クマ退治2
私達は3匹のクマ相手に対して3人と8匹で対抗している。
構図だけ見れば弱いものいじめと思われてしまいそうだけどこれはルールなんてない殺し合いなためセーフなはず。
「とりあえず、そこの君!君は絶対に何もしないでね」
私は細いクマを指さし命令をかける。
これで準備は整った。
「行ってブラウニー達。あの2匹を引き離して」
《了解しました》
《おぉ、これが命令される感覚か。気持ちいい》
《これは眷属になるいいきっかけになるな》
《まぁ、俺の眷属入りは確定だろうな》
君達は名前を考えておくよ。
私が命令したと同時にブラウニー達はクマの方に向かって飛んでいく。
「なぁ、雫。俺のやる事ってもしかしてない感じ?」
「まぁね、星奏はまだ残ってるけど」
「あの作戦ってまだ続いてたのか」
「そういう事。後はあのでかいやつだけでしょ?ならブラウニー達でなんとかしてもらうしかない」
今の私、凄い輝いてる。
今ならなんでも出来そう。
「サン達はあの大きいやつだけ相手して」
《全く、俺らをこき使うなんてな。べ、別にひでぇ女とは思ってねぇよ》
《僕達をこんな風に使うなんて思ってませんでしたよ。べ、別に従わない訳ではないですからね》
《全く、雫様は無茶をよく言いますね。べ、別にあなた様に尽くしたくないって言っている訳ではないですから。勘違いしないでください》
最初はサン達をかっこいいなぁって思いながら見てたけど今となっちゃ可愛いなとしか出てこないね。
サン達は大きいクマの方に走っていく。
「なぁ、俺達が出る隙ないんだけどどうすればいい?」
「俺達って言うのをやめてくれないか?私は一応出番が残ってるんだ」
「こんの裏切りもんがァ!」
竜と星奏が取っ組み合いの喧嘩をし始める。
そんな事で喧嘩しないでよ。
「俺が1番主人公ぽかったじゃん。今までの強敵は全部俺がトドメを刺しただろ!出番寄越せ」
「お前が刺したトドメって私達が協力しまくって刺したトドメだから私達も実質トドメを刺してるのと同義だ。それにお前の出番がないのはお前の作戦通りに今は事が運んでるからだろ。囮役がお前じゃなく雫の動物達に変わっただけだろうが」
「じゃあ俺は何を恨めってんだ!」
「こんな作戦を考えた自分自身を恨みな」
どうでもいい事で喧嘩しないでよ。
全く、2人はいつまでも子供なんだから。
「2人共!」
私が大声をあげると2人は私の方を見る。
「料理.....しないよ?」
「俺が悪かったよ、星奏。お前に任された大役。俺、一生懸命応援するよ」
「いやいや、ムキになった私も悪かった。お前の代わりを果たしてやる。任せろ」
いつも思うんだけどなんで2人は私の料理を美味しいって思ってるんだろ。
不味くはないと思うけどそこまで美味しいとは思えないんだよね。
自分で作った料理だからかな?
まぁいっか。
ブラウニー達のおかげで2匹のクマを引き剥がすことができた。
「今だ!」
「サイコキネシス」
星奏は大きいクマをくせ毛クマの手が届かない位置にまで浮かび上がらせる。
「しめた。これで私達の勝ちだね」
「あ、フラグ」
「竜、そんな事を言うからダメなんだよ。この私が言うんだから間違いない」
「調子乗りすぎだろこいつ」
「事が上手く運んでるからな。こうもなる」
私が主人公だ。
2人は重要キャラ程度にはしてあげるよ。
《クソっ、人間はまたしておららの縄張りを取るんだべか?》
初めて大きいクマが話す。
《仕方ないっぺ、これがわちらの運命だったんだっぺ》
大きいクマを慰めるようにくせ毛のクマが話しかける。
《わえの作戦が上手くいかなくてごめんけん》
細いクマも他のクマ達に話しかける。
やばい、分かってはいたけど私達が悪者みたいになってる。
いや、これはダークファンタジー系の主人公の気分になれば何も感じずにいれるはず。
「そんな事を言われても私の意見は変えないぜ」
「なんて言ってるんだ?」
「超簡単に言うと大きいクマが縄張り取りやがって人間が!くせ毛クマがこれが運命なら俺は受け入れる。細いクマが作戦失敗ちゃった。ごめぇんねって感じかな」
「なるほど、俺らが悪役みたいになってるって事ね」
うーん、これどうするべきかな?
