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指先に詩をあつめて、温もった体温で  作者: 今井葉


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96/212

わたしもわたし

午前9時半、

ハネる前髪と、

いもうとのネグリジェ、

捲られた膝小僧に、

剥がれかかった絆創膏が。

欠伸する、

項垂れた首筋は、

刈り上がったばかりで。



いもうとのはなすこと、

によれば、

むかしむかし、

結婚の約束をした、

こと、

指輪をもらった、

こと、

春の夜に、

誓いあった、

こと。

特別な男の子は、

夜流れる星、

と、

共にやってくるんだそうだ。

長い髪を、

結わえ、

顔に半分に、

傷のある、

特別な男の子として。



いもうとの、

ネグリジェの下の、

人面疽、

それが、

誓いあった、

特別な男の子という。

いもうとは、

痣、

に、

絆創膏を、

貼るけれど、

男の子の、

顔に、

貼られた、

その下で、

いもうとに笑いかける、

大きな、

眼、

で。



結婚は永遠のものなんだ。

死んでしまった後、

どこにいったとしても、

二人は一緒だよ。

身体に、

刻まれてる、

として。

一心同体だよ。

わたしもわたし。

別々の、

身体になんて、

もど

れない。



いもうとになってしまった、

特別な男の子は、

性別も、

身体も、

持たない、

ただのいもうととして。

生身の、

ものは、

委ねられた、

んだろう、

幽体が、

いたずらする。

いもうとの、

ネグリジェの下の。



いつのまにか、

夜は、

朝になって、

いもうとの、

痣は、

跡形もなく。

太陽を嫌う、

わたしもわたし。

日が高く、

沈む頃に、

起き上がる、

わたしもわたし。

また会えたね。

笑う、

わたしもわたし。





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