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指先に詩をあつめて、温もった体温で  作者: 今井葉


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はじまりはじまり

Mはいもうとに嫉妬しているのでした。

いもうとは夜空に尾びれを一掻き。

絵筆を掃いたように遊泳するのでした。

Mはいもうとの足をねたんで・

マーメイドの足にしてしまったのでした。



いもうとはさかな。

夜空を泳ぐ・・さかな。

手をつなごうとするのはSだったけれど。Mが慌てて。

生臭い泡ぶくが流星の塵を集める。

背びれをかたどる黒い筋がいもうとの背骨。

いもうとは物語る。

はじまりはじまり・



ぼくは物語を読みます。

そこにはさかなうろこのはえた

あしはおよぐそらのなかをとさ

かのはえたようなせびれはおしゃ

れのためだといっていましたが

 

いもうとは夜を纏っているのでした。


遠くの土地の夜では夕餉がふるまわれているのでした・

いもうとはKに餌をやります。

キッチンでは昔のひとがそうするように、鍋に火を掛けぐつぐつと,、

煮炊き))

ふっとうしている中に、塩なぞをいれて。

さあ、できあがり・・とばかりに、

炎が上がって空を照らす。赤々と・

いもうとは骨までしゃぶる。

鍋のなかには獣。

とろけるようなスープをすすり、

いもうとは指までしゃぶる。

指先にはMの駆ける足。

避けるように泳ぐKの尾びれはいもうとのさかなの足を馬鹿にしているんだろう。



ぼくは闇夜をすすりながら

塵を一気に・喉をならし飲み込む・

いもうとはきっとSを裏切るだろう。

神話がそう話しておりました。

いもうとの恋は、あちこちにちらばっているのだから、と)



鍋の炎をとうに消えて、

闇にこぼれる,

獣は自由に駆け回り。捕食される難を逃れたのでした。

そして自分こそはと餌をさがし、

むしゃむしゃとかじりつくのでした。

いもうとは恋の歌を空から探し出しては、

物語のはじまりはじまりを編むのでした。



ぼくは恋をしらない。

それはぼくのひとを小馬鹿にしたくなる気持ちだと、

いもうとから説明をされました。

あざ笑うことの、土のなかに埋もれる冷笑、

ぼくは決して土にむかって、俯いてなど・


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