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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
この世界
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仙台旅行3

俺達は客室で布団を敷き遊んでいる。


「ロン! 国士無双!よしかちぃ!」

「また負けた.....」

「雫、諦めるな! あの化け物をどうにか負かさないと俺達の借金が!」

「竜は50万円。雫は70万円だからな。家に帰ったら請求してやる」

「賭け麻雀は違法だろ」

「そんな法律、この町にはありましぇーん。法律の勉強してから出直してきな」


昔の法律なら暗記してるのに.....


「それに賭けようなんて言い始めたのお前だからな」


俺は口笛を吹く。


「じゃあさ。俺今からマジックするから完成度が高かったら借金帳消しでいい?」

「あ、竜だけずるいよ!」

「うるせぇ。早いもん勝ちだ」


俺はカバンから赤色のトランプを取り出す。


「まずここにダイヤのエースがありますね?」

「はいはい」


俺はダイヤのエースを手で隠す。

「なんとこのダイヤのエースがジョーカーになりました」

「能力を使っただけだろ」


俺は真顔で星奏を見る。


「使ったな」

「.....使ってないデス」

「使っただろ」

「証明しろよ!」

「そのジョーカーを見せながらダイヤのエースを出してみろよ」

「おぉいいぜ」

「ただし、魔力を完全に使い切ったと私が判断した時にのみとする」


俺は星奏から目を逸らす。


「出してみろよ」

「.....はいズルをしました。ジョーカーになんてなってません」

「そう言うことだ」


俺はジョーカーをダイヤのエースに戻しそこら辺に置く。


「星奏、人生ゲームをしないか?」

「急にどうしたんだ? 別にいいけど」


俺はカバンから人生ゲームを取り出す。


「まぁハンデとして俺はリアルの所持金である借金50万円を所持金で始めるものとする。そして人生ゲームでお金を手に入れる度にリアルの借金も無くなるというハンデをつけてやる?」

