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指先に詩をあつめて、温もった体温で  作者: 今井葉


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糸雨染みる庭に

夏の椿のようにこっそりとくしゃみをしつつ、振り仰ぐ太陽の。雀の留まる揺れる枝先、咲き忘れた蕾のしなだれる。

落ちる陰に生える雑草の、雨模様の予報通りのポツリポツリが、跳ね返す泥の残骸を纏って。

おでこも突き返す歩兵(蟻)たちのお見合いに、くるり反転させ、またも突き返すお見合いに。シュガー奪還せよと、探し回り突き返すおでこに。一等歩兵(蟻)の新品の羽を、透かす太陽の跳ね返る水たまりからの視線。忘却の毟り取られた羽から、かつてのカブトムシの蛹を餌に癒やされた一等歩兵(蟻)の。

鎌で懲らすみみずの身体の、うねり踊り狂う土との間を遊泳する隠れる心臓も。嘴で突く雀の食むのも、ステップ踏み込み、飛び立つ嘴のみみずも。

数十センチメートルそそり立つ雑草の、揺れる葉先の歩兵(蟻)の行列に。入れ替わり立ち替わり踏みつける歩兵(蟻)の行列に。根本の先に広がるコロニーのとあるベッドルーム。クイーン(蟻)の眠るベッドルームに運び込まれるバディ。

クイーンに謁見すること、斃れた羽のモンシロチョウも、絶え絶えとか細く震えるも、ディナーとばかり食欲旺盛のクイーン(蟻)に。脇に控える子育て(蟻)の喉も鳴らすのも、ありつけるはずもなく。

背中を追ってくしゃみする夏の椿の隣で、空気が震える夏を帯びた温度を、下げる天気予報通りの雨が、コロニーを破壊する。慌てふためき歩兵(蟻)の、眠るベッドルームでのクイーン(蟻)の。

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