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指先に詩をあつめて、温もった体温で  作者: 今井葉


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97/212

あの干支の動物の名を

どれもこれも

断った挨拶の先

不機嫌の波間に

なんだかな

不意に吹き出す

しかめつら崩れる

ぼくの



指の先っぽで

書いてみる

くすぐったいところ

泳がせる視線の彼方

行き場のないモジモジ

咳一つ

してみる謎の不機嫌

膨らませた頬の

冷めた体温



遠い昔、もしくは果てなき未来には、正しさに苦しめられるなんてなかったのかもしれません。ぼくのモデルの巨人たちは、ピカピカ光る星の下で、がむしゃらに誇ってみせるのかもしれないけど。



フライパンが

焦げちゃった時の舌打ち

聳え立つ

山に

囲まれたときみたいな

バツの悪さ

いつまでも思い出される

黒歴史と

練乳の修正液で

バイバイしてみたけど



追いかけられる巨人に。捕まった! 逃げ切れる訳ない。エンドロールを待っている。モジモジしながら。その間には夢の物語が編まれ、その主人公はぼくだったというのに。



お母さんの名前も

一文字取って

ぼくの名前の成り立ち

練乳で塗りつぶして

代わりに

あの

干支の動物の名を入れてみる

あの

カラフルな動物の名を

入れてみる

あの

俊足な細い脚も

猛る雄叫びも

理由なしに震える獣の名を

見つけた

ただひとつの名前




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