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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
この世界
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天候に打ち勝つ者1

升は俺達から一旦距離を取っている形だ。


「自分から喧嘩ふっかけておいてそりゃねぇぞ」

「竜、仕方ないよ。きっとあいつはビビりなんだよ」

「私達の底に秘められし闇の力にでも感ずいたか」

「星奏、いい病院教えてやる」

「どう見てもネタだろ!」


まぁ病院なんて行ったことないからどこに何科があるのかすら知らないしあるのかすら知らんがまぁいいだろう。


「お前達ちょっとは緊張しろよ!命取ろうとしてんだぞ!」

「いやだって…」

「なんか大丈夫かなって思っちゃってな」

「そうそう。私達3人なら…どんな困難にも立ち向かえる!」


雫にも教えてやるか。

存在しないいい病院。


「でも緊張はしてる。流石に命かかってるからな」

「それにしてもだろ!俺がせっかくカッコつけて登場したのに驚きもせずになんかネタに突っ走るしなんか現代知識無双みたいな事されるしさ!」

「いや、見つけた時は流石にビビったよ」

「え?俺見つかってたの?いつ?」

「登場前ぐらい」

「それなら尚更ビビれよ!おしっこジャージャーしろよ!」

「この歳のお漏らしは1部の層にしか需要がないと思ってな」

「なんでお漏らしからその話に発展出来んだ。男子高校生かよ!」

「そうだよ!普通の男子高校生だよ!」


見た目で分かるだろ見た目で。


「え?中学生ぐらいと。小学生と中学生と大学生と思ってたんだけど違ったのか」

「全員高校生だよ!2人は間違えるかもだけど俺は間違える余地がないだろ!」

「大人のレディーとして見られてるのか。…罪な女」

「中身知ったらただのショタコンババァだろ」

「私が小学生扱いは流石にないでしょ。最近147cmになったんだよ?高校生に見えるでしょ」


147はまだ小学生かなぁ。


「ていうかなんでこんな雑談してんだよ。今戦闘中だぞ!」

「お前が始めたんだろ」

「お前らだ!お前らが始めたんだ!」

「そう…だったのか…」

「なんでそんな驚いてるんだ!」

「まさか…私達が…」

「諸悪の根源だったなんて…」

「諸悪とはまではいかないけどまぁ悪だな」

「「「カッコイイ!」」」


俺達はそれぞれポーズを決める。


「全員もれなく厨二病かよ!」


俺はファッションだ。

ガチのヤツはこの2人だけだ。


「はぁ…はぁ…動いてないのに疲れてきた」

「じゃあそろそろ胎内に帰ってもらって」

「はいはいって俺は誰かの体から出てくるタイプのキャラじゃねぇぞ」

「そっちのじゃなくてお母さんのお腹の方」

「どうやって帰んだよ!もういい!落雷!」

「純水!」


雷は俺達の目の前に落ちる。

狙いを外したのか?


