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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
暑い季節
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現実か夢か 2

 やっと月が昇りきりそろそろ寝ようかと思う時間になる。

だがここで重要なことに気付く。

寝たら、またよく分からなくなるんじゃね? と。

今日一日中過ごして分かったことはここは多分夢の中であるということだ。

一晩経った程度で水夢と大きく書かれてる看板とかが出るわけがない。

この判定方法は見分けるのが楽でいい。

けど、これで夢かを判定するのは明日までにしよう。

明後日ぐらいには他の奴らの影響が顕著に出始めるだろう。

そしたら、現実でも水夢の看板が出てくるかもしれない。


「明かり消すぞ」

「おやすー」

「おやすみ」


星奏が部屋の明かりを消し、それぞれの布団で横になる。

俺は目を開けながらじっとする。

これ、寝なかったらどうなるんだろうな。

ずっと寝たままになるなんてことはないだろうしな。

すっごく気になって夜も眠れない。

今の状況にピッタシな話題を思いついたな、俺。

それにしても退屈だな。

こんな気持ちになったのは引き籠もってた時以来だ。

ささっと終わらせるか、こんなこと。

俺が気持ちを固めていると突然、強烈な眠気が俺を襲う。

やばっ、これは寝てしま――

俺は抵抗する事が出来ないまま眠りに落ちてしまった。



俺は町の光景に頭を悩ませる。

なんか以前にも増して水夢の看板が増えてきてないか?

看板があるって事は夢の可能性が高いよな。

いや、待て。

なんであの変な夢が最近始まった物として捉えてるんだ。

前からあんな変な夢が続いていた可能性もあるだろ。

そうした場合、さっきいたのが夢じゃない可能性も出てきたな。

いや、でもさっきの突然の眠気の感じは俺を眠らせようとした何かを感じるな。

夢を操る程度の能力という俺の推察では可能ではある。

とりあえず、今は情報収集だな。

現実だと判明したら何がなんでも水夢の居場所を特定する。

現実と違う点を見つける事が出来ればいいんだが。


「とりあえず、帰ろう」


変に疲れたらいざと言う時に何も出来ないからな。



グッモーニングエブリワーン、今日も今日とて町は水夢だらけ。

これは気持ち悪いね。

はぁ、ハイテンションはキツイな。

よく分からない世界での生活30週目。

ちょっとテンションがバクり始めたけどこのテンションは俺が引きこもってた時と同じテンションなのでここからが本領発揮と言った所かな。

とりあえず言えることは時間をかけすぎてるかもしれないってことだ。


「そこのお兄さんや。休憩していかんか?」


家にいるおばあさんが窓から俺に話しかけてくる。


「いや、俺は別に大丈夫です」

「そう硬いこと言わずに。お茶だけでも1杯して行ってください」


これは飲まないと一生めんどくさいやつだ。

飲むか。


「じゃあお願いします」


おばあさんはお茶を入れたコップを受け取り一気に飲み干す。

あっつい。

やべ、喉火傷したかも。


「ありがとうございました」

「またおいでね」


二度とここに近づかないでおこう。

喉が火傷する。


「あ、竜」

「雫じゃん。なんで募金活動してんの?」

「いやぁ、人のために何かをするって最高だね」


雫の影響がすごいな。

どんな夢見たんだ?

星奏は絶対に俺TUEEEE系の夢だろうけど雫は……内政系かな?


「お前が貴族だったら良かったな」


俺はそう言って立ち去る。

雫はポカンとした様子で立ち尽くす。

あんな洗脳するために見せてる夢によくひっかかるな。

俺は引っかからなかったのによ。

するとすごい眠気が俺を襲ってくる。

おかしい、さっきまでそこまで眠くなかったのに。

まさか、あのお茶に睡眠薬が?

そこまでするってことはここは現実?

いや、そう見せかけるためにしただけか?

それにしても、これはまず…い……



「うわぁ!」


俺はすごい勢いで起き上がる。

周りをキョロキョロすると旅館の布団で俺は寝てたらしい。

こんな無理やり眠らされるみたいな事は何回かあったが大体は眠気が急に襲ってくる程度だった。

今回みたいなのは初めてだ。


「起きたか。雫がお前が倒れたのに気づかなかったら地べたに寝る事になってたんだぞ」


星奏の目にハイライトがないように見えるがこれは20週目からずっとだ。

雫のは23週目で無くなっていた。

でも、まぁいつも通りに会話出来てるし何も関係ないか。


「まさか、あそこで寝るとは思わなかったね」

「とりあえず、ありがとう」


俺は立ち上がろうとすると足がフラフラし転んでしまう。

咄嗟に何かに掴んだんだが意味がなかったみたいだ。

俺は立ち上がるために上を見上げると雫の大人なパンツがむき出しになっていた。

咄嗟に掴んだ物は雫のズボンだったようだ。

雫は何が起きたのか分からずぽかんとしている。

ん? 大人なパンツ?

