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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
暑い季節
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天才の発明

俺は華蓮さんが忙しそうに研究をしているのでそれをじっくり見ている。


「なんか見られるの恥ずかしいんだけど」

「理系も大変そうだなって」

「理系もってなんだい。理系は、でしょ」

「文系も文系で大変なんですよ」

「それなら必修科目何教科か言えるのかい?」

「それより華蓮…ちゃん、前から思ってたのですけどあなたはいつも何を作っているんですか?」

「前にも見せた眠れなくなるコーヒーとかだね。ていうか今話しかけないで貰える?いくら龍之介君のお願いだからって無理な時は無理だよ」


ただ話してただけなんだけどなぁ。

華蓮さんはゾンビから採取して色々な薬品に数週間漬けた肉片の一部をよく分からない機械に入れる事をたまにする。


「うーん、今回も失敗かな」


華蓮さんは大きなため息をつく。


「何がダメだったんですか?」

「なんというか数値がおかしいんだよね。色々な実験を思いついてはやってるけど中々上手くいかない」

「いつも思ってたんですけどどんな実験をしてるんですか?」

「それは…内緒」


なんか気になるなぁ。

ゾンビの研究だろうしゾンビの治療法の研究とか…それは流石に違うか。

もう死んでるんだしな。

元に戻した所で意味なんてない。

華蓮さんだってそれぐらい知ってるだろう。


「科学は大変ですね」

「そうだよぉ、文系でぬくぬくしてた君とかとは違ってね」

「その文系いじりはなんなんですか?」

「嫉妬してるだけ」


ただの嫉妬かよ。


「そういえば華蓮…ちゃんってどんなの作った事があるんですか?」

「見てみる?見てみる?」


なんか食い気味だな。


「見てみます」

「そう、来なくっちゃ。まずは水晶玉シリーズ。これは私が使ってるよね、魔力強化玉。魔力貯蔵量は誰かさんの息子が作った魔力水を優に超える、魔力玉。能力を使用する際に発する特別な波を打ち消す、能力無効玉。この3つだね」


どれも俺は使った事がないが俺達の基本的な収入源はこいつらだ。

俺もゾンビを倒したりクエストをこなしたりはしてるが大体が華蓮の研究費料になってしまう。

ていうか、魔力水って竜が作ったのか。

……成長したな。


「そして、今開発中の魔法銃。これは魔法を使う際に出る脳波のデータを電気で再現する事によってデータ通りの魔法を出す事ができるんだ。それに、脳波のデータを入れ替えることによって出す魔法を変えることができる。しかも、魔力強化玉とか――」

「つまり魔法を出す銃って事ですね。こっちの銃はなんですか?スナイパーライフルみたいですが」

「これも現在開発中の武器で名付けて能力者殺し、アビリティキラー」


2つ名的なやついる?

かっこいいけど。


「能力無効玉の範囲をできる限り減らして打たれた人だけ能力を封じるっていう効果だね。正直これは銃を作るよりも弾を作るのに苦労しているよ。貫通しちゃいけないからホローポイント弾…だったかな?の形状にするのがもう大変で」

※ホローポイント弾とは銃の弾の一種で当たると中で膨張し貫通させない仕組みの弾である。

主に狩猟をする時などに使われるらしい。


つまるところ当たった相手の能力を使えなくするって感じか。


「で、これが前に紹介した眠れなくなるコーヒー。後輩達にもあげた事があるんだけど不評だったね。先輩達からは好評だったんだけど」


多分華蓮さんは元研究者だよな。

やってる事とかまさに研究者って感じだし。


「眠れなくなるってことは起きていられる時間が長くて考え事が沢山できるというのはいいですね。俺も飲みたいです」

「デメリットをあげるなら肌の調子が悪くなって老けて見える事だね。眠れなくなってしまうってのが原因なんだろうけど」


華蓮さんはそう言いデスクの上に置いてあった冷えきったコーヒーを口にする。

確か眠気を長時間なくすには持続的に飲まないといけないんだっけ?

