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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
暑い季節
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夢の影響

「水夢って人凄いよね」

「…へ?」


なんで雫がその名を知っている?

そいつは俺の夢に出てきた……いや、もしかして…


(盗聴)


盗聴とは俺の能力で周りの人の会話を俺の耳元に持ってくる技だ。


(水夢さんってすごいよね)

(特にあの知性溢れる感じがすごいよな。あの雰囲気どう出してるか分からねぇ)

(どこにいるんだろう。会ってサイン貰いたい)

(サインなんて貰った日には末代まで継いで貰って博物館に飾るわ)


どこもかしこも、水夢の話か。

今の所、水夢の事をなんとも思ってないのは俺ぐらいか?

星奏はどうだ。


「もういいの?」

「ちょっと確認したいことがあってな」

「暇だし私も行くよ」


俺は慌てて食器を返却口に入れる。


「早っ」

「着いてくるなら急げ」

「ちょいまち」


俺は雫が返却口に食器を戻したのを見るとすぐ様、部屋に戻る。


「星奏!」

「まだ寝てるの?」


星奏はまだすやーっと眠っていた。

予想内のことではある。


「全く、仕方の無いヤツらだ。むへへへ」

「「早く起きろ」」


なんでお前が世話焼きな感じを出してるんだ。

一番世話をかけてるんだぞお前は。

そんな事はどうでもいいんだった。


「いいから。早く起きろ!」


星奏の肩を思いっきり揺らす。


「へ? ……どうした竜?」


星奏が眠い目をこすりながら起き上がってくる。


「あっ朝ごはんはカツカレーでお願い。なかったら札幌ラーメンで」

「こんな朝から重いもん食うな。それより聞きたいことがある」

「ん?」

「水夢ってやつを知ってるか?」

「水夢? ……あっ師匠の事か。お前も会ったのか? 師匠はすごいよな」


お前も影響受けてんのかよ。

多分、この札幌の住人全員に水夢ってやつが凄く見えるような夢を見させられてるんだ。

夢以外の方法かもしれんが雫に関しては昨日まではなんともなかったしそれにずっと一緒にいたからな。

星奏はこの感じだと多分夢の影響と漫画か小説の影響でずっと外で野蛮人狩りをしてるからよく分からん。

星奏がこの中で一番影響を受けてそうだな。

もしかしたらこの町で一番影響を受けてるかも。


「本当に師匠はすごいよな。あのワイバーンを一撃で倒すんだ。竜も雫も一緒に弟子にならないか?」

「……星奏、夢と現実を見分けられるようになりましょうね。水夢さんはすごい人なのは分かるけど」


雫が憐れみの目で星奏を見る。

ワイバーンは流石に現実にいねぇよ。

星奏が一番危険そうだな。

でも、俺はなんで影響を受けてないんだ?

……あっそうか、康宗が康宗じゃない事に腹を立てていたからだ。

もし、水夢が今回の騒動の犯人で俺の夢に現れた康宗を操ってたとしたら……許さないからな。


「竜、どうした? 顔が怖いぞ?」

「なんかいつもの竜って感じがしない」


もしかしたら、この世界自体も夢かもしれないな。

でも今はそんな事は考えないでおこう。

考えたらキリがなくなる。

夢オチだったら良かったな程度にしておこう。


「星奏、今日は外に出るな」

「えぇ!どうしてだ?」

「野蛮人を何人も倒したって言う星奏が見苦しくなったから」

「それは分からなくもないけど言わない方がいいよ」

「嫌だァァ」


星奏が頭を抱えてうずくまる。

まぁ、厨二病の治療って周りには言っておこう。

後は町の人達の様子を見てこないとな。

俺はその場から立ち上がる。


「どこか行くの?」

「竜、お前の護衛として――」

「雫、星奏を任せた」


星奏、流石に影響受けすぎじゃないか?

