アウトロは流れない
指先についていた砂糖 を ちょろっとなめてみたらしょっぱかった。
そのようなものとは。
ぼくのいえの隣の隣のおじいさんが、 しってるとおもうけど、オレってガンなんだ って告白 してきたそのことは、 ぼくは知らなかったけれど。
みたいなことのようで。
意外性に導かれて,、
ぼくの指の腹にくっつく白い粉はぼくを期待させる。
しってるとおもうけど って ちょっと乱暴なんだと思いました。
しってるとおもうけど 、 のあとに導かれるものって相手への関係性の甘えなんだ。
母がおからドーナツの生地をボウルのなかでこねていて、
それをちょろっとなめてみたら,・
しょっぱいの・
海のなかに放りなげたらあまくなるんだろう)
ぼくは母のこぼしたさとうを指でかき集める。
Kはぼくが買って貰った飴玉のような色をしていて。
Kを舐めたら甘いんだろう。
Kの尾びれはひときわ。
())間奏)
Kの背びれからは腐った水の匂いがする。
飴のように透き通ってさえも・
夏」 ずっと洗わずにいた水槽の水は白濁と。
そのなかを ひとかき。またひとかきする 飴状の尾びれが。
しってるとおもうけど、Kってさかなの形をした飴なんだよ。
そうぼくが告白したところでくちのなかに放り込むやつなど、
ぼくはKの甘さを 知らしめるために。
Kのかたちの飴玉を水槽におとして、
さあ、およげ!
とぼくが叫ぶと、
飴が水に溶けていくんだr。
水はピンク色に混じって、朱色していたKの名残を。
惜しむ。
病におかされた尾びれは、とうに水のなかへと散っていっては・
水草がとけてうるおった砂糖をまとわりつかせて。
隣の隣のおじいさんは
いつか死んでしまうの
かもしれないけれど、
Kのいる水槽を眺めて
きれいなピンク色だね
とまるでKが死なない
と決めつけているよう
アウトロは流れない。ぼくはさいごまで甘さを期待させる。
いきている はずとしんじ ているうちは 口内は甘さにみちているから。
匂いでさえも。
Kの身体はまるでしなやかさを失ってさえも。




