仙台行き途中
「この道、合ってるのか?」
「俺が道案内してるんだぞ。間違いは無い」
「大丈夫かな?」
そんなに心配しないで欲しい。
「俺は上空から今の現在地と目的地を把握出来るんだぞ。お前らとは違ってな!」
「雫、このスピードなら人を落としても死にはしないよな?」
「多分死なないと思うよ」
まじかこいつら、人間じゃないだろ。
「今からお前は走って仙台まで行くんだよ」
「無理無理、死ぬわそんなん。俺に筋肉が全然ないことなんてお前ら知ってんだろ?」
「気にするとこそこなの?」
そら気にするとこはそこしかないだろ。
「まぁいいか。そんな事より多分ここからゾンビが多くなってくると思うから気をつけろよ」
現在地は大体あの町を出て2時間程度のところだろうか?
「ていうかお腹空いたよ」
「腕時計買ったから時間見るわ。大体12時ちょうどだな」
出た時間は10時くらいだから俺の感覚は完璧だな。
「なんか竜がドヤ顔してるんだけど」
「どうせ俺の予想してた時間と今の時間が合ってたんだろうな」
なんでお前らってそんなエスパーみたいな事してくんだよ。
「じゃあサン達止めるね。動いたまんまじゃ食べにくいだろうし」
「よろしく」
俺と星奏はお昼ご飯のカレーの準備をする。
冷やして鍋に入れて持ってきたもののため火で温める必要がある。
俺達は獅車から降り雫はサン達に水をやっている。
「どっちが鍋持つ?」
「ここはやはりジャンケンで」
こいつジャンケン好きだなぁ。
「まぁいいや。ジャンケンポン!」
俺はグーを出し星奏はチョキを出す。
俺は星奏に鍋を渡す。
「俺の勝ち」
「はぁ耐熱手袋ってあったっけ?」
「ていうかさ。お前の能力使えばいいんじゃね?」
「確かに。…エアーウォール!」
星奏は能力で空中に鍋を置く。
「真下からやれよ」
「はいはい」
俺は指パッチンをし魔法で火をつける。
温度は180度位に設定する。
「どうよ」
「厨二病みたいだな」
「そんな事言うなよ」
そんな事を話してると雫がやってくる。
「これ、普通に土属性の魔法で作った方が分かりやすくない?」
「「確かに」」
その考えはなかった。
「まぁいいや。ていうか暑いな」
「もうそろそろで7月だからな。そら暑いわ」
「日傘でも持ってくれば良かったね」
「こう言う時こそ能力を使うんだ。俺の能力の場合太陽光を少し曲げて影を作るとか」
俺はそう言い自分の周りを少し暗くする。
「おぉ、そう言うのはすぐに思いつくんだね」
なんか悲しいな。
「水撒きでもするか」
星奏はそう言うと魔法で水を出しそこら辺に撒く。
「ほら、そんな能力使わずとも涼しくできたぞ」
「能力使ってたらその事に集中しないといけなくなるから大変だよ」
確かに。
俺はそう思い能力をきる。
そして俺も水撒きを始める。
「レジャーシートを敷いとくね」
「重りってあったっけ?」
「そこはまぁ...魔法で」
魔法頼りになってきた今日この頃。
雫はレジャーシートを敷き魔法で岩石を出す。
「ていうか。水撒きするよりそこら辺に氷の塊でも置いておこうぜ」
「あぁ、確かに」
俺と星奏は出す魔法の準備をする。
「こんなもんかな。ホイっと」
「大体これでいけるか。はいっと」
俺と星奏は1m程度の氷塊を数個だしそこら辺に配置する。
「「「あぁ涼しい」」」
俺達が涼しんでいると涼しさを求めてかゾンビ達がやってくる。
「まじかぁ」
「はぁ、めんどくさ」
「これだから空気を読む事を忘れたゾンビ共は」
俺達は剣を抜き口々にそう言う。
「早くお昼ご飯にありつかせろ!ファイヤー!」
俺は前方にいるほとんどのゾンビに対し炎魔法をくらわせる。
「汚物は消毒だぁ!」
「やっちゃえ、竜!」
「ヒャッハー!」
「頭おかしくなっちゃったなこいつら」
星奏がそんな事を言ってくるが気にしない。
「数は大体20だな」
