表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
指先に詩をあつめて、温もった体温で  作者: 今井葉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/212

参観日のクラゲ

今日の参観日、

羽を毟り取られたようなぼくを、

澄ました目線を送る、

母の。

どうかぼくの背中を射抜いてくださいと、

祈るぼくの喉が、

カラカラと、

痒くさせるようで。



ぼくは教室に、

クラゲを泳がせると、

寄ってくるぼくの肩の、

先っちょにシャープペン。

すらすらと指先に、

集合する黒鉛の、

日差しに透けるクラゲ、

母に気取られないように、

左腕に隠しながらクラゲ。



飲み干すクラゲの、

触手が絡む喉の、

先生に指された問5。

声にならない呻きで、

答えるクラゲの、

問5。

頬の紅潮する、

寄り添うクラゲの、

答えた答えに、

うなずく先生の、

右手のクラゲ。



夏の海に帰るのだと、

海を詠むぼくの、

シャープペンにクラゲ。

黒板に大海原、

光の届かない深海のクラゲ、

ぼくをいざなう、

深い青。



夏休み前の参観日に、

ご用命頂いたクラゲ、

浮かぶ波間に、

たゆたうぼくのこめかみ。

ぼくの気持ちを、

通訳してくれることには、

「ガチガチに固まってるでしょう!」



母と並んで帰る通学路の、

白線の上のクラゲ、

手をつなぐいもうとの、

触手の絡むクラゲ。

母といもうとの、

笑う声に、

震えるぼくの指先に、

参観日のクラゲ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