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指先に詩をあつめて、温もった体温で  作者: 今井葉


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54/212

さかなたちの

冬の 水 槽を恋う Kの 尾び れ。

K’との 間を たゆた う水 草。

倒 れて

横 たわ る

Kの 身体が,

水 底に 沈む花魁の,

着物の よう で 。

冬 の水 槽にふさ わし い肢 体 広げ 。

縮む背 び れ を震わ せ。

その 生 臭い水 面に向 かっ て ぼくは 唇 を 寄 せる。



   さかなたち

   は水草の陰

   でかくれん

   ぼするので

   した。Mに

   拾い上げら

   れたKは:


疎 らに散って いく,

Zの足 音に 耳を澄 ませ ,

浮遊 する Kの身 体は ,

水 面でぼく の手に 掬い上 げら れる 。

ゼ リーのよ うなぷ るぷる した 触感にぼ くは ・



冬の温 度を上げ て いく瞬 足の K'

解け た 霜が 雫と なって,

足跡 が 残る 。

水 色の鏡 のよ うな水 面 で,

映 すぼ くの 顔に、

透 過し てく 

る。



K の黒 子 を つまんで み て は,

水槽 に投 げ捨て

る。

そこ か ら 稚 魚 が生 まれ 、

Kを 追い かけ 始め る 。

冬の 水 槽 を恋う、

ある 冬の 物語に。

はじ ま る 物語に。



   さかなたち

   のはじまり

   はじまりに

   ぼくは息を

   飲むんだ。



Kの い る 水槽ま でK’ は 、

泳いで いく ん

だ 。

冬の き りりと 冷え た水 槽 に。

身体 を波 間に添 わせ 、

泣 きたく ても 泣け ない 、

そ の唇 で。 

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