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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
暑い季節
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いざ極寒の地へ

俺達はいつも通り家でゴロゴロしていた。


「なぁ、もう8月に入ったんだぞ?もうそろそろクエストとか受けないとノルマがキツくないか?」

「そう言われてもやる気起きないし」

「外が暑すぎて出る気にもなれない」


星奏は不安そうに話しかけてくる。


「でぇじょうぶだ。オラの主人公補正がありゃなんとかなる」

「それがないから言ってんだろ。そろそろ現実見な」

「それなー」

「雫もな」

「うっ」


雫は寝転びお菓子を食べながらゲームをしている。


「だってさ。先月は仙台に行っただけでクエストとかしなくてもすんだんだよ?なら今月も星奏のお父さんからクエスト待つだけでよくない?」

「クエストをポンポン出してくれると思うなよ。普通貴族からクエストを貰うのって有輝とかBランクの人でもかなり凄い人達ぐらいなんだぞ」

「つまり俺達はBランクの中でも凄い方ってこった」

「その自信はどこから湧いてくるんだ」


あんな美味しい味を覚えちゃったら使わない手はないよね。


「これだからニート共は」

「雫と一緒にされたくない。俺は本を読んでいて傍から見れば賢いやつ風に見えるけどこいつは違うだろ。部屋着でゴロゴロしながらポテチパクパク食べてゲームしてんだぜ」

「竜に言われたくないよ。傍から見れば賢いやつ風に見えるってことは近くで見ればバカってことでしょ」

「お前に言われたくねぇよ。俺達の中で1番のバカに言われたくない」

「よし、いい覚悟だ。頭がいいってなら私とお料理対決してもらおうか」

「頭の良さ関係ねぇ」


星奏はため息をつく。


「せめてノルマ達成してからこのくだらない言い争いをしろよニート共」

「星奏、私は学生だから学校に行ってない竜と違ってニートじゃないよ」

「そんなこと言う暇があるならサッサっと着替えろ。ずっとパジャマ姿でいる気か?」

「外に出ないしいいじゃん」

「それがダメって言ってんだろ」


俺達が言い争ってるとインターホンがなる。


「すいませーん。お手紙をお届けに参りました」


ドアの向こうから郵便配達員らしき人の声がする。


「少々お待ちください。お前ら後で覚えとけよ」


星奏が手紙を受け取りに行く。

手紙って誰からだろ?


「星奏、手紙の内容は?」

「ええーっと。冒険者高野竜殿、藤川星奏殿、南根雫殿、至急貴族の下にまでお越しください。だってさ」

「ふっ来たか」

「星奏、やっぱり私達に軍配が上がってるんだよ」

「なんでこういう時に限って来るんだ」


やっぱり俺には主人公補正があったんだな。



俺達は着替えるとすぐに家を出た。


「暑い」

「もう夏だからな」

「星奏、氷」

「ここ町中。魔法使ったら捕まる」

「なんでそんなめんどくさい法律があるんだ」

「町中での戦闘を防ぐためだろ」

「その割には能力は使えるんですね」

「そういえば能力も使えなくするために能力無効玉をそこら辺に置くっていうことも考えられているらしいぞ」


本当に星奏の父親はめんどくさいな。

親バカだしさ。

まぁ親バカなおかげであの家が手に入ったんだ大目に見てやるか。


「ていうか道あってる?前来た時はこの道じゃなかっただろ?」

「引っ越したらしいんだ。私は引っ越すなんて聞いていなかったんだけどな」

「だってお前はずっとあの家にいるんだから知らせる必要ないだろ」

「でも娘には一応って思うだろ」

「別にいいじゃん、気にしなくても。私達にそこまで影響ないし」


星奏は不服そうな顔をする。

俺も気になるが考えても始まらないのでとりあえず行く事に。



「ここだ」

「なるほど結局タワマンかよ。やっぱり金持ちは高い所が好きなんだな」

「多分これ全部だと思うぞ」

「へ?」

「このタワマン全部が家だと思う」


金持ちってすげぇなぁ。


「早く入るぞ」


俺達は星奏に案内されるままに星奏パパがいる所に着く。

なんか星奏は当たり前だろって顔をしてるけど当たり前じゃないからな?

