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指先に詩をあつめて、温もった体温で  作者: 今井葉


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ぼくの骨

ぼくの

やわな骨が。

足の

親指の骨が。

欠けたんだよ。

先生は

レントゲン目の前に

目を凝らして

ヒビ入ってるかなって。

欠けてるかなって。

ぼく

怖くなって

身を竦めて

親指を見つめる。

先生が触れる。

ここは?

じゃあここは?

って

痛いところを

探られるたびに

ぼくは

鳥肌。

欠けてるって

どういうことなの。



ぼくは

痺れる。

怖さで

つい

泣いてしまった。

ボキッとは

いってないみたい。

先生が

言うけれど。

歯止めが効かない

恐怖の

波って

こんな感じ?

わけも分からず

とにかく

唸る。

うーん

ひー

はあ…

先生は

笑って

2週間後に

また

レントゲン撮ろうか

ぼくの

骨。

小さな足の。

どうなっちゃうの?



見つめる

指先。

腫れてもなくて

色も変わらず

ちょっと

汚れたような

僕の指。

騒ぎすぎて

蹴散らす

リビング

走って

転んだ

欠けた骨。

痛い痛い。

痛い痛い。

涙の粒

流れる頬を。

母の

注ぐ

牛乳200ml

母の

よそる

ヨーグルト

母の

取り分ける

食べる小魚

ごくごく。

もぐもぐ。

パリポリ。

強くなれ!

ぼくの

再生!

ぼくの



夢で

駆け抜ける

ぼくの

俊足

蹴る

地面の

触れる指先。

走れ!

マラソンランナー

コーナーを

駆け抜けろ!

ぼくの

強い

筋肉

強い

優勝だ!

強い骨に

勝利ですね!

ありがとうございます。

vサイン

たくさんの

報道陣からの

シャッター

パシャ!

逞しい足と

お見受けしました!

インタビューに

得意の笑顔。

だって

走るために

生まれてきた

ぼくの

ですから…



早く

なー

おー

れ!

ぼくの

骨。

痛い痛い

指先を

てのひらに

包んで

眠る。


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