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デクレッシェンド
色褪せたくじら・ぼくの指先
秒針を追っていくのです。日付が変わる。
4が0になる。現れる短針。
くじらはソの音。色褪せたらファの音。
頭から吹き出す潮。ソ音。
ぼくのまくらの海を泳いでいるのでした。Kはそれを横目でみやりながら。
吹奏楽部が吹き出すと波立つ泡。
寄せて返す音符。
五線譜に乗ってやってきたのはぼくの指先のくじら。
正面を向いた顔は付点二分音符。
Kのそれと相俟って。
尾びれが交差する。
(トラフィック)))
水槽におくられる空気のポンプがKの命をつないでいるのです。
唸る低い音。途切れない気泡。
しょ うと つす る 。
打っ・
ソを打っ・
全休符)))
ぼくの切れた指。くじらの切れた鼻孔。吹き出す潮があいまいで。
Kの尾びれはくじらの吹き出す潮をみて感嘆する。
「数メートル持ち上がる気泡にぼくはたちうちもできないだろう」と
くじらは一掻き。
Kは尾びれをふる。ラと音。
デクレッシェンド>>>>
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音符を夜空の曲線に乗せて。
消え入る。はかない泡の中で。




