表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/199

緑色のねりあめ

掌に十円玉をにぎって。

Mと駄菓子屋まで走りました。

Mのてにも十円玉がにぎられております。

ぼくはおつかいなどはしたこともなく。

はじめて子ども同士でかいものをするということで。

母から好きなものをかっていいよと。

走って駄菓子屋向かいました。



駄菓子屋のガラス戸を引いて、なかにはいりますと、

駄菓子が整然とならんでいるその棚に、

ぼくは端から順にみていって。

Mはすかさずスーパーボール当てくじをしたいと声を上げ、

おじいさんに十円さしだすも、

ちょっとたりないようだねえ、

とおじいさんは禿げ上がったあたまを撫でて。

Mはちょっと恥ずかしそうな顔をしながら、

じゃあ、

っとべつの棚を眺め回り。



ぼくは緑色のねりあめを持って、

おじいさんに十円と一緒にわたすと、

おじいさんは十円をうけとって、毎度っというのを

ぼくは店先のべんちにすわって、

ねりあめをぴりぴりと破くのを、

急いでやってきたMの手にもねりあめが。

Mはみずいろのねりあめの袋を破き、

ふたり。棒でねりねりとこねりだし。

だんだんと白っぽくなってきたね、

とMが声をあげるのを、

おうともよ、

とぼくは応え。

ちろっと舐めてみないか。

とMがぼくをみつめては。



「いや、まだ練りあげないと」

とぼくは棒をすりあわせ。

味見はひつようだろう、

とMが舌先をつきだすのを。

ぼくは あ…あ、とため息をついて。

まだ早かったろう? と舐めたねりあめをみては、

いや、まろやかなあじわいだ、

とMはまた舌先をあめの先端につけるのを、ぼくはやきもきしながらみては。



どれ、

とぼくも我慢ができなくなって

あめにくちびるをつきだしては。

まるでキッスでもするようになめ回し、

唾液がしみでてあまさととけるこうないに。

ぼくはのどをならしてあまさを胃まで送り込む。



あっというまに棒にまとわりついていたあめを食べきったMは。

ぼくの緑色のあめをみつめては。

ちょっとくれないか、

と棒をていねいに舐め上げ。

ぼくはいじわるく。ふんっと、舌で上下にあめを。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