情報弱者2
「うぅ、まだ痛い」
「そんな竜に可哀想なお知らせです。今日の買い出し当番は君だよ」
こんな日ぐらい休ませろよ。
どこの誰のせいでこうなってると思っているんだ。
「とりあえず、行ってきて。買うものはもう書いてあるから。ちなみにお金は丁度になるように入れてあるから竜の夜に使う本を買う資金源に出来ないことを言っておくよ」
「お、俺はそ、そんなもんか、買わねぇし。ていうか、そんな事言ってる雫が買ってるんじゃないんですか?」
「私は別に買わなくてもやろうと思えばいつでも出来るもん」
...えっ?
「彼氏でもいるの?」
「違うわ。家に性欲の権化の男性がいるんだもん」
ふむふむ、この家には男性は1人。妙だな。
「ていうか、ナチュラルに男性をバカにするなよ。お前はヅイフェミか?」
「なんでそれも知ってるんだよ。ていうか早く行って、行って。この時期はすぐに暗くなるんだから」
「俺、光を操れるから別に暗くなっても...」
「私達のお腹が空くでしょ。早くして」
「はいはい、いってきまーす」
俺は仕方なく行くことに。
まだお腹の痛みは引いてないが痛みは和らいではいる。
「えぇっとササミが10本にってあいつガチめにやる気かよ。まぁいいや。それとチーズか。チーズなんてあるのか?...あったわ」
俺は食堂の向かい側にあるタワマンの1~4階を改良して作ったスーパーにいる。
「で、えっと後は...謎肉?なんだそれ」
俺はメモに書いてあった通りの商品をカゴに入れる。
この謎肉って一体なんなんだ?
「この位だな」
ていうか、あいつら俺の演技に引っかかってくれたかな?
俺のバレバレな嘘演技。
エロ本を買ってないかを聞かれたら買ってるに決まってるだろ。
でもそれをあいつらにバレたくない。
そこでキッパリ違うと断言するより絶対持ってるだろと思わせ、いやあいつの事だからあの反応的に持ってないと考えさせる完璧な作戦だ。
「なぁ、そういえば今日雨だったよな?」
「そういえばそうだったね」
「竜、傘を持って行っていたか?」
「...はっ!」
竜は最近新聞を全く読んでないんだった。
「しょうがない。傘を届けに行ってくる。いつものスーパーだよな?」
「そうだね。じゃあ行ってらっしゃい」
誠華ちゃんは立ち上がり傘を2本持つ。
「もうすぐで雨だから気をつけてね」
「はいよ。いってきます」
「いってらー」
私は家に1人取り残される。暇だ。
「そういえばあの竜の反応的にエロ本を持ってると思うんだけどあの竜がそんなわかりやすい反応を取るかな?うーん、考えてみたって始まらない。やるか、家探し」
私は竜の部屋でエロ本がないか部屋の探索をすることにした。
私はすぐに竜の部屋のドアノブに手をかけていた。
「じゃ開門!」
私は竜の部屋のドアを開ける。
中は意外と綺麗にしてあるようだ。
よし探そうと思っていると
「ただいまー。意外と近くにいた」
「買い物なんかに貴重な時間を使いたくないものでね」
私は一瞬でドアを閉じ元の位置に戻る。
「やっぱ買い出しは疲れますな。あんな重いものを運ぶのが大変だ」
竜はそう言っていつも座ってる場所に座る。
「今日も今日とて雨が強いな」
家探しする事に興奮してて気づかなかったけど雨が降り始めていた。
「…あっ、鯉のぼりだ」
竜はベランダ方面を見ながら言う。
「お前ら鯉のぼりをたてるなんて子供だなぁ」
竜にだけは言われたくないよ。
「こどもの日は昨日だろ?何建ててるんだよ」
竜が少しニヤつきながら言ってくる。
殴りたい、この笑顔。
「まっ、俺は寛大だからな。たてることを許してやろう」
「星奏、鯉のぼりって燃えるゴミだっけ?」
「そうだな」
「ちょっとまてよ。も、もったいないしさ。せっかくだから飾っとこうぜ。だって後3年もしたら子供じゃなくなるんだぜ。子供の日か楽しめなくなるだろ」
「いや、成人するのは18歳だから今年で終わりだぞ」
「はっ?」
成人って20歳になったら成人するんだろ?
「まぁそれ以前にお前の場合子供の日がただの日になるもんな。そりゃ楽しんでおきたいわけだ」
「どういう意味だコラ」
なんでこうもバカにされないといけないのか。
俺にだって彼女の1人や2人簡単に出来るはず。
絶対に出来るはずなんだ。
「星奏、竜って意外とモテてたんだよ?」
「「え?」」
「なんで竜も驚くんだよ?。前に言ってたでしょ俺、バレンタインの時にチョコ貰ったことあるからって」
そういえば言ったな。
そうだ言っていた。
でもあれは自分から自分にあげるという1番精神的に辛い事なんだが。
「そうなのか、意外と竜はモテるのか。私はなぜか女子からチョコを貰ってた側だからな」
なんで星奏に負けるんだ。
おかしいだろ。
そんな事を考えてると急に風が強くなる。
ふとベランダを見ると
「あっ黒い鯉がどっかに行った」
黒の鯉の糸が切れどこかに飛んで行ってしまった。
俺は何も反応出来なかった。
「あっほんとだ。ていうか紫の鯉が外れかけているぞ」
「ちょっと竜、部屋の中に入れて。裁縫箱取ってくるからちょっとまってて」
裁縫で何とかなるのか?と思いながら鯉のぼりを部屋の中に入れる。
「そういえばお前らの部屋の中って何があるのか知らないな。物置部屋には結構色々あるけど部屋がどんな感じかは知らないんだけど」
「お前、人のプライベートが気になるって中々キモイぞ」
「いや、一緒に住んでるだから少しは気になるだろ」
星奏とそんな事を話してると雫が戻ってくる。
「じゃあオペを開始します。メス!」
俺はえっ?となっていると星奏は雫に裁縫の針を渡す。
「患者の容態は?」
「体は紫色になっており白色の命綱が1本外れております」
「なるほど、では白!」
星奏は雫に白色の手縫い糸を渡す。
そこからは星奏達は何も言わずに黙々と修復を続ける。
するとぬい終わったのか雫は立ち上がり少し暗い雰囲気を出しながら俺に近づいてくる。
「鯉は?」
「患者の手術は無事成功しました」
でしょうねと思っていると雫はすぐに手の形をお金の形にする。
「指名された手術なので大体10万円になります」
「ヤブ医者かよ。ていうか俺、そんなに持ってない」
「しょうがないですね。でしたら竜の持ってるエロ本でも見せてくれてらチャラにしてあげましょう」
「お前、発情期か?俺が買い物に行く時もこんな話だったし」
雫が心外だと言いたげな顔をする。
「ていうか俺、エロ本なんて持ってないし」
「嘘だ!」
「星奏、雫が壊れた」
「まぁ春だし。仕方ないだろ」
もうすぐ夏に入るんですよ。
今は梅雨なんだし。
「じゃあ部屋でも見せてもらおうかな」
「いいよ、別に。じゃあ俺もお前の部屋見るからな」
「なんでお互いに部屋を見せ合うんだ」
「星奏もだよ」
「は?」
星奏はかなり驚いた表情をする。
「当たり前でしょ。星奏だけ仲間はずれにはさせないよ」
「これは仲間はずれにされた方がいいのでは?と思うがまぁいいか」
なんで星奏は雫の時と俺の時とじゃこんなに対応に差が出るんだ。