こんな事言われたら殺す気もなくなるけどギルドからは殺せって言われてるしなぁ。
でも殺したくないなぁ。
でもお金がなぁ。
「……あっそうだ」
私達はギルドの所にまでやってくる。
クマ達は荷台に乗せた檻に入れて中に持ってはいる。
私達は受付の所に行き3匹のクマを見せつける。
「言われたヤツらを捕らえてきました」
「殺せとクエスト内容に書かれていたはずでは?」
そう言うと思った。
私は嘘だとバレないように冷静さを保つ。
「いやぁ、殺すのはちょっと無理で」
「俺達、こいつらと戦ってる間に愛着が湧いたんです。でも、クエストは遂行しないといけない」
「私達の手では殺せないと判断したため。こいつらを檻に閉じ込めて持ってきました」
「なるほど、でしたら報酬から2割引いた額をお渡ししますね」
話がわかる人で良かった。
「では」
私達は足早にその場を去ろうとする。
「最後の挨拶的な事はしなくていいんですか?」
「してしまったらあの子達を助けようと思ってあなた達を殺してしまう」
私はそれだけ言い出口へと向かう。
決まったァァァァ。
この強者発言はもう最強と言わざるを得ないよね。
うんうん。
私達はギルドから出ると走って町の外にまで行く。
「じゃあ、大鎌、無鍬、叡犂」
私は3匹のクマを召喚する。
大鎌は大きいクマ、無鍬はくせ毛のクマ、叡犂は細いクマ。
そう、さっきの3匹のクマは私の眷族になったのだ。
《雫様、おららはあなたに忠誠を誓うだべ》
《わちらを救っていただきありがとうっぺ》
《雫様はわえの語彙力では最高って言葉ぐらいでしか表せないけん》
やっぱり褒められるのはいい気分だね。
眷族にする際に知った事だけど3匹はそれぞれ能力を持っており、私達の言い方で言うなら大鎌は身体能力強化、無鍬は能力を無効化する能力、叡犂はテレパシーらしい。
しかも叡犂は1属性魔法程度なら扱えるぐらいは頭がいいみたい。
これは大型新人が入ってきたって感じだね。
「これからもよろしくね」
《はいだべ》
《はいっぺ》
《はいけん》
私は思いっきりドヤ顔を決める。
《あ、あのぉ雫様》
「どうしたの? ブラウニー」
《私の仲間達を眷族に入れてくれませんか?》
私はブラウニーの仲間の方を見る。
《あぁ雫様の眷族入りか》
《色々と命令されたい》
《ふ、俺を眷族に入れた暁にはゾンビ共を駆逐してやる》
この子達か。
完全に忘れてた。
ちょっと適当でいっか。
「左からイリ、ドム、チニ。これでいい?」
《イリ.....大事にします》
《ドム、雫様の奴隷のごとく働きます》
《チニか。俺に全て任せろ。全部何とかしてやる》
ちょっと適当過ぎたかな?
まぁいいか。
「なんか雫がなろう主人公みたいになってるんだけど」
「もしかして主人公は私じゃなくて雫だったか?」
「いや、俺だろ。知らんけど。ていうか、あいつの能力って今思うと最強だよな」
「どうして?」
「だって、死なない動物達を使役できるし、それに...」
「それに?」
「動物達に能力を持たせれば何個も能力を持ってる風に思わせれる」
「チート系主人公だったか。雫は」




