消しゴムのぺんぺん
ぼくのぺんぎんの消しゴム
なんでも消せるぺんぎんの消しゴム
ぺんぺんは
ぼくの強い味方なのです。
お皿に残ったピーマン
真っ白なお皿にペロンと残る、
ピーマンの塊。
ぼくはどうしても食べられないんだ。
助けてくれよ
消しゴムのぺんぺん。
そんなとき
ぼくの目の前に、
現れる消しゴムのぺんぺん。
じゃじゃ~ん
かっこよく決まった登場シーン
そこそこに
ぺんぺんは消しはじめる。
お皿の上のピーマンを。
消し消し消し
消し消し消し
ピーマンは跡形もなく
消えちゃった!
ぺんぺん、ありがとう!
ぼくはぺんぺんにぺこり。
ぺんぺんは笑って
なんのその!
胸を反らす。
しかし。
お皿の上には消しカスが。
ぺんぺんの身体削られて
半分に小さくなったぺんぺんの身体。
ぺんぺん、大丈夫?
ぼくはオロオロ慌てるも、
ぺんぺんはにっこり
「ぼくは消しゴムだから」
給食も食べ終わった昼休み。
給食当番のぼくは
片付けに、
食缶を運び、
いそいそと。
ぼくが食器の入ったかごを
ドンっ
勢いよく置いた瞬間、
一緒に持っていたKの指が挟まった!
しかめつら。
溢れる涙もKの指から。
ポタポタ流れる血が。
ぼくのせいだ!
慌てるぼくに
ポケットの中で、
小さくなったぺんぺんが
「ぼくが傷を消すよ!」
そうささやく。
だめだよ、
ぺんぺんが傷を消したら
ぺんぺんの身体が削られて、
ぺんぺんは消しカスになっちゃって、
この世からいなくなってしまう!
そんなこと!
ぼくがさせるもんか!
ぼくはぺんぺんをポケット越しに抱きしめると、
「K! ごめんなさい! 保健室行こう!」
とKをおんぶ。
Kは泣きながら
ぼくの肩に乗り。
ぼくの耳に響く、
えーん
えーん
泣き声にぼくは奮い立ち。
Kは保健室で手当してもらって
泣き腫らしたした顔で
ぼくを許してくれた。
こんなのなんでもないぜ
そう言って
ぼくに拳を見せて、
へん!
鼻を啜りつつ
笑ってくれた。
ぼくは折れそうな心を抱え
泣いてしまった。
えーん
えーん
半分に小さくなったぺんぺんが
「ぼくが消してあげるよ!」
とぼくの涙を消しはじめる。
消し消し消し
消し消し消し
ぺんぺん、だめだよ
せっかくぺんぺんを一度は守れたのに
消し消し消し
消し消し消し
ぼくはすっかり涙を消されて
残ったのは消しカス。
ぺんぺんいなくなっちゃった。
ぼくの涙を消して、
ぼくが弱虫だから。
ぺんぺんいなくなっちゃった!
すると
「ぼくは消しゴムだから」
そうささやくぺんぺんの声。
消しカスになった身体から
そうささやくぺんぺんの声。
ぺんぺん、ごめんね
ごめんね、ぺんぺん
「ぼくは消しゴムだから。いいんだよ。ありがとう。さようなら」
そう言って
散り散りに風に乗って吹き飛ぶペンペンに
ぼくは、
ありがとー!!
空に向かって手を振る。
ありがとー!!
透き通る青空に乗って
ペンペンが笑ったような気がしたんだ。




