帰り道
俺達は仙台に着いてから1週間ぐらい仙台にいた。
今は帰宅の準備を整えている。
「この仙台旅行の感想をどうぞ」
「もう行きたくない」
「こんな事ならすぐに家に帰っておけばよかった」
まぁなんの娯楽もなけりゃ観光地もないからな。
ちょっと美味しい物食べてちょっと東京と似てる町並みを見て終わりだったもんな。
こんな事をするより普通に麻雀してる方が楽しかった。
「まぁまぁ、今から帰るんだからなんも心配はいらないって」
「正直竜の面白半分のまだまだここにいようぜ!に反応しなきゃよかった」
「あれにうんと頷いた私達が馬鹿だったな」
お、意外や意外。俺の事を全然罵倒しなかったな。
あいつらならそれくらいすると思ったが。
「夜ご飯食べるまで帰れないからな。この旅館で晩までいるって言っちゃったからもう晩御飯用意してくれてるんだ」
「別にそれはいいよ。料理に関しては私は何もしなくて良かったから楽だったなぁ」
料理はいつも雫が作ってたからな。
さぞ楽だっただろう。
「ていうかいちいち洗濯しにコインランドリーに行かないといけなかったのめんどくさかったよな」
「ねぇ」
「まぁ金自体はあったしいいじゃん」
「あいつ、いい金になってくれたよな。殺しちゃったから600万からちょっと減ったけど。上級ゾンビだからその差もすぐに埋められたしな」
「言ってる事が悪人のそれだよ。星奏」
「世の中金が1番重要ってよく分かんだね」
俺達は比較的片付けがしやすいトランプを出し晩御飯までの時間を過ごす。
俺達は町を出て雫がサン達を呼び出し獅車に乗る。
「じゃあ、準備はいい?」
「おっけー」
「さっさっと帰ろう。帰ってお風呂入って本を読みたい」
「初見では頭が良さそうなキャラっぽい事を言うな」
「初見じゃなくても頭はいいだろうが」
「俺の前でそれを言えるのか?」
「私より入試問題の点数が良かったからって調子に乗るなよ」
「じゃあ他の問題も出せよ」
「なに2人とも言い争っているんだよ。こんなちょっと暑苦しい時に」
もう7月だもんな。
東北地方でもまぁまぁ暑い時期だ。
サン達は俺達が言い争っている間に進み始める。
「いや雫、聞いてくれよ。竜が私をバカって言ってきたんだ」
「実際に馬鹿なんだから別に言っても問題ないだろ。俺がお前に土を触れさせていなかったらお前死んでたんだぞ。命の恩人なんだから敬語使えよ、敬吾」
「あの、2人共」
「どうした?雫」
「なんかあるなら言ってくれよ」
「うるさいです。今から町に帰る人もいるんだからちょっと静かにしてよ」
太陽がもうすぐで沈む時間帯だからか町に帰ってる人を多く見かける。
「こんな時間に帰ろうとしてる俺達だけか」
「夜は暗くて何も見えないから危険だけどこっちには竜がいるからな。何も危なくない」
「無意識の内に俺を頼ってるって事は俺の事好きなの?」
「そんな訳ないだろ。調子にのんな」
「ふぅーしんらつぅ」
「2人共、もう深夜テンションになってるじゃん。流石に早いよ」
「雫まで俺の事が好きなのかよ。2人も選べねぇぞ」
「どうしたらそういう結論になるの?頭大丈夫?」
ちょっと大変だったからな。今月は。
テンションがおかしくなってるのかもしれない。
「ふぁーあ、眠い」
「早くない?」
「なんか色々あったからな」
「あいつが襲ってきた以外に何かあったか?」
「雫とお――」
「別にそれは言わなくていいから!」
雫が顔を赤らめて必死に止めに入る。
「なんだ?おせっせしたとかか?」
「竜とそんなんする訳ないでしょ!」
「あの夜は…本当に…楽しかった」
「あれがあったのは結構早めの早朝でしょ。話をややこしくしないで」
「朝にやったのか?もうそこまでの関係に?」
「だからやってないって言ってるでしょ」
「「雫、うるさい」」
「2人に言われたくないよ!」
雫が顔を真っ赤にする。
「とりあえず、竜と私は何も無かった。いいね?」
「男女が一緒におふ――」
「だから言わないでって!」
「雫もそういうお年頃か」
「なんでそういう事にされなきゃいけないの?」
そっちの方が面白いから。
「なんか私も疲れたよ。あ、そうだ。竜」
「なんだ?好きです付き合ってください?しょうがねぇな。早い者勝ちっていうし俺の身と心を全部持っていきな」
「竜、貴様はオークションに売りに出してやろう。じゃなくて。暗くなってきたから明かりつけて。結構明るめね」
「はいよ」
「竜、眩しいかももうちょっと下げて」
「はいはい」
「私はこの間することが無いな」
「じゃあ周りでも見とけ」
「ええぇぇ?主人公にそれ任せるのか?」
「あいつの首を切ったのは俺だ。つまり俺が主人公」
「漁夫の利としか思えないだろあれは」
うるせぇ!取ったもん勝ちだ!
