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月明かりも
茶化すおどけた顔に、
いとこといとこは、
ぼくを見上げて、
ころころ、
笑い転げ。
濡れた髪から、
立ち上る汗の、
香り、
寝転んでは、
広がる扇のような、
髪が。
不思議なくらい、
広がる、
口元、
笑うころころ。
秋の花火、
虫の音、
バックミュージックに、
光る猫の目、
通りがかりのミャーミャー。
いとこといとこ、
歓声の歓声、
花火のリレーに。
ぼくの声、
夜空のポケットに隠して、
手にした花火、
思い出に、
夜空に描いて。
夜空の下の、
走り出したケイドロ、
拳銃の代わりの、
彩り花火、
逃げるいとこといとこ、
星が振る舞う、
煌めくシャワー、
立ち上る煙、
隙間に、
笑顔が。
パトカー見立てて、
走るローラー、
削られるアスファルトに。
草むらに、
逃げるコオロギが、
月に、
照らされてコロコロ。
足音、
いとこといとこ、
踏みしめる、
のぼる土ぼこり、
慌てるコウロギが、
跳ねる、
踏みしめる。
捕まえる腕の、
ケイドロの終わり、
上がる息遣いも、
柔らかな月明かりも。
座る縁側、
揃っていとこといとこ、
頬張る、
お月見団子、
香る夜風が、
頬を撫でる。
月の照らされて、
庭のヤマボウシ、
葉擦れも優しく。