「まぁいいだろ。お前の悪知恵をとくと見せてもらおうか」



「はい、徳政令を発令!借金を帳消しにしまーす」

「ズルだろ!ズル!」

「星奏、負けたヤツが悪なんだよ」

「雫、言っとくけどお前は借金帳消しにならないからな。お前は借金を背負った状態で始めてないだろ」

「やっておけばよかった」


まぁ俺の計算勝ちかな。

そんな事をしてるとコンコンと扉が叩かれた音がする。


「南根様方、お食事をお持ち致しました」

「あ、はーい」

「布団片付けておくか」

「そうだな」


俺と星奏は布団を片付け雫は旅館の女将さんから食事を受け取っている。


「ちょっと2人も運んでよ」

「待ってくれ。布団なんて畳んだ事がないから時間がかかるんだよ」

「私だって布団の畳み方は知らないんだぞ」

「はぁ、全く」


雫は大きくため息をつく。


「では、ごゆっくり」

「はーい」

「ありがとうございます」


女将は扉を閉める。


「お腹すいたなぁ」

「ていうかいい匂いだね」

「雫の料理も結構いい匂いだろ」

「自分で作ったものは間近でずっと嗅いでるからなんとも思わないの」

「食堂のご飯は何も思わなかったのか?」

「あそこは色々な匂いがするからね」


そんな事を話しながら食べる準備を整える。


「「「いただきまーす」」」



「ふー、美味しかった」

「だなぁ」

「和食っていいね。今度ザ和食みたいな晩御飯でも作ろうかな」


俺達がそんな事をしてるとまたコンコンと扉が叩かれる。

雫は颯爽(さっそう)と扉を開ける。


「食器をお下げに来ました」

「はーい」


俺達は女将さんに食器を渡す。


「ではごゆっくり」


女将さんは扉を閉める。


「よし続きでしようよ。まだ私の借金が残ってるんだからね」

「利子がついて今の所は100万円ですね」

「ヤクザもビックリな金利してるね」


雫は俺と同じ手を使おうとしてるのか人生ゲームを取り出す。


「雫、人生ゲームはやめようか」

「.....星奏.....私だって早く開放されたいんだ」


雫はニコッと星奏に向けて笑う。

星奏は雫に笑い返す。


「借金漬けにして低俗な店でしか働けなくしてやる」

「うわぁ低俗な店とか言っちゃいけないんだ」


なんか急にケンカを始めたんだけど。


「雫、ここにトランプがあるじゃろ?」

「ポーカーはしないよ」

「うっ」


こいつ、自分の得意分野で雫を借金まみれにするつもりだったのか。


「そうだ。私の考えたゲームで勝敗をつけようよ。私が買ったら借金帳消し。負けたら借金を10倍にしてもいいよ」

「よし来た! どんな内容だ?」

「私はこの全部のトランプの中から1枚引いてそのマークと数字を当てるゲーム。質問は5回だけね」

「雫も雫で大概だな」


俺はため息をつくが2人の動向を見守る事に。


「えぇっと、それは赤色ですか?」

「YES」

「それはダイヤですか?」

「NO」

「それは7以上ですか?」

「YES」

「それは10以上ですか?」

「NO」


結構絞ってきたな。

7から9の間の数字である事は確定したな。


「その数字は8ですか?」

「YES」

「来た! 答えはハートの8だ!」

「残念、答えはスペードの8だよ」


星奏はキョトンとした顔をする。


「お前もまだまだだな」

「え?」

「このトランプの色は赤色だろ」

「え? そういう事?」

「そゆこと」


雫に騙されるとかまだまだだな。


「聞き方が悪かったんだよ。そのマークは赤色ですか?なら良かったんだ」

「星奏、これで私の借金帳消しだね」

「クソ!」


ゲームの天才は凡人の罠にまんまと引っかかったって訳だ。

油断してるからそうなるんだぜ。


「ていうかなんで実際の金をかけてたんだっけ?」

「それはお前がそっちの方が脳汁じゃぶじゃぶやでって言ったからだろ?」


俺がそんな事言う訳.....言ったわ。

普通に言ってたわ。

多分賭けることに快感を感じていたんだな。


「まぁ私はプラスからゼロに戻っただけだしいいか」

「俺らはマイナスからゼロに戻っただけか」

「まぁ私達と星奏じゃゼロの意味が違うけどね」


星奏は帰った時に貰えるお金がゼロになり俺達は所持金全てがゼロになった訳だ。


「……何も買えねぇ」

「買い食いができないなんて」

「最初でやめなかったのが悪い。自業自得だ」


俺はもう絶対にギャンブルなんかに手を出さないと誓った。



俺達はまた布団を敷きもう寝ようとしていた。


「枕投げしようぜ」

「こんな時間にか?」

「そうだよ」

「枕投げで帰らぬ人になった人が学校いたからパス」


怖すぎだろ。


「どんな枕投げしたらそうなるんだ」

「その子は喘息持ちだったらしい」


なるほど。

そりゃ納得だ。


「でも……私は喘息持ちじゃない……よ!」


雫は全力で俺に枕を投げてくる。


「卑怯だぞ! この!」


俺ももちろん投げ返す。


「なら私も……オラッ!」


星奏が投げた枕は俺に当たった後に雫にも当たる。

どんな投げ方したら枕がそんな挙動をするんだ?


「やったな!」


俺達はお互いに枕を投げまくった。

すると急に壁からドンっと音がする。


「うるせぇぞ!」


壁の向こう側にいる人達に迷惑がかかっていたらしい。


「すいませーん」

(やめよっか)

(そうだな)


俺達は満場一致で枕を元の位置に戻す。


「じゃあ電気消すぞ」

「よろしく」


俺は電灯から垂れている紐を引っ張り豆電球にする。


「私は真っ暗じゃないと寝れない派だぞ」

「俺は真っ暗だと怖いんだ」

「ガキか」


そんな事言わないでくれよ。

怖いものは怖いんだ。


「怪談でもしてやろうか?」

「俺、別に真っ暗が怖いだけで怪談は大丈夫だぞ」

「意味がわからないんだけど」


真っ暗が怖いんだ。

ただそれだけだ。


「じゃあママが守ってあげるから真っ暗にしてよ」

「どうやって?」

「え?それはもう……抱きしめて?」

「全身を抱きしめれるようになってから言ってくれ」

「じゃあ私がやってやる」

「お前の場合は起きた時絶対体のどこかが痛くなるから嫌だ」

「ひどいな」


仕方ないだろ。

お前の筋肉はそんぐらいはあるんだから。


「もういいやアイマスクするから」

「最初からそうしろよ」


俺は布団に潜る。


「ねぇねぇ好きな人いるぅ?」

「修学旅行かよ」

「えぇっとねえぇっとね。私は2組のたかし君」

「誰だよ」

「乗ってあげただけ感謝して欲しいんだけど」


俺のやりたいことリストのひとつなんだぞこれ。


「私はな。11組のかんぞう君」

「うちの学校は10組までしかないぞ」

「なんで星奏の時は乗るんだよ。ていうか恋愛からホラーに移行するのはやめてもらっていいかな。急すぎて怖い」


怪談も実はやりたいことリストのひとつなんだ。


「これは昔昔の話なんだがな。今日のような風が強い日じゃった」


雫が急になんか始めたな。

すると窓から視線がする。


「なんだ? 急に視線が」

「真太郎という男がいつも通り手作りの草履(ぞうり)を江戸の町で売りさばいていた時じゃ。7尺ぐらいするであろう大男が下を向きながらやってきたんじゃ。真太郎はその男にも売ろうと男に合う足のサイズの草履を探すために男の足を見ると……」

「……見ると?」

「どうせ足がなかったとかそんなんだろ」

「だから竜は嫌われるんだよ」


俺は嫌われてない。

好かれてもないだけだ。


「ていうかなんだこの視線」

「あぁ、ブラウニーだよ。なんだ視線を感じる!?っていうセリフを言わせたいがために呼んだ」


ブラウニーが可哀想すぎる。


「てことでおやすみ」

「おやすみ」

「おや…すみ」


雫はいつもより起きてたからかすぐに寝てしまったようだ。


「……やはりアイマスクが邪魔で眠りにくい」

「真っ暗にしといてやるよ」


近くに2人がいるから多分怖くないはず。

俺は部屋の電気を消しすぐに布団に入る。


「ちょっと怖い程度だな」

「慣れろ」


星奏はそれだけ言うとすぐに目を閉じる。

俺も寝よっと。

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