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指先に詩をあつめて、温もった体温で  作者: 今井葉


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73/212

胡麻の実の

植えた胡麻の実、

晴天降り注ぎ、

芽の出た双葉、

瑞々しい子葉に、

恨めしいほどの緑が。



プランター脇の歩兵(蟻)の、

身体休ませる子葉の陰、

伸びて揺らめいて、

横断する。

注がれる、

如雨露の水に、

掛かる虹色、

濡らす子葉の、

濡れる歩兵(蟻)の。



咲く白の花弁、

ささやく葉擦れに、

ぼくは見下ろし、

夏の太陽の、

燦々と。

歩兵(蟻)も見上げる、

白い花弁に、

花→実へと、

さやの中の種。



茎から枝分かれする種、

びっしりと並ぶのも、

蝉しぐれを風景に、

震える実を。



手に解す茎の、

掌に胡麻、

風に落ちる掌から、

ぱらぱらり。

ぱらぱらり。



黒い粒の実、

炒るフライパンの、

薫る香ばしさも、

すり鉢で、

擦るすり胡麻、

ぷちぷちと。

ぷちぷちの。



砂糖と醤油の投下された、

黒いすり胡麻、

和えるほうれん草の浸し、

歩兵(蟻)も癒やす、

甘い、

甘い、

胡麻の浸し。

クイーン(蟻)も、

ご満悦の、

甘い、

甘い、

胡麻の浸し。


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