「升キッッック!」


升は雷が丁度落ちきった瞬間に飛び蹴りをしてくる。


「落石!」


雫が唱えると升は少し大きめの岩の下敷きになる。


「はい、命もーらい」

「残念!俺の命はそんなに安かねぇよ」

「どうせ氷の塊が落ちてきてるだけだろ?星奏」

「はいはい、サイコキネシス」

「…それも残念」

「ん!?サイコキネシス!」


星奏は焦った様子でジャンプしてサイコキネシスで俺達をすぐにその場から離す。


「危なかったな」

「どういう事だ?」

「サイコキネシスが効かなかった」

「そうだろうな。っていでぶ!」


升は自分が出した氷塊の下敷きになる。


「はぁぁぁぁ!」


升は自力で周りの岩を吹き飛ばし立ち上がる。


「そうだろうな。俺にはこの――」

「何事も無かったかのようにしてるぜあいつ」

「あんな醜態(しゅうたい)を晒しといて流石に無理があるよね」

「ダサいな」

「うるさい!解説シーンに行かせろ!」


俺達は可哀想なので仕方なく黙る事に。


「能力無効玉の破片をお前達の足元にばらまいてたからな。あれの結界内にちょっとでも入っていれば能力は無効化されるからそれを利用させてもらった」

「種明かしするの早いな」

「マジシャンとしてまだまだだね」

「そんなじゃエンターテイナーになれないぞ!」

「うっす親方!じゃねぇよ!」


あいつをバカにするの面白いな。


「投石!」

「あ!あいつ俺が使ってた魔法をパクってきやがった。星奏と雫はともかくボスキャラにまでパクられるのはちょっと…」

「そんな事言ってる暇ないだろ」

「ライトニング!」


升は飛ばした石に電気を当てる。

すると石は赤くなり弾け飛ぶ。

俺達はそれに驚き尻もちをつく。


「いって!」

「目に入ったら危ないだろ!」

「そういうもんだろ。なんで命の取り合いに安全性を求めてんの?」

「最近そういうのに厳しいって聞くし」

「それはゾンビが出てくる以前の話だろ。こんな世界になっちまった以上、危険だろうが知ったこっちゃねぇだろ」

「うちの子が怪我したらどうするんですか!?慰謝料請求しますよ!」

「モンスターペアレントやめろ!」


モンスターペアレントってクソほど面倒くさい親ってことなんだな。


「ちょっとは戦闘中っぽくしろ!雹!」


升はまた自分の近くに小さな雲を作り出す。


「強風!」

「痛い痛い。氷がチクチク刺さって痛すぎる」

「陰湿にも程があるだろ!」

「根暗陰キャって感じがするよ」

「うるせぇ!いちいち文句つけてきてんじゃねぇぞ!」


これは文句つけざるを得ないだろ。

ボスキャラが陰湿な攻撃ばっかしてるゲームだったら即効売り飛ばしてるね。


「ファイヤーストーム!」

「あっつ!あっつ!」

「仕返しじゃい」

「ライトニング!」

「ビリりりりりりり」

「2人ともやっちゃえ!」

「お前もやるんだよ!」

「私の魔力、もうそんなにないけど私もやってるんだぞ」


それはまぁ最初の方に使いすぎたからな。


「同調圧力反対!」

「皆は1人のために1人は皆のために!」

「やめてあげろ。陰キャに効くぞ」


俺は升の方を見る。


「誰が陰キャだ!どう見ても陽キャだろうが」

「流石にないと思う」

「まぁ仕方ないよな」

「そういうお前らもこっち側だろ」


俺達は全員目をそらす。


「落雷!」

「うわっいきなりかよ!純水」

「不意打ちはないわ」

「流石にビビったね」

「雹!強風!」

「もう2度も同じ手は喰らわんぞ!サイコキネシス!」


升が出てた氷の粒が全て空中で止まる。


「私の残り魔力は1000ぐらいだ。覚えとけ」


星奏がキツそうな顔でこちらに語りかける。


「きーいーたーぞー!予定変更、お前から先だ、藤原誠華」


升は俺達の目と鼻の先にまで来ていた。


「どりゃぁぁ!」

「ふぐぅ!」


星奏は剣身で升が突き出した拳を防ぐ。


「おい!これが壊れたらどうするんだ!」

「ちっ!その剣、再生能力を遅くさせる効果が入ってるな。まぁいいか」


升は拳を見ながら言う。

急にシーン、変わりすぎだろ。

さっきまで楽しくおしゃべりしてたじゃないか。

俺がそんな事を思っていると一筋の光が現れる。

それは次々と現れ俺達を光で照らす。


「クソっ!効果時間が終わったか」


天気はさっきまでとは考えられない青く晴れた空をする。


「この感じは俺達の勝利が確定したってことで大丈夫か?」

「そんな訳ないだろ。勝つのは俺だ」

「いやいや、何を言ってるの?この感じは私達の逆転パターンに入ってるじゃん」

「勝つのは私達だ」

「それ、俺が言うセリフじゃね?主人公が言うからかっこいいんだろ?」

「主人公は私だろ」

「星奏は前、自分の事をヒロインって言ってなかった?つまり私が主人公だよ」

「いやいや、唯一の男である俺が――」

「こういう場面ぐらいちょっとはかっこよく締めたらどうだ?」


升は少し怒り気味で言ってくる。


「じゃあ。勝つのは――」

「「私達だ!」

「そう来ると思ったわ」

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