表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
指先に詩をあつめて、温もった体温で  作者: 今井葉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/213

消しゴムのぺんぺん

ぼくのぺんぎんの消しゴム

なんでも消せるぺんぎんの消しゴム

ぺんぺんは

ぼくの強い味方なのです。



お皿に残ったピーマン

真っ白なお皿にペロンと残る、

ピーマンの塊。

ぼくはどうしても食べられないんだ。

助けてくれよ

消しゴムのぺんぺん。

そんなとき

ぼくの目の前に、

現れる消しゴムのぺんぺん。

じゃじゃ~ん

かっこよく決まった登場シーン

そこそこに

ぺんぺんは消しはじめる。

お皿の上のピーマンを。

消し消し消し

消し消し消し

ピーマンは跡形もなく

消えちゃった!

ぺんぺん、ありがとう!

ぼくはぺんぺんにぺこり。

ぺんぺんは笑って

なんのその!

胸を反らす。

しかし。

お皿の上には消しカスが。

ぺんぺんの身体削られて

半分に小さくなったぺんぺんの身体。

ぺんぺん、大丈夫?

ぼくはオロオロ慌てるも、

ぺんぺんはにっこり

「ぼくは消しゴムだから」




給食も食べ終わった昼休み。

給食当番のぼくは

片付けに、

食缶を運び、

いそいそと。

ぼくが食器の入ったかごを

ドンっ

勢いよく置いた瞬間、

一緒に持っていたKの指が挟まった!

しかめつら。

溢れる涙もKの指から。

ポタポタ流れる血が。

ぼくのせいだ!

慌てるぼくに

ポケットの中で、

小さくなったぺんぺんが

「ぼくが傷を消すよ!」

そうささやく。

だめだよ、

ぺんぺんが傷を消したら

ぺんぺんの身体が削られて、

ぺんぺんは消しカスになっちゃって、

この世からいなくなってしまう!

そんなこと!

ぼくがさせるもんか!

ぼくはぺんぺんをポケット越しに抱きしめると、

「K! ごめんなさい! 保健室行こう!」

とKをおんぶ。

Kは泣きながら

ぼくの肩に乗り。

ぼくの耳に響く、

えーん

えーん

泣き声にぼくは奮い立ち。



Kは保健室で手当してもらって

泣き腫らしたした顔で

ぼくを許してくれた。

こんなのなんでもないぜ

そう言って

ぼくに拳を見せて、

へん!

鼻を啜りつつ

笑ってくれた。

ぼくは折れそうな心を抱え

泣いてしまった。

えーん

えーん

半分に小さくなったぺんぺんが

「ぼくが消してあげるよ!」

とぼくの涙を消しはじめる。

消し消し消し

消し消し消し

ぺんぺん、だめだよ

せっかくぺんぺんを一度は守れたのに

消し消し消し

消し消し消し

ぼくはすっかり涙を消されて

残ったのは消しカス。

ぺんぺんいなくなっちゃった。

ぼくの涙を消して、

ぼくが弱虫だから。

ぺんぺんいなくなっちゃった!

すると

「ぼくは消しゴムだから」

そうささやくぺんぺんの声。

消しカスになった身体から

そうささやくぺんぺんの声。

ぺんぺん、ごめんね

ごめんね、ぺんぺん

「ぼくは消しゴムだから。いいんだよ。ありがとう。さようなら」

そう言って

散り散りに風に乗って吹き飛ぶペンペンに

ぼくは、

ありがとー!!

空に向かって手を振る。

ありがとー!!

透き通る青空に乗って

ペンペンが笑ったような気がしたんだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