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指先に詩をあつめて、温もった体温で  作者: 今井葉


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聖骸布

ぼくの顔がのっぺらぼうのように、顔のなかがつるんとなにもなかったら。

それはあいすを掬うディッシャーで

目をくりぬいて、

鼻をくりぬいて、おさらに並べて、

口をくりぬいたら、鼻のしたに並べて、

大事そうに冷蔵庫に保管するんだろうけれど。

ぼくの顔はディッシャーであなぼこだらけになるんだろうか。


つるんとのっぺらぼうになった僕の顔に、

自由に目鼻口をかきくわえて。

まるでちがう自分になれたとしたら、

ぼくはぞっとするのかもしれない。

あるいはほっとするのかなあと鏡をみつめる。

お正月にやる福笑いだってそうだろうとおもう。

目隠しされてどんな福笑いができあがるのか、目隠しされたぼくが顔を決めるんだ。



ぼくは明らかに鏡のまえにたつ時間がふえたんだとおもう。



Kのようにきれいな尾びれを

持っていたとしたらぼくは鏡

を眺めたりしないんだろうK

には鏡が必要ない水槽のなか

反射する自分の姿なんて気に

したこともないんだろう・K



ぼくは母がまぶたに何かを塗り

つけたり、

まゆげに鉛筆をあてたり、ほほに

しもやけのおんなのこのようにあかく

したりする、

そんなことをしているよりも

のっぺらぼうだったらかっこいいとおもうよ、

って言ってみたいんだ。

まえかうしろかもわからない顔になれたら、

ぼくはずいぶん無責任に学校へいけるんだろう。

ただKの尾びれを憧れたりもせずに、



ぼくが笑ったらMが笑ったんだ、それがぼくには気持ち悪くて、なんだよ、ぼくの顔をみて笑ったのかよって吐き・

吐き・

吐きそうに・なる)))



色つけ))

暗幕を

)))



ぼくの顔がヴェールに映る。

ヴェロニカが聖骸布を手にしたように。

浮かび上がったぼくの顔。

ぼくの汗や血をぬぐいとってくれ。



ぼくはぼくの証を手にして掲げるんだ。

のっぺらぼうの亡骸をそばにして。

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