俺は外に出る支度を始める。



外を出歩いて数分が経過したか。

外は所々、水夢の話で盛り上がっている。

一昨日ぐらいの最後に外に出た時は水夢の話なんかどこもしていなかったんだがな。

もしかしたら、今晩もあるかもしれないな。

こうなったら仕方ない俺がなんとかするしかないか。

この状況をあいつらに教えても今のあいつらじゃ絶対に信じなさそうだしな。

一旦戻るか。

俺は旅館にまで戻り部屋のドアを開ける。


「「「あっ」」」


そこには着替え中の2人がいた。

下着姿を見てもなんとも思わなくなってしまったな。

でも、したかったラッキースケベができたんだこれは俺が主人公だと分からすのに証拠になるな。


「いつまで見てんだ。ちょっとは配慮と言うものを知れ」

「防犯ブザー鳴らすよ?」

「それ持ち歩いてるのは小学生ぐらいしかいねぇだろ」

「お前は別にいいが、とりあえずドアを閉めてくれ。見られるだろ」


俺は別にいいんだ。

よし、この際に盗撮して児ポでがっぽり稼いだるわ。

ていうか、雫はまだお子様パンツを穿いているのかよ。

俺はニヤニヤしながらドアを閉める。


「目潰し」

「目がァァァァ」


俺がドアを閉めると容赦なく星奏が目潰しをしてくる。


「お前には別に何をしてもいいと思ってるからな」

「お前、マジで後で覚えとけ。お前が食べようとしてたご飯を全部取ってやる」

「そんなもんでいいの?」

「流石にもっとやり返してくると思った。後でなんかお詫びするから許してくれ」


まぁ、こんなもんかと思ってたわ。


「俺は寛大だからな。許してやるよ」

「なんか気持ち悪い」


ラッキースケベができたからいいとしよう。

初めてレベルのお約束展開じゃないか?


「なんでさっきからニヤニヤしてるんだ?」

「もしかしてドMだったのかも」

「その場合はムチでべしんと一発やってやるか」

「ドMじゃねぇ」


あれ? いつもと変わらない気がする。

まだ影響はそこまで受けてないのか?



僕の名前は坂本水夢(さかもとみなむ)

僕は町がよく見える程度には高くて近いビルの中にいる。


「竜ってやつ、僕の夢に気づいたのか?」


僕の勘が竜が気付いたと言っている。

もうちょっと作りこんでおくべきだったか。

僕の洗脳夢(せんのうむ)は気づかれると洗脳するのにかかる時間が増えるんだ。

経験ないからあんまり分からないけど。

僕は大きなため息を吐く。


「原因は多分あの康宗ってやつだったか? あいつの理解度が足りなかったからな。じゃあこいつはもう使い物にならないな」


仕方ない。

高野竜には一番ヤバめなあれでも使うか。

あれ使った後は情報量が多すぎてまともな判断なんて出来ないからな。

僕は今日やる事がほとんど無くなったのでキャンバスの近くに置いてある筆を取ろうとする。

すると昔の記憶がフラッシュバックして筆を取ろうとする手が震える。


「やっぱりまだダメか」


また、あんな事を言われるのが怖いと思ってしまう。

また、あんな事を言われた事を思い出す。

今でも胸の奥がキュッと締め付けられる感覚が湧く。

本当に辛かった、しんどかった。

そんな事を思い出さないために僕はゾンビになって教祖様の作戦に参加してるんだ。

枢機卿になって人を沢山殺して。

これが本当に解決に向かってるかどうかは分からない。

けれど、何もしないよりマシなはず。


「マシなはず……マシなはずなんだ」


いつまでもマシにならない。

筆を取りたい。

絵を描きたい。

そのはずなのに。

心からそう思ってるはずなのに。


「人類ゾンビ化計画。これさえ達成出来れば理想郷が作れるはず。僕がこんな思いをする事もなくなり、何も不自由なく絵を描ける様になるはず」


確信はないけどここまで来たら後には下がれない。

高野竜。ごめんだけど、僕ために操られて。

僕の理想郷を作るために。


「現実と夢よ、入り交じって彼の者の混乱を招け。現実夢(リアルドリーム)

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