さかなたちの
冬の 水 槽を恋う Kの 尾び れ。
K’との 間を たゆた う水 草。
倒 れて
横 たわ る
Kの 身体が,
水 底に 沈む花魁の,
着物の よう で 。
冬 の水 槽にふさ わし い肢 体 広げ 。
縮む背 び れ を震わ せ。
その 生 臭い水 面に向 かっ て ぼくは 唇 を 寄 せる。
さかなたち
は水草の陰
でかくれん
ぼするので
した。Mに
拾い上げら
れたKは:
疎 らに散って いく,
Zの足 音に 耳を澄 ませ ,
浮遊 する Kの身 体は ,
水 面でぼく の手に 掬い上 げら れる 。
ゼ リーのよ うなぷ るぷる した 触感にぼ くは ・
冬の温 度を上げ て いく瞬 足の K'
解け た 霜が 雫と なって,
足跡 が 残る 。
水 色の鏡 のよ うな水 面 で,
映 すぼ くの 顔に、
透 過し てく
る。
K の黒 子 を つまんで み て は,
水槽 に投 げ捨て
る。
そこ か ら 稚 魚 が生 まれ 、
Kを 追い かけ 始め る 。
冬の 水 槽 を恋う、
ある 冬の 物語に。
はじ ま る 物語に。
さかなたち
のはじまり
はじまりに
ぼくは息を
飲むんだ。
Kの い る 水槽ま でK’ は 、
泳いで いく ん
だ 。
冬の き りりと 冷え た水 槽 に。
身体 を波 間に添 わせ 、
泣 きたく ても 泣け ない 、
そ の唇 で。