「上級ゾンビを倒した俺達に雑魚どもが勝てると思うなよ」
「そうだそうだ。雑魚共は引っ込んでな」
「お前ら。…精神科の病院でも早くできないかな」
ナチュラルに頭がおかしいと言われてる気がする。
「頃合だな。竜、魔法を止めてくれ」
「汚物は消毒だ!」
「やめんか!」
星奏は俺の頭に拳を叩き下ろす。普通に痛い。
「もうわかった、わかった。ほらよ」
ゾンビ共は火だるまになりながら立ちすくしている。
「アチッアチチチ」
燃え上がっているゾンビの中から声が聞こえる。
そして俺達は顔を見合わせる。
「中級ゾンビはっけーん!」
「上級ゾンビに…」
「さっきも聞いたわ」
「オマエラ、ユルサンゾ!アイスドロップ!」
ゾンビの魔法によって俺達の頭上に氷の塊ができ落ちてくる。
「お返ししてやる!」
星奏が手を上にすると氷の塊は空中でピタッと止まる。
そしてその氷はゾンビ達の方に飛んでいく。
中級ゾンビは魔法で水を出し火を消化する。
「ウェッ?」
星奏が飛ばした氷は目の前にいたゾンビを一蹴する。
「イタイ」
「痛くなかったら困るだろ」
「流石のゾンビにも痛覚はあるからね」
星奏は氷をゾンビ達の真上に浮かせ落とす。
「星奏、悪魔だろ」
「それより早くカレーの火を止めてくれ。焦げてしまったら困る」
「確かに」
俺はカレーのために出した火を止める。
そしてカレーの鍋を見る。
「おい星奏、カレーの鍋が落ちてるぞ」
「えぁッ?」
「あ、今日はお昼ご飯なしだね」
カレーの鍋が落ち中身がドブドブと出てきていた。
「クソッ!シナナイカラッテコンナコトシヤガッテ」
中級ゾンビは氷を溶かし出てくる。
「お前さえいなければ!」
「…?」
「死ね!」
星奏は全速力でゾンビに近づく。
「エッ…チョ!」
ゾンビは魔法を使おうと手を前に突き出すが星奏が両腕を一気に切り落とす。
「じゃあな」
「アレ?ウデワ?アッハエ…」
ゾンビの腕が戻ると星奏はすぐに首を切り落とす。
「他のヤツらは氷が溶けるまで出てこないだろうな」
「すぐに溶けそうだがな」
「そんな事よりお昼ご飯どうする?」
前は多すぎて困ってたのに今回は少なくて困るなんて。
「ゾンビでも食うか?」
「星奏、流石にそれはないよ。人間を食べてるのと変わらないしね」
お前ら、前まで普通に食ってたんだぞ。
俺は2人を羨ましい物を見る目で見る。
「はぁ…こいつだけ荷台に乗せて行くか」
「そだね」
俺達は仙台に向けて再出発する事に。
「この鍋どうする?」
「洗ってから持っていこうか。無駄になった食材たちは燃やせばいいか」
すごく罰当たりな気がする。
「この世の全ての食材に感謝を込めたが無理でした。ファイヤー」
俺はサッと無駄になった食材を燃やす。
「これ、誰かに見られてたら絶対に怒られるだろうな」
「確かに。でもこうゆうのはすぐに謝っとけば許されるもんだよ」
雫はそう言って土下座の体制を取る。
「さぁ、2人共」
「えっ?しょうがないなぁ」
「はいはい」
俺と星奏も土下座の体制を取る。
「「「誠に申し訳ございませんでした!」」」
俺達は深く深く頭を下げた。
「よし、これで大丈夫」
「やる必要あったのか?これ」
「いつどこで見られてるか分からないからね。それに昔だったらネットに動画が流出しちゃうよ。炎上待ったなしだね」
「そういうもんか?」
「そういうもん」
俺は少し疑問に思うが魔法で鍋に水をかける。
星奏は水がかかっている鍋をゴシゴシと洗う。
「よしこれでいいか」
「うい」
「よし、出発するよ」
俺は水を出すの止め獅車に乗る。
星奏は鍋を持って獅車に乗る。
「では、変身いたし、間違えた。出発いたしまーす。白線の外側でお待ちくださーい」
(なんか、ここだけ見てると子供みたいだな)
(確かに)
「2人共、何か言った?」
「「ヴェッマリモ」」
「噛みすぎじゃない?」
雫も鬼ごっこの時によく噛んでた気がする。