星奏は呆れながら言った後急に上を向きながら静かになる。
そんな呆れたの?俺の発言に?
「なぁ、今日って何の日か分かるか?」
星奏は少しの沈黙の後に言葉を発する。
「今日は…7月7日だな」
「って事は七夕じゃん。短冊に願い事を書かないと」
七夕か。大体の日が曇りか雨らしいけど今日は晴れだな。
ラッキーだ。
「で、それがどうしたの?」
「上、見てみろよ」」
俺と雫は星奏の言う通りに空を見る。
「そっか。七夕と言えば」
「天の川だったな」
そこには一等星や二等星といった様々な星達が対称的じゃないのに綺麗と思わせ見ただけでうっとりとしてしまう。
「大体の日が曇りや雨のせいで見れない天の川だ」
「なんで今日は晴れたんだろ?」
「もしかしたら升のやつが雹とかを作りまくってたしそのせいで大気中の水とか無くなったんじゃないか?」
「今はそんな事いいだろ」
「…それもそうだな」
俺達はかなりの間、静かに天の川を見上げた。
升、ひと夏の思い出をありがとう。
お前はもう殺しちゃったけど俺達はお前を殺した分生きてやるかな。
「散々な事だらけじゃなかったな」
「写真じゃ分からない現物の良さって感じだね」
「明日からも頑張ろう」
「「竜がそんな事言えるようになるだなんて成長したなぁ」」
俺はガキか。
俺は今、華蓮さ…華蓮ちゃんにワイヤーを外して貰っている。
「いやぁ1週間もよくこの生活を続けられたね」
「あなたが流石に大便垂れ流しじゃ汚いって言うからトイレに行かせてくれたりお風呂の時は解いて貰ったら流石にいけますよ」
「あなたじゃなくて華蓮ちゃん!」
めんどくさいなこの人は。
「で、ワイヤーを解いたって事は出来たんですか?義手」
「完璧にできたよ。それはもうすごすぎてヨダレがナイアガラの滝ぐらいにびっちゃびっちゃ出るくらいにはね」
表現の仕方が汚いなぁ。
「まぁいいか。早く下さいよ、それ。早く竜の所に向か合わないと」
「それもそうだね。まぁこれの付け方は非常にシンプル」
早くしてくれないかな?
「付けたい所に付けて魔力をちょいと流すだけ」
「簡単すぎません?ていうかそれって腕以外の場所につけれるって事ですか?」
「そゆこと」
この人ってもしかして…本当にすごい人?
「今、失礼な事言わなかった?」
「言ってないです」
「まぁいいか」
そう言って華蓮さ…華蓮ちゃんはコーヒーをすする。
「ふぅ、これで今日も起きれるな」
「いつも思ってたんですけどそのコーヒーいつも飲んでますよね。そんなに美味しいんですか?」
「いや、不味すぎて反吐が出るくらいの味だよ」
「じゃあなんで飲んでるんです?」
「飲んだら24時間絶対に眠くならい様に作ったからね。もうかれこれ数年は飲んでるね」
それって数年寝てないって事か?
「そんな事より早く支度しな。竜君達の所に向かうんだろ」
「そうだった。早くしないと。今仙台のどの辺にいるんです?」
「えっと。ちょっと待ってくれよ。えーっと」
早く早く。これでもし竜が死んでたら俺はあの世に行った時にあいつに顔向けできない。
「あ、竜君達、東京に帰ってるね」
「ふぇ?」
「もう帰って車庫かな?の所に獅車を置いてあるね」
え?つまり大丈夫だったって事?
…無駄に張り切ってた俺が馬鹿みたいだ。




