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胡麻の実の
植えた胡麻の実、
晴天降り注ぎ、
芽の出た双葉、
瑞々しい子葉に、
恨めしいほどの緑が。
プランター脇の歩兵(蟻)の、
身体休ませる子葉の陰、
伸びて揺らめいて、
横断する。
注がれる、
如雨露の水に、
掛かる虹色、
濡らす子葉の、
濡れる歩兵(蟻)の。
咲く白の花弁、
ささやく葉擦れに、
ぼくは見下ろし、
夏の太陽の、
燦々と。
歩兵(蟻)も見上げる、
白い花弁に、
花→実へと、
さやの中の種。
茎から枝分かれする種、
びっしりと並ぶのも、
蝉しぐれを風景に、
震える実を。
手に解す茎の、
掌に胡麻、
風に落ちる掌から、
ぱらぱらり。
ぱらぱらり。
黒い粒の実、
炒るフライパンの、
薫る香ばしさも、
すり鉢で、
擦るすり胡麻、
ぷちぷちと。
ぷちぷちの。
砂糖と醤油の投下された、
黒いすり胡麻、
和えるほうれん草の浸し、
歩兵(蟻)も癒やす、
甘い、
甘い、
胡麻の浸し。
クイーン(蟻)も、
ご満悦の、
甘い、
甘い、
胡麻の浸し。