雫はこんなものを持っていたか?

星奏のやつを借りたにしてはサイズがピッタリだ。

それに洗濯物をしてた時にこんな柄を見たことがないし前に雫は大人なやつを探すかと言っていたが前にラッキースケベした時は子供のやつだった。

つまり雫のサイズに合うのが無かったということ。

失礼だが東京にないのに札幌にあるとは思えないしな。

ここから分かること。

そう、これは夢だ!


「えええぇぇぇ!? りゅ、竜!?」

「ごめん、雫。お前のおかげで簡単にいけそうだ」


夢の中だから何やってもいいけど謝っとこ。


俺はその後何回も何回も雫のズボンを下ろしては寝る、下ろしては寝るを繰り返した。

そして、数十回を繰り返した時、ようやく本物のパンツを発見する。


「来たァァァァァァ!よっしゃぁぉぉぁぁ」


正直、ゴミみたいな方法なのは自覚してる。

けど、これしか思いついた方法がないし許して欲しい。

後で雫には何かプレゼントしておくか。

それにしても雫は夢の中の雫より無表情な顔で俺を見てるな。


「雫、本当にごめん。これしか方法がなかったんだ。って何言ってるか分からないよな。まぁ、とにかく本当にそういうつもりでした訳じゃないんだ。ていうか、お前にそういう事をする気は一切起きないから」

「……」

「本当にごめんって」


なんか様子が変だ。

俺がこれだけ言えばある程度は反応してくれるはずなんだが。

それほどまでにお怒りなのだろうか。


「肩でも揉み――」

〈ピンポンパンポーン。えぇっと皆様、どうもです。水夢です。坂本水夢です。今日は折り入って皆さんにお願いしますがあります〉


俺は悪寒がしたので今日が何日なのか確認するためデジタル時計を見る。

俺が康宗の夢を見た時から1週間経ってる?

1週間もあれば洗脳ぐらい出来そうなもんだよな。


〈高野竜という。灰色の髪で紫色の目をした。高校3年生程度の人を町の外までお運びください。ピンポンパンポーン〉


この放送が流れると雫の俺を見る目が変わる。


「雫? 俺達、友達だよな?」


雫は何も反応すること無く俺に近づくが、俺の少し手前で止まる。


「召喚…皆」

「へ?」


雫は部屋にサン達を、外にはブラウニー達を召喚する。

多分、見えないだけでドアの向こう側には無鍬達が居ると思う。

なんか足音するし。

これは雫のガチさが分かるな。

俺を逃がす気は無いって事か。


「皆、目の前のやつを捕まえて」


動物達は雫の異変に気付いたのか命令を拒もうとしているが命令に従わざるを得ず俺を襲ってくる。

終わったと思った瞬間ドアの向こうから3匹のクマがドアを吹き飛ばし俺を見つけるや否や、突進で俺事、窓の外に吹き飛ばす。

窓は換気様に開けていたのか、網戸になっており大事にはなってない。


「止まれ」


雫がそう言うと無鍬以外のクマが止まってしまうが無鍬俺を抱えるとブラウニー達からの攻撃から俺を守りながら旅館の外に出る。


「そうか、お前は能力無効化する能力だったな」

「カフカフ」


確か、クマは警戒してる時はこういう鳴き声をするんだよな。


「今回は味方なんだから安心しろ」

「カフカフ」


あ、俺を信用しないみたいですね。

まぁ、いいか。


「とにもかくにも、お前のご主人様を元通りにするために今日中に悪役を倒しに行くぞ」

「グォォォォォ」


やる気満々と受け取ったぞ。



まさか、僕の現実夢(リアルドリーム)を突破してくるなんて。

しかも、パンツで見分けられるなんて。

てか、なんだよ。

デザインが違うとかならまだ分かったのに縫い目が違うとかサイズが違うとか。

気持ち悪いな、ロリコンかよ。

ていうか、平気でパンツを見てたって事はもしかしてそう言う関係?

よし、爆発させるか。

リア充と芸術は爆発させろってね。


「……爆発できたらな」


僕は筆を見続けながらそう呟く。

しょうがない、あの2人はもう落ちたと言っても過言じゃないし、捕まえるか。

町のスピーカーをハイジャックしてと。


〈ピンポンパンポーン――〉

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