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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
この世界
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天候を操りし者4

俺達は剣を構え升の方を見る。


「落雷!」

「水!」


俺は俺達の周りを水で囲む。


「なんか技名が水だけってダサいね」

「落雷!」

「咄嗟に思いついた技にかっこよさを求めるな!」

「落雷!」

「せめて純水とかそんな感じにできないのか?」

「落雷!」

「出来たらやるわ」

「落雷!」

「それ、やらないやつ」

「落雷!」


升が必死な顔をして何回も何回も雷を落としてくるが全て水に触れた瞬間消える。


(落氷)


升が何か小声で言う。


「ていうかゴロゴロゴロゴロうるせえな。耳潰れるわ」

「これで聴力落ちたら慰謝料請求できるかな?」

「質問来てた!けど法律関係だから答えられなかった!高野法律事務所」

「弁護士なら知っとけ」


今の法律なんて知らん。

そんな事を話していると雷が止まる。


「ふぅ、耳いてぇ」

「ねぇなんか落ちてきる音がしない?」


雫を人差し指を真上にあげる。


「そんな訳――」


俺達は雫に続いて上を見る。

すると多分俺達が容易く死ねる程度に大きい氷の塊がありました。


「ありました」

「サイコキネシス!」


星奏がギリギリの所でそのやばい氷の塊を止める。


「これでよし」

「トルネードファイヤー!」


升は俺達で言うところのファイヤーストームと同じ魔法を繰り出す。


「馬鹿め!今俺達を囲っているのは水の塊ぞ!無意味!無意味!」


升が出した炎は氷をかなり溶かすが俺達の所にまでは届かない。


「よし、このまま進軍するか」

「軍っていう程じゃないでしょ」


俺は更に多くの純水を升の方に向けて出しトンネル状の穴を開ける。


「氷の粒が少し痛いけどまぁ我慢できる範囲だな」

「なんでよりにもよって雹を出してくるんだ。天候を操る系の能力は大抵が雷雨とかその辺だろ」

「ひねくれ者って感じがするね」

「王道を行けよな」


俺達は升の方に向かって歩みを進める。

升は水の中に入った所でいつ純粋な水じゃなくなるのか分からないからか入ってこようとしない。


「なぁさっきの氷の塊さ。結構溶けてこの純水に垂れてきてたけど大丈夫か?」

「ん?……あ!」

「連続落雷!」

「ちょっと流石にそれはまずい」


氷は空から落ちてきた物だから不純物がいっぱいあってそれが溶けて純水の中に入ったってことはもうただの水だ。

俺は一旦水を消し上方向にだけ純水を出す。


「あぶねぇあぶねぇ。死ぬところだった」

「これだけで終わりとお思いで?」


升は手元に黒い雲みたいな物を作る。


「アイスランス!」


そして雲から出された氷はつらら状で俺達の所にすごい勢いでやってくる。


「ファイヤーストーム!」


雫が出した魔法によってつららは一気に蒸発していく。


「かなり魔力使っちゃうよ、これ」

「まだまだだろ」


升はいつの間にか俺達の背後にいた。


「ライトニング」

「純水!」


星奏は升がいる方向に純水を出す。


「まずいまずい。このままじゃ死なされる」

「殺されるって言えよ!」


升は3個同時に技を使っているからか目が充血している。


「これでトドメだ。脚強化!ジャンピング…」


升はウサギ跳びのポーズをする。


「パンチ!」


升は手をグーにして腕を突き出しながら飛んでくる。


「皆ちょっと痛くなるかもだけど我慢してね。強風!」


雫がそう唱えると俺達は同じ方向に飛んでいき建物にぶつかる。


「うぅ、頭は無事だな」

「うっ!」

「おい雫、大丈夫か?」


雫の腕につららが刺さっている。


「大丈夫、つららが綺麗に刺さったおかげで血は出てない」

「でもバイ菌が――」

「ジャンピングキック!」

「強風!グランドアーマー!」


俺は飛んで来た升に対抗するため風で勢いをつけグランドアーマーで脚部分を硬くする。