じゃあそれを抜いたらどうなるんだろう。

数年間寝てないって言ってたし寝てもらうか。


「次に紹介しますはこの義手」


俺の義手を持ち上げながら言う。


「これを作ったのはなんと()()()なんですよねぇ。流石!華蓮ちゃん天才!ジーニアス!」

「あ、本当に作って頂きありがとうゴザイマス」

「絶対感謝してないでしょ」

「感謝してますよ。本当にありがとうございます」


華蓮さんはすごく自慢気な様子だ。


「元はと言えば君があんなヘマをしなければ良かったんだけどね」


うぅ、そうだった。

華蓮さんに出会ったのがずっと前のように感じるな。

竜と別れて1時間ぐらいゾンビ達と追いかけっこしていた時だ。



「シャーッ!」


俺は1人のゾンビに腕を噛まれてしまったんだったよな。


「ゾンビ映画だったら噛まれた場所からゾンビ化していくんだよな。それだったら腕の1本ぐらい切ってもっと遠くに行ってやる」


そして俺はなぜか近くに落ちてた剣を拾って腕を切ったんだ。


「血が沢山溢れてる。ちょっとミスっちゃったかな。まぁいい。これでもっと遠くに行ける」


俺は剣を持ったまままた走しって行った。

十数分走り続けると荷車を引いてる1人の女性がいた。

そう、華蓮さんだ。


「え?そこの君、それ、大丈夫?手当してあげるからこっち来て」

「手当はいらない。大丈夫だ」

「せめて包帯だけでも巻きなよ。そんなのすぐ死ぬよ?」

「うるさいな」


華蓮はすぐに行こうとする俺を必死に止めてたな。


「本当に巻けって」


俺はそんなの関係なく行こうとしたらゾンビに周りを囲まれてしまった。


「せっかくもっと遠くに行こうとしたのに」

「こりゃまずいね。こうなったらこれを食べるしか」


華蓮さんはそう言って荷車から腐った肉を取り出す。

それを食べれば一気に力が手に入ると確信した俺は華蓮さんからそれを奪い取りサッと食べた。


「あっちょっと」

「すまないな。この非礼はあの世で返してやる」


そして頭に文字が浮かびあがる。


「精神を操る程度の能力?」

「ゾンビに精神ないよ。あぁ、ハズレ能力だぁ。はぁ、ちょっとそこの君、私が死んだらどうしてくれるのさ」

「それなら…」


俺は手を頭に当てる。


「俺はめちゃくちゃ強い」


そこから俺はただ力任せに剣を振るい続けた。

気づけばゾンビは全員いなくなってた。


「なるほど、思い込みで強くなった…か。君、やるじゃん」

「じゃあ…な」


俺はそして血が大量に出た影響でその場に倒れてしまった。

次に目を開けた時は華蓮さんの家にいた。


「やっと目を開けたんだね。全く、君みたいな馬鹿なヤツ初めて見たよ。私は空島華蓮、よろしく」

「えっと…なんで俺生きて」

「そりゃ私が血液型検査キットと1人生かすには十分な血液を基本の4種類を持ってたからね。全く、用意周到すぎて困っちゃうよ」

「あぁ、そうだったんですね」

「そういえばなんで腕がないの?ゾンビに噛みちぎられた?」

「いや、ゾンビに噛まれたんでゾンビ化しないために噛まれた腕を切り落としただけです」

「…へ?」

「え?」


そこから数時間ぐらいその事で笑われたな。

ゾンビはゾンビに殺されない限りなる事はないってさ。

ゾンビ映画でそんなの見たことないぞ。


そんな事があったな。

流石にちょっと恥ずかしいな。


「次はどこを切り落とすの?脚とか?」

「うるさいな」

「本当に君みたいな馬鹿なヤツ初めて見たよ」


くすくす笑わないでくださいよ。


「あ、やばい。トイレトイレ」

「突き当たりを右です」

「私の家なんだからそれぐらい知ってるよ。もるもる」


華蓮さんはトイレへと駆けて行く。

今のうちにコーヒーをすり替えるか。


俺がよく飲んでるコーヒーを水で溶かしてっと。

混ざりきってないけどまぁいいだろ。

それをデスクの上に置いてと。


「ふいー、スッキリスッキリ」


華蓮さんはデスクの上に置いてあるコーヒーをすぐに飲む。


「そういえばおしっこの後に飲んでまたおしっこをしちゃうてきなことわざがあったきがする」


味の変化には気づいてないようだ。


「喉元過ぎて熱さ忘れる、ですか?そんな例を使われたら作った人泣きますよ」

「それもそうだ…ね」


華蓮さんはすぐに倒れてしまう。


「…そんな効き目が早かったんだな」

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