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指先に詩をあつめて、温もった体温で  作者: 今井葉


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20/212

雑・草

雑・草

雑・

草をくわえて笑った口からこぼれる雑・草・



いもうとが下校中雑草を食べてるって教えてくれたのはMだった。Mに呼ばれて低学年の歩いているそばまで走って行ったら、くちからこぼれる雑・草。



「吐け」「吐け:

いもうとはべえと舌を出す、

緑色の 唾液に混じった塊が吐き出される。

雑草はひとかたまりになってアスファルトの上に落ちる。

落・ちる

そうして土の神様はぼくのいもうとを戒める。



  まずかったろう

  とぼくがいもう

  とをのぞきこむ

  といいやとわら 

  って舌をみせて 

  くるいもうとが



ぼくは吐き出された雑草を踏み潰して、へらへら笑っているいもうとに言うんだ。

「馬鹿やろう」馬・鹿;

「もうぜったいやるなよ」

と見下ろすいもうとの被さるまえがみが汗に濡れていて,

待っ・

待っ・

て兄・ちゃんっ

ぼくをみつめる黒い眼球には涙が溜まっていて、泣くくらいならそんなことをするんじゃないと叱りつけると余計に泣いて、


あああ

あああ 


泣きながらぼくのうしろをついてくるいもうとはランドセルがなんだかみじめに・憐れに・


待っ


ぼくは後ろを振り向いていもうとの手をとり、引いて歩いてあげるその身長差がぼくにはいもうとがみじめだと思うに十分なくらいで:


「泣くなって。ふざけてたことは母さんには言わないでやるからもう泣き止むんだ」


ぼくは宥める。

いもうとの嗚咽が

くるまの走る音に

かき消されて

雑・

を食べたことなんて

誰も知らなかったように

世間は回る

ぼくのくつ先には

いもうとの唾液のまじった緑色の雑草が

こびりついていて・

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