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指先に詩をあつめて、温もった体温で  作者: 今井葉


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くじら

ぼくの眠りを妨げる正体はくじらなのでした。


開け閉めする窓に挟まるかのようにくじらが切断。


すこし背びれが傷ついている・くじら


くじらがぼくの枕の上を行ったり来たりする。



    薄墨を引いたような空なのでした。

    夜明け前、空から落ちてきたくじら

    が、ぼくの寝床でその瞳を瞬かせ。

    ぼくに囁くのでした。喋っ・



「喋れるんだね」「……」

「ぼくにとって君はKほどの存在とまではいかないようだよ」

「……」



たしかにKは尾びれを勢いにまかせひとかきし。およぐ。


背びれの黒い筋は決して寄生虫などではないのでしょう,


ぼくをみつめるまるい瞳は落ち窪んだくじらのそれとは違っていて。


安心)))慰めるのでした)


これだけでもくじらの・ぼくの眠りを妨げたそのこととは


雲泥の差がありましょう。



   ぼくはねつに浮かされてい

   たのでした。くじらが一頭

   ならず、二頭までも。ぼく

   のお腹のうえでで打ちひし

   がれて倒れているのでした。



昨日ぼくは泣いているのでした。


くじらのやってきた時刻にも泣いているのでした。


くじらはその薄いからだを横たえ、泣いているのでした。



ぼくは命令しました。「夜空ほど、大きな巾はないのだよ」


くじらはわかったようなわからないような顔をして。笑っ・


白み始めた朝ぼらけの空に痩せ細ったくじらが,


ゆったり泳ぐ。潜める。


波が立つ・気泡が染み渡る。


サイダーのような飛沫が。


潮吹き上げ・鼻孔     

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