の先っぽで
書いてみる
くすぐったいところ
泳がせる視線の彼方
行き場のないモジモジ
咳一つ
してみる謎の不機嫌
膨らませた頬の
冷めた体温
遠い昔、もしくは果てなき未来には、正しさに苦しめられるなんてなかったのかもしれません。ぼくのモデルの巨人たちは、ピカピカ光る星の下で、がむしゃらに誇ってみせるのかもしれないけど。
フライパンが
焦げちゃった時の舌打ち
聳え立つ
山に
囲まれたときみたいな
バツの悪さ
いつまでも思い出される
黒歴史と
練乳の修正液で
バイバイしてみたけど
追いかけられる巨人に。捕まった! 逃げ切れる訳ない。エンドロールを待っている。モジモジしながら。その間には夢の物語が編まれ、その主人公はぼくだったというのに。
お母さんの名前も
一文字取って
ぼくの名前の成り立ち
練乳で塗りつぶして
代わりに
あの
干支の動物の名を入れてみる
あの
カラフルな動物の名を
入れてみる
あの
俊足な細い脚も
猛る雄叫びも
理由なしに震える獣の名を
見つけた
ただひとつの名前