そして俺は雫達に蹴りを入れようとしてきていた升の足を蹴る。


「あんまり人の心配してるんじゃないぞ、星奏」

「でも…」

「星奏、私なら大丈夫。血は全然出てないから多分命に別状はないよ」

「なら、いいが」

「チッ、ミスったか」

「ミスったんじゃねぇよ。俺がお前をミスらせたんだ」


やばい、今のセリフバカカッコイイ。

ちょっとニヤニヤする。


「なんか竜、自分の事かっこいいとか思ってそう」

「俺のセリフがカッコイイと思っているだけだ!」

「カッコイイとは思ってるんだ」

「隙あり!」


升は蹴りを入れようとした足を地面に着けそれを軸にしもう一方の足で回し蹴りをしてくる。


「グランドアーマー!」


俺は体の横側を硬い岩で覆う。


「ぐぅ!」

「ロック!サイコキネシス!」

「うわっ」


升は星奏が出した岩に勢いよくぶつかり後ろへ吹っ飛ぶ。


「威勢いいこと言ったくせにその程度か?」

「ブーメラン刺さってる事を教えてやる」

「そうだそうだ!」

「威勢いいだけか?」

「お前らにもぶっ刺させてるぞ」

「「なんの事やら」」

「よし、分かった。後でぶっ刺してやる」

「ライトニング!」

「ちょっとは雑談ぐらい入れさせろよ!」


俺は純水を俺達を囲む様に出す。


「一応お前らの敵なんだけど…俺」

「休みよこせ!労基に訴えるぞ!」

「労働基準法!労働基準法!」

「有給消化!有給消化!」

「これは仕事じゃねぇんだぞ!ただの殺し合いだ!」

「ただの殺し合いってなんか怖いな」

「そういう世界に生きてたんだよ。気にしないであげよ」

「どうせ引きこもってFPSばっかやってたんだろ」

「泣くぞ俺!」

「泣かぬなら 泣くまで罵倒 ホトトギス」

「ドSな豊臣秀吉やめろよ」

「本家もドSだろ」

「お前らと話してると余計にむしゃくしゃするな!」

「勝手に話に入ってきたのお前だろ」

「そうだそうだ!」

「勝手にお前が入ってきたんだろ!」

「さっきからお前達、野次馬しかしてねぇな」

「ハーレム感でるだろ?」

「お前達でハーレムなんて死んでも嫌だね」


なんで普通程度にしか思ってないヤツらでハーレムをしないといけないんだ。

美少女達をはべらしてるからこそのハーレムなんだ。

そこを勘違いすんなよ。


「ジャンピング…キック!」

「急に来んなよ」

「エアーウォール!」


升は空中で蹴りの姿勢を保ったまま止まる。


「さっきの竜のやつパクるぞ。キック!」



星奏はさっき俺が魔法でアーマーで足を硬くして風で勢いをつけた技をパクられる。

お前…そう簡単にパクるなよ。

俺のしてる事は全然大したことないことみたいに思ってしまうからやめてくれよ。

星奏は升を蹴るが升は星奏に足を持つ。


「はい、引っかかったぁ。ライトニング!」

「まずい」

「星奏、これに手を置け!」


俺は魔法で大量の土を出し星奏は両手を置く。


「うぐぐぐぐぐ。グファ」


升は星奏の足を離し地面に降りる。


「はい、ワンキルゥ」


星奏は土に倒れ伏している。

多分大丈夫だよな?


「はぁ、死ぬかと思った」

「「なんで生きてんの!?」」

「いや、単純な事だろ。体内の電気を土に逃がしただけだ」

「それをあの一瞬に思いついたシンプルすごいね」


この場にいる誰もが驚いている。

そうだよ、この感覚を味わいたかったんだよ。


「ビリビリする」

「そんなビリビリするって言うレベルじゃないでしょ」

「もっとマシに抑えられなかったのか?」

「生きてるだけマシと思っとけ」

「クソ!ジャンピング――」

「ライトニング!」


俺は升の動きを止めさせる。


「ファイヤー剣!音波振動!」

「かっこいい!」

「雫って感性中学生男子だよな」


俺は升に向かって剣で切りかかる。


「落雷!強風!」

「また逃げられたか」

「純水!」


この戦い、どうやったら終わるんだ?


「あいつ逃げすぎだろ」

「ブーメラン、グチャァ」

「深く入りすぎだろ。死ねるわ」

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