ていうかもしかしたら前の星奏の家のタワマンも全部星奏パパの物だったのかもしれないな。


「よく来たね。単刀直入に言おう、君達には札幌に行ってもらう」

「分かりました。それで報酬は?」

(バカっ!こっちが単刀直入に言うことがあるか)

(暑いから早く終わらせたいんだよ)

「ごほんっ」


俺達は星奏パパが咳払いするとすぐに元の姿勢に戻す。


「報酬は前より高い60万程度だ。それで札幌の貴族にこの手紙を渡して来てもらう。いいね?」

「了解です。お任せ下さい」

「うむ、それでは頼んだよ」


…え?札幌?

星奏パパが星奏に手紙を渡そうとすると星奏パパのテーブルに置いてあった写真立てが落ちてくる。


「あっ」


そこには星奏だけが写ってる写真に誠華Loveと書かれてあった。

やっぱり親バカだなぁ。

そんな事より札幌?


「おっとすまない」

「大丈夫です」


星奏はサッと写真立てを戻すと立ち上がる。

俺達も立ち上がる。

札幌?


「失礼しました」

「「失礼しました」」


札幌?



「なぁ、2人が深く触れてないのが不思議なんだけどさ。俺達、札幌に行くんだよな?」

「まぁ一応」

「いや星奏、私も正直思ってたんだけど」

「何を?」

「いやいやいやいや」

「それ本気で言ってる?」

「え?ん?」

「札幌って北海道の札幌だろ?」

「それ以外にないだろ」


マジで言ってんのか?こいつ。


「どんだけ遠いと思ってるんだ?」

「そうだよ。何時間かかると思ってるの?」

「まぁ獅車使えば1日で行けるだろ」

「それでも流石に遠いだろ。着くの夜中とかになるんじゃないか?」

「夜は危険でしょ。星奏だって前言ってたじゃん」


夜になればどこからゾンビが来るか見にくくなるんだ。

そんな危険な道を通れる訳ないだろ。


「夜が危険なのは暗いからだけどそこは竜の能力があるからなんとかなるだろ」

「まぁそりゃ周囲を照らすなんて簡単だけどさ」

「夜中に着くのはどうするの?」

「仙台経由で行けば多分いい感じの時間で行けるだろ」


え?多分?

こいつ多分って言った?

俺達の命をなんだと思ってるんだ。

怖いんだけど。


「まぁまぁ。仙台に行く時は1日以上かかると思って行ったんだし大丈夫だろ」

「俺達の安全をなんだと思ってるんだ」

「一応サン達に伝えて置くね」


行くのはいいんだよ。

この時期の札幌は気温がちょうどいいしさ。

安全に行けるかどうかが問題なんだ。



俺達は札幌に行く準備を進める。


「どれくらい時間かかるかは忘れたから夜中に着くかもしれないけどその時はその時に考えるか」

「冒険者に安全なんてないんだね」

「まぁ、元々命かけてゾンビを倒す仕事なんだ。仕方ないか」

「俺達の冒険はこれからだ!」

「それを言ったら天文学レベルに低い確率である竜が主人公である可能性が無くなっちゃうでしょ。今は主人公補正に頼らないと」


ガチで言うなら主人公は絶対明田だと思う。

その時点で主人公補正なんて俺にはないよ。

こんな美味しいクエストを貰えるのも星奏のおかげだろうし。


「ていうか主人公補正があったらフラグ立って沢山のゾンビに囲まれると思うんだ」

「確かに」

「お前ら喋ってないで準備しろよ。危ないとか危険だだとか言ってる奴がスノーボードなんて持って行こうとしないだろ」


札幌、楽しみだなぁ。

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